大人二次小説(BLGL・二次15禁)

溜め息と想い ( No.3 )
日時: 2020/11/29 02:16
名前: さむわん
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode

2作目!! 
遅くなってすみません色々あったんですよ(泣)


R18入れるつもりです! 
中也さん女々しいぃ。片想い。(?)
アニメが始まる、一寸前っていう設定です。一応二人とも22歳。

おkの人はどうぞ!!



中也side

今日の仕事は一通り終え、家に帰る。明日は出張だ。早く帰って寝ねえと。
時計に目をやると、もう11時半を回っていた。

「飯食って風呂入って…寝るの最低でも日付跨ぐだろ此れ、マジかよ」

今日だって一寸した小競り合いを鎮圧させて来たのだ。中々の相手だったし、何より相手側の性格がひん曲がっててウザかった。疲れた。休みてェ。

「此の位、彼奴が居りゃ如何ってことねえんだろうなァ…」

はあ、と吐いた溜め息が白くなり、もう冬か、と気が付かされる。
そう云われてみれば少し肌寒いな。

彼奴が組織から消えて4年。漸く清々するかと思った俺の胸の内は、清々するどころか、黒い塊が次々にのし掛かって来るように重くなって、苦しくなっていく。意味解んねえ。少しでも気を抜くと彼奴の顔が脳裏を過ってしまう。

(嗚呼糞ッ…阿呆か俺は、彼奴が居りゃ、って…。太宰は関係ねえだろ)

止めろ、考えるな。考えたって何も変わらねえ。彼奴は戻って来ねえし、迎えにも来ねえ。此の儘彼奴との過去なんざ忘れちまえば、きっともう……ーー此の苦しさからも逃れられる。
玄関の扉把手に手をかけ、扉を開ける。



「やァ中也!!元気無いね御疲れかい??確かに疲れるのも無理無いね、だってもう此んな時間なんだもの!!遅い!!私も君を待って居るだけで疲れたよ!!3時間!!3時間も待ったのだよ!!此処で!!立って!!ねえ聞いてる!?!?」





は。

は?

はぁ?





……





「何で居んだよ出てけ此の迷惑噴霧器があああああァァァァ!!」

溜め息と想い ( No.4 )
日時: 2020/12/03 00:20
名前: さむわん
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode

太宰side

ーー2分前。

未だかなァ中也。相変わらずブラックだよねェ、何でこんな時間まで構成員を残しておくかな。おっそい。ま、解ってて8時に此処、来たのだけれど。
うふふふふ。中也の家久し振りだなァ。私と違って家事は出来るから、あの性格の癖して意外と綺麗なのだよね。扉を開けたら私がドーーン!何て幸福者なんだろう、私の此の美貌を眼前で見られる中也は!
中也ったらどんな反応するか解りきっているけど、予想通りにきちんと返してくれるのが彼の良い処だよねェ、うんうん。
あの頬が上気した顔で、私に一生懸命に罵詈雑言を吐いてくるのだよ。私だけの為に用意したあの言葉で、私だけの為にあの小さい口を開くの。嗚呼、ぞくぞくして堪らないね!!

私が此処に来たのは……伝える為。中也に、想いを。
何で組織を抜けたか聞かれるよね、答えなくちゃ。
何で中也に言わなかったのかって責められるよね、謝らなくちゃ。
大丈夫。今迄沢山言葉を探して来た。2年間地下で暮らしていた時からずっと、言葉を考えてた。
だから、きっと解って貰える。きちんと今迄の関係を絶ってーーさよならを言わなくちゃ。
私の片想いなんて、叶う筈ないのだから。

…駄目駄目!!此れが最後の日なんだから、明るくしようじゃあないか!!辛気臭いのは、私も中也も好きじゃない。其んなことを思っていると、扉がガチャリと開けられた。赤い髪が、見える。

「やァ中也!!元気無いね御疲れかい??確かに疲れるのも無理無いね、だってもう此んな時間なんだもの!!遅い!!私も君を待って居るだけで疲れたよ!!3時間!!3時間も待ったのだよ!!此処で!!立って!!ねえ聞いてる!?!?」

涙が溢れそうだった。色んな思いが込み上げて来て、吐き気がする。
中也の顔には「は?」の文字。目が見開かれて、出てきたのは予想通り悪口だった。

「何で居んだよ出てけ此の迷惑噴霧器があああああァァァァ!!」

嗚呼!!中也だ!!4年振りでも全然変わってない。背が低い、格好付けた帽子被ってる、口の悪い、私の好きな中也だ。変わってない。
私が居なくても、何も変わらない。
安心したのに、心の何処かで悲しかった。

「何しに来た!!」

中也が私を睨んで叫ぶ。背の高さの関係上、如何しても上目遣いになってしまう処が堪らなく愛しい。
でも、中也の言葉で思い出す。そうだ、始めなくてはいけない。私は大きく息を吸って、吐いた。

「君にーー想いを伝えに。」

またもや目を見開く中也。今度こそ「は?」が声に出た。御免ね。少し、格好付けさせて。

「此んな夜遅くに済まないね。でも、如何してか解らないけれど、今日じゃなきゃ駄目な気がして。………好きだ、中也。出会った時から、ずっと。」

流石に中也の脳もキャパオーバーになったかな。う、あ、は?しか云えなくなっている。

「ねえ、振ってよ中也」

「…」

「何時もみたいに、気持ち悪いって云ってよ。じゃないと私、また中也に会いたくなる。振って。もう、相棒じゃなくなってしまった私は敵なのだよ?好きじゃないでしょう?私のこと。諦められるくらいに、さ。」

