大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: 【文スト】R 太中。 ( No.14 )
日時: 2019/10/18 05:26
名前: 弑逆ノ藍

―――恋愛小話―――

〜後日〜

「……ぁ?」

見慣れぬ天井に中也はすっとんきょうな声を挙げた。

「あ、起きた?」
「……あぁ…おはよう」
「おはよう」

台所からひょっこり顔を出した治は中也が起きたとわかれば近付いてきてキスを落とす。

「顔洗う…」
「立てる?」

治が手を差し出してそれを中也がつかむ辺りまだ寝ぼけているのだろう。
いつもの彼ならスルーして行く。

「……………」

ボケーっと洗面台で顔を洗っていれば玄関から話声が聞こえる。
何となく。本当に何となく耳を傾けた彼は後に後悔する。

「あぁ!おはよう国木田くん!今日の朝も晴れ渡って実に入水日和だよねぇ」
「だぁざーいぃぃ!!!!」
「ふべらっ!!」

ドゴッ、と鈍い打撃音。

「貴様ぁ!!俺の安眠を妨害するとは何事だっ!!」
「な…なんの話か皆目検討もつかないよ」
「白々しい!昨晩午前一時ごろから午前三時十分三十五秒まで俺の部屋まで聞こえてきたぞ!!」
「わぁ!国木田くんきっといい盗聴ができるよ!」

中也の頭が澄み渡っていく。
冷たいものが血管を通っていくように腕から指先、足から爪先、
それと同時に熱いものが顔に集中していく

「き、……こえてた……」

真っ赤に熟れた林檎のように。
治の大好きな中也の顔に。

「ふぅ……あれ?どうしたの中也」

ニヨニヨと笑う彼が洗面所を覗くまで、もう少し……


〜恋愛小話 fin〜