大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 文豪ストレイドッグス【r18/BL】福乱 ( No.14 )
- 日時: 2019/06/03 11:50
- 名前: だらく ◆nI0A1IA1oU
福乱でケーキバース〜【ある日を境に】その4
乱歩に言ったのは太宰か、社に戻っていないとなれば今日は社には戻ってこないだろう、国木田や谷崎が連れ戻してきましょうか等と聞いてきたが断り、先程社長室に戻ったのだが
............何故か乱歩が椅子に座っていたのだ
しかし、それは何時ものことで見馴れた光景だった、が一つだけ何時もと違うのは乱歩が寝ていることだった
........これからは、社長室に入れない方が良いだろう、こんな無防備で、乱歩と私しか居ない部屋には
........そう思った瞬間でもあり、そっと乱歩の頭を撫でた、乱歩が起きている時には稀にしかしないことだが、本当は何時もこうしてやりたいと思っている
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社長に手を引かれたことに驚いて今にも流れてしまいそうだった涙が引っ込み、目を見開いて為すがまま抱き締められた乱歩は何が起きたのか分からないと云うようにすっぽりと顔を胸板下辺りに埋められたままでいた
不安で押し潰されそうな気持ちが一瞬で消えて、真っ白になった
でも、その真っ白で何もない、何も浮かばないのも一瞬だった、社長の温もりが感じられて少しだけ忙しない社長の心音が聞こえる
福沢さんの温もり、福沢さんの心音....安心する、もっとこうしていたい........出来るならと自分からも背に手を回して確かめるように抱き着く
それに重なるようにふわりとまた、乱歩から発する鼻腔を擽(くすぐ)るような甘い匂いが増して、抱き締めるのを止めて離れようとしたが乱歩が手を背に回して羽織から滑(すべ)りそうな手をむぎゅと服を掴んですり寄るように頭を押し付けてきたので離れようにも離れることが出来なかった
乱歩から発する甘い匂いでくらくらしてきた思考を何とかしようとなるべく匂いを気にしないようにしつつも乱歩が気が済むまで抱き締め、背を撫でる
その仕草を何度かした後に、もぞりと乱歩が身動(みじろ)いだような感覚がして乱歩の方を見やれば、顔を上げた乱歩と目が合った
「........福沢さん、忙しいのは........分かってるけど、顔ぐらい見せてくんないと僕の調子が狂うから見せてほしい、福沢さんが足りない」
互いに見つめ合った状態が数秒続いてから乱歩は躊躇(ためら)ったように口をゆっくり開いて、開眼しているつり目で福沢を見上げながらも何処か拗ねているような声音ではっきりと言い、足りないから何とかしてと云うように強請(ねだ)っている瞳は身長差の関係で上目使いになっている
私が足りないとは何だ?とくらくらとする頭が更にくらくらとしてくるのは気のせいじゃないだろうと福沢は思った、どう云う意味で言ったのかと逸らしていた視線を乱歩に戻し
「すまなかった、乱歩 これからは顔を出すようにする....、....して足りないとはどう云う意味だ?」
まずは乱歩の様子も社の様子すら見れなかったことに対して詫びて安心させるように背を撫でてながらそう言い、少し躊躇ってから先程の言葉の意味を聞く
「意味ってそのまんまの意味....今まで会えなかった分、福沢さんを感じたいってことだけど....駄目?」
まるで、え?と聞き返すように不思議そうな眼差しで福沢を見ながらそれ以外何があると言わんばかりにはっきりと言い、間を少し空けてから僅かに首を傾げて何処か甘えたような声でそう聞く
聞くんじゃなく聞き流せば良かったと福沢は先程の聞き返してしまった言葉を後悔するもすでに口から出たこと取り消しは効かない....駄目も何も否、感じたいとは.....とそこまで目を閉じてどう受け止めようかと考えていたが、それを止めるかのようにふわりと甘い匂いを纏わせて
唇に何かが触れた、触れただけで甘いと感じる柔らかな何か−−、その何かは紛れもなく乱歩の唇でそのことを理解すると福沢は驚いたように目を開けて乱歩を見やると仄(ほの)かに顔が紅くなりながらも何時もとは違ったはにかんだような笑みを此方に向ける乱歩の姿があった
開眼している目は乱歩の想いを映すかのように熱を持ち、心の奥底から望んでいると見ただけで分かり、それに答えるように福沢は乱歩がした触れるだけの口付けよりも深い口付けをする
「っん....あ、ふ....んんっ」
福沢にリップを塗るような丁寧さで上唇と下唇を舌で舐められて、乱歩はぴくんと体が反応し、服を掴んでいる手に力が入るもののすぐに吐息混じりの色めいた声と同時に力が抜けて委ねるように瞼を閉じ、するりと入ってきた舌を受け入れる
「んぁっ....ふあ.....あ」
歯並び、歯茎、歯の裏、口内を余すことなく舌で丁寧になぞられている感覚に恥ずかしさからか、或いは福沢さんにされていることに対してか、その両方かは定かではないが、仄かにだった頬がかぁぁっと耳まで紅くなり、無意識に甘い声がなぞる度に口から洩れてしまう
何でこんなにキス上手いの?福沢さんと内心で乱歩は思うが、自分の発する自分じゃないみたいな声と福沢の舌が自分の舌を絡むように触れ合い始めて
その思考が次第にふわふわしてきて、じわじわと火照(ほて)る体が、福沢の熱を求めるように疼(うず)いてきて物足りないさが募り始めると同時に息が苦しくなり
「んぅ..ふ....ぁん....ふく、ざわ....さん」
弱々しく福沢の服を握っていた手をくいくいっと二回引っ張り、口から放してくれた福沢を苦しさともどかしさで涙目なった何処かとろんとしたつり目で見つめ、舌足らずな声音で呼ぶ、唾液で口を放しても繋がれていた糸に福沢さんと僕はキスしたんだ、福沢さんも同じなのかなとそう思うと嬉しく恥ずかしくまだまだ福沢さんが欲しいと思ってしまう
「っ..苦しかったか、すまん ....だが、止められそうにない....私を煽(あお)ったのは乱歩自身だ....誰を煽ったか、先をやれば引き返せないのは、分かるな?乱歩」
乱歩に服を引っ張られてはっとしたように口を放すが繋がれた糸に何れ程深く味わっていたのだろうと福沢は思うも、乱歩の甘さと愛しさに戸惑ったように数秒目を泳がせるも何とか口にして、一旦目を閉じてから再び目を開けて真っ直ぐ乱歩の瞳を見て、本当に良いのかと云う意味を含めて聞く
「うん、勿論....分かってるけど、僕は福沢さんのこと好きだから....それに、この僕を食べて良いのは福沢さんだけだからね!それと福沢さんの気持ちも僕と一緒だから.......僕の恋人になってほしいんだ、福沢さんに 福沢さん、続きしよ?」
僕の傍に居れない時は、福沢の恋人だって云う証を僕に付けて欲しい、福沢さんにしか、僕を満たせないんだから、好き、大好き...福沢さん、愛してるよ
ーーENDーー
あとがき
このあとは皆様の想像にお任せ致しますね!←