真面目な振りして云う。心の底では、振って欲しくなんてないよ。そりゃあ。でも中也は敵になった奴に、況してや私なんかに好かれたくなんてない筈だから。
中也は俯いていて、顔が見られない。嗚呼、もっと嫌われたかな。ゲイだって、思われたかも。でも、違うのくらい解ってくれるよね?
私は、男だから好きになったんじゃないんだよ。中原中也って『人間』に、如何しようもなく惹かれてしまったんだ。

「チッ」

行き成りだった。
中也が舌打ちをしたかと思うと、視界が中也から遠ざかり、背中に痛みを感じた。突き飛ばされたんだ、と、数秒経ってから気が付いた。
すると。


中也は私の服の、脇の下辺りを左右掴んで、額を私の胸の中に埋めた。
抱き付いた、といった方が、早いかもしれない。

「…中也?何して「じゃあ何でだよ」

私が云い終える前に、中也が遮って言葉を発する。

「俺のこと好きっつったな?じゃあ何であんとき云わずに消えた」

「…!」

「何で俺に云わずに行き成り消えたんだよ」

「其れは」

「手前の相棒は俺だけなんだよ。手前のこと一番知ってるのは…知ってなくちゃいけねえのは俺なんだよ…!なのに手前は!織田に初めて会った時からだ。織田のことばっか見て、追いかけて、挙げ句の果てには織田の言葉で消えやがった。手前が消えた後の俺のこと、手前は考えたことあんのか!?手前が消えたら…相棒だった俺の立場は如何なるんだよ!手前の相棒は、俺でなきゃ務まんねえだろ…!手前はずっと…!!俺の傍に居て…!!相棒以上で…!!」

「中也……泣いてるの?」

「るせェ…!」

私の服を握る力が強くなる。何かを堪えるように、時々裏返る声。震える肩。
明らかに、泣いていた。
其んなこと思ってたの?中也。織田作に妬いていたの?相棒は、私が良いと思って呉れていたの?私が居なくなって、中也も辛かったの?中也も私のこと…好きだったの?
……全然知らないよ、そんなこと。
気づけなかった。気づいてあげられなかった。申し訳無いなあ。本当に、もう……人間失格だね、私。
止めてよ、此方まで泣けて来ちゃうじゃないか。其れじゃあ格好が付かないよ。…好きな人を泣かせてるんだから、もう格好なんか付いてないか。

「…御免」

素直に、謝る。すると中也が固まって、ゆっくりと顔を上げる。

「は…?」

「御免、中也。」

「…」

信じられない、と云った顔だった。全く、私が何時でも素直に謝らないとでも?
赤く張らした目で私を見る中也が可愛くて、思わず撫でる。中也は反抗せず、其の儘また顔を埋めた。
ふふふ、犬みたい。

「私、自惚れて居たのだよ。きっと私なら、中也への気持ちなんてさっぱり忘れて、上手くやって行けるって思ってた。だから、人を救う仕事がしたくて、消えた。…でも駄目だった。気を抜くと、何時も頭の中に浮かぶのは君の顔だし、あの高層建築物を見る度に思い出してしまうのは君だけだった。矢張り、一番好きな人のことって、そう簡単には忘れられないのだね」

「……俺も、だ」

中也が埋めた儘云う。

「手前のこと……す、き、だ、って気が付いたのは、つい最近だ。手前が消えて清々するかと思ってたのに、苦しくなっていくばっかりだった。手前なんか居なくたってなんも変わらねえと思ってたのにな。……で?未だ話は終わってねえぞ。何で俺に云わずに消えた?」

好き、と云うのに羞恥があるらしく、片言になる。
そっか。未だ答えて無かった。中也にとっては其れが、一番悲しかった筈だから。

「君に云ったらきっと、出て行けなくなるだろうと思って、云わないで行った。『組織抜ける』なんて云ってから行くのも、其れは其れで残酷でしょう?私…きっと泣いてしまうから。だから云わないで、消えた。けれど、何時か今日みたいにきちんと話そうと思って居たのだよ。私の計画では、話して、謝って、振ってもらって、さよならって積もりだったのに。なんか…逆効果だよ。敵なのに、相思相愛を確認し合って如何するのさ。物凄く嬉しかったけど。」

中也は、黙ってじっと、私の話を聞いていた。そして、顔を上げて、真っ直ぐ立って、
笑った。

「良いじゃねえか、敵でも。相棒になれねえ…戻れねえなら、相棒じゃなく……もっと近い距離で、隣に居りゃ良いじゃねえか。相棒を、互いを嫌い合ってた俺達でも出来たんだ。……今の俺達ならもっと先、行けるだろ?」

「成る程ね……相棒ーー、ずっと傍に居て、足りないところを補える、互いを信頼している関係。相棒でもなく、さらに其の先…此れを何て呼ぶんだろうね?」

「そうだな…恋人、じゃねえか?」

「……本当に、良いの?」

「ハハッ、何を今更。だがな、他に女作る真似でもしてみろ太宰、其ん時ァぶっ殺すぞ」

「誰が此んな可愛い彼女を置いて女性と戯れるのさ。其んな余裕私には無いよ?解らせてあげようか……?今からでも」

「なんッ…!?彼女!?俺!?俺が下!?」

「おっ、良いぞ中也、ヤる気満々だねえ♪」

「な、違ッ〜!!糞がああァァ!!!」










ぎゃあああああ最後めっちゃ走り書き★

此れで一応此のお話は完結!として読めるようにしてありますが、次回はこの続きとしてR18ぶっ込みます。苦手な方が此処で止められても大丈夫です。

それでわ!!お休みなさいませ!!