大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 文豪ストレイドッグス【r18/福乱】BL ( No.16 )
- 日時: 2019/06/03 11:55
- 名前: だらく ◆nI0A1IA1oU
福乱でケーキバース〜【2】【同性、年の差なんて、そんなの】その2
少しずつ認知はしているようだが、一部を除いて皆、理解に苦しみ、奇異な目で見る者が多く居る本国。世間の目は厳しいものになるだろう。其れは恐らく乱歩が思うよりも、だ。
世間は放っては呉れぬ。障害は付き物だ、世間に認められねばならない。
___________________________
そんな様子に福沢は、書類を端へやってから扉の近くに未だに居る乱歩に
「此処一週間の成果は、目まぐるしな」
「うん。まあ、僕にかかれば造作(どうさ)もない陳腐(ちんぷ)な事件ばかりだったけどね」
あれぐらいだったら、賢次君か谷崎に任せても解決出来そうだけどね。と僕が行くまでもない。と云うように言い切る乱歩は、此処一週間で自分が解決した事件を思い返しているのか福沢の後ろにある窓に映る景色に開眼してない目で見る。その中には0.5秒しないで解決した事件もあったと、報告があり犯人を当てるだけ当てて帰ったと云う事もただあるが、何にせよ頑張ってきたと福沢は思った。
「乱歩からしてみればそうかも知れん。だが、迅速(じんそく)に解決出来るのは探偵社の中で乱歩だけだ」
そんな乱歩に視線を合わせるようにゆっくり顔を上げれば、乱歩の視界に映ったらしく乱歩も此方をほぼ同時に見たので自然と目が合い、目を逸らさずに目線を合わせたまま、再び徐に口を開けば
「よくやった、乱歩」
不意に柔らかな優しい目とふわりと優しさを纏っているような暖かみのある微笑をして、穏やかに云う。そんな表情を見た乱歩は、あまり見ない表情とそれが自分の好きな人だと云うことも相俟(あいま)ってか鼓動がさっきと比べて早くなり、頬に火照(ほて)りを感じて更にその表情で褒められたというのもあり、体温が上がったような気がして隠せないのは頭の中では分かっていたがそれを隠すように
「っ....それだけじゃあ、全然足りない」
それだけでも、その表情を見れただけでも乱歩は充分だった。充分満たされていたが今日はあくまでも一週間分を褒めて貰うことで、福沢さんと居る時間を何時もより長くしたい。長く過ごせると思っていたのもあり、言い終わった後、ぷいっと福沢さんから顔を逸らす。
「そう云うと思い、今しがた終わらせた所だ。乱歩が来る予感がしてな」
こうなる事を予想していたのか、それとも常日頃からかは定かではないが、相手が乱歩だからこそ、相手が自分の恋人だからこそ云える言葉をさらりと告げる。日常会話のように云うものだからか、それともそんな言葉を掛けると思ってなかったのか乱歩はまるで聞き返すように素っ頓狂な声を上げて福沢を見る。
「え?」
「私の今日の仕事は急務が入らぬ限りない。 乱歩の好きな場所でも好きなように使っていい」
「.......残りの半日、僕に呉れるの?」
「嗚呼、そうだ」
「!!」
福沢さんの言葉は、真摯(しんし)だから疑いようもない。否、疑いたくないと云うのが心の奥に常にあって誰よりも傍に居たからこそたった今、云った福沢さんの言葉は真(まこと)だと分かる。しかし、予想してない。把握してない。心の何処かで無理だろうと諦めていた事で嬉しいのについ、信じられなくて確認するような疑うような声音になってしまっていた。
けれど、頷いてからはっきりと口にする福沢さんを見て、ゆるゆると口角が緩くなるのが自分でも分かったものの、止められそうになくぱああっなんて効果音がつくような笑みを、心底嬉しそうな笑みをして今にも飛び付きそうになるが、真っ正面には書斎机。その前には応接間、どちらにしても福沢さんまで遠い。その為、どんなにそんな莫迦げた事をやりたくなる嬉しさに駆られようがそれは叶わない。
「っなら、福沢さん。膝、貸して!」
開眼していた瞳を糸目に戻すとそわそわと落ち着きのない様子で嬉しそうな笑みをしたままで自分の腕を上にばっと広げて、無邪気に昔を彷彿するような声のトーンで云う乱歩は、また開眼した瞳で福沢さんを見る。
それを受けた福沢は突拍子もない。否、予想していたからかぴくりと片眉を動かしたのみだった。
「...、...善かろう」
膝、貸してというのは、大方膝枕して欲しいのだろうとは分かるが、承諾するのは些か問題があった。乱歩自身がという訳ではなく自分自身の体質。フォークと云う体質になっている為にケーキである体質の乱歩が近くに居ること事態、脳天に来るものがある。だが、恋人の頼みなら断る理由にはそれは該当しない。問題は自分の精神力。まさか、鍛練がこんな形で役に立つとは思わなかったが、無ければ、不味かったと福沢は思いながらも、福沢は社長椅子から応接間にあるソファーへと移動しソファーに座り、ぽんぽんと膝を2回軽く叩いて乱歩を手招くような仕草をする。
「福沢さん。......我慢、しなくても良いよ」
そんな葛藤も見抜いたのか、福沢の些細な言動で普通の人ならば分からないことも分かり、手招きされて否、されなくても直ぐ様福沢の膝に頭を乗せてからそんな事を口にした乱歩。
乱歩は、自分がケーキ体質で最も福沢の好みの味、匂いだと云うことも脳が欲し衝動に普通のフォーク体質の人なら襲って食らっていただろうと、自分が無傷で何処も損傷しないのは福沢だからこそ長く居ても況しては同居しても無事でいる。無事で済んでいるのはそれが何れくらい精神に脳に来るのかは分からないが並大抵の精神力ではないと出来ないと乱歩は思っている。自分がフォーク体質だったら、我慢出来ているか分からない。其れぐらいほぼ毎日お菓子や洋菓子、和菓子等食べているからきっと持たないだろうと思う、だからこそ云って更にはそれが恋人で恋人には我慢させたくないから云った言葉でもあった。
そんな乱歩の言葉に、瞬きを忘れたかのように乱歩を数秒見た後。
「その言葉だけで、充分だ。 其れに仕事を終わらせたのは私の為でもある」
恋人を想うのは、何も貴君だけじゃない。と内心で乱歩に対し思いながら、薄く微笑して何時もより柔らかな声音で諭すように聞かせるように徐にそう口にする福沢は、一週間分誉めて貰いに来る頃だろうと乱歩が思い付く前に予感していて自分も来る前々から恋人になった乱歩と一緒に過ごしたいと思っていたから、半分半分だった。自分の為と乱歩の為に仕事を終わらせて今日半日は過ごそうと思っていた。昔と同じようにはいかないがそれでもなるべく居たいと思ったから、例え、フォーク体質のままとしても、フォーク体質じゃなくても居たいと。
たが、其れは長くは続かないだろう。と福沢は同時に思っていた。理由は、簡単だ。自分と乱歩は年が10才以上離れている。端(はた)から見れば親子としか見られず、下手したら孫と祖父だ。以前、鏡花を咄嗟に孫だと云ったが、其れはそれで致し方ないとは思っているが、其れに加えて同性と色々障害を伴う。