大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.40 )
- 日時: 2021/12/20 23:35
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』
もういつだったかなんて、忘れてしまう程の話。
出会ったその時はまだ高校二年生の少年だった。
じゃあ、そいつの事を意識したのはどうだった。高校三年生に上がった頃か、卒業してからか。
否、きっと、最初からだ。
最初から、"神代類"は特別だった。
だって、意外と睫毛が長くて、伏せた時に黄色にはらりと影を落とすのを知っている。少し困った時に、口元に手をやりながら真面目な顔をするのを知っている。
観客の笑顔を見た時、誰よりも嬉しそうに目を細めるのを知っている。
ずっと、ずっと見ていたから。
だからその所為で視線がかち合うと、黄色が金色に染まり、一層綺麗に輝くのも知っていた。
高校を卒業してからも、それを追いたくて一緒の大学に通いながらショーを続けて。それだけじゃ足りなくて、ルームシェアの提案もして。
そうするうちに、余計に距離が近くなって、遂には身体を委ねて。
一度してしまったら止まらなくて、毎日毎日どちらともなく、盛りのついた猫みたいに。
そうしたら今度は、最中は余裕そうに微笑むのを知った。その実手はすごく熱くて、汗が滲んでたまに震えるのを知った。
快感に歪める顔が、想像よりも遥かに艶やかなのを知った。
こいつの特別になりたい。唯一無二で側にいたい。
本当の意味で、全てに応えられるのは自分だけだと言いたい。
けれど、「好き」や、まして「愛してる」なんて、言った事も聞いた事もない。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.41 )
- 日時: 2021/12/20 23:44
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』2
「…完全に寝たじゃねえか」
居酒屋の個室の中、くたりと壁にもたれかかる類を、少し呆れたような顔で指した。大人しい暖色の照明で、彰人のオレンジの髪の毛は色味が一際強くなっている。
時刻は二十時を回った頃で店に入ったのが十九時少し前辺り。この一時間、一杯の半分程度でもう眠気に苛まれ、寝落ちたと思ったら既に寝息を立てていた。
「仕方ない、類は弱いんだ。
…しかし、あの冬弥がよく許したな。彰人が一人で呑みに出歩く事なんて」
「あんたらだからじゃないすか?懐いてるの、知ってるでしょ」
くい、とグラスの底に溜まっていたカクテルを飲み干した。彰人はこれで三杯目。テーブルの端に、グラスが溜まっていく。対して此方は度数の高い焼酎にちびちびと口を付けていて、酔いが回りこそしないが、案外減らないモンだな、なんて他人事のように考えていた。
そういえば、なんて類と何度目かの居酒屋に来た時の事をぼんやりと思い出す。
三口で顔を真っ赤にして、いつもよりもずっと上機嫌で。
あの時は、此方でお金を出すと頑なだった俺に「どうしても」と一杯分だけ奢ってくれたんだっけか。
小難しい演出や装置の話に付き合う代金にしては、熱燗の徳利一本は少し安過ぎる気もしたけれど。それでも楽しそうに話す顔を見ながら、相槌を打つのが楽しかった。
彰人が小慣れたようにタブレットで食事や次の酒の注文をしていく。ひとしきり見終わると、それを戻してまた此方を向くのだった。
「…で、まだ付き合ってないんですか」
少し、空気の冷える感覚がする。俯いてああ、と一言返すと、溜息を吐きながら頭を掻いた。
「何でそんな臆病なんだよ……」
「…それ、は…嫌われたく、ないから」
「はあ?キスもセックスもしといて?」
「なッ…彰人、公共の場だぞ」
「個室だし、酔っ払いの戯言だと思ってどうせ誰も気にしませんよ」
少々横暴な気もするが、何も言えずそのまま押し黙る。
「じゃあ、訊き方変えます?
…どうして、神代先輩に拘るんですか」
「え…?」
「付き合う気がないなら、惰性のそういうの全部やめて、無理矢理にでも他の奴ん所行けば良いだけだ。それをどうして、あんたはしないんですか」
未だ眠ったままの、類の方を見る。
本当は今、こんなに信頼している彰人にさえ、この無防備な寝顔を晒してしまうのにもやりとした感情が渦巻く。
そんな風に、なってしまう程、
「好き、だから」
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.42 )
- 日時: 2021/12/19 23:17
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』3
至極単純な回答に、先程よりも深く溜息を吐かれた。
此方を真っ直ぐ見つめる目には、焦ったいような、若干の苛立ちの色も窺える。
「……あのなあ…分かってんなら、何で進展させな」
「だ、ッだって!」
最後まで彰人の言葉を聞けず、食い気味に口を開いてしまう。謝罪をするもどうぞと譲られてしまい、じゃあ、とそのまま言葉をこぼした。
「お前は、葛藤はなかったのか。チーム内で、しかも一番の相棒の冬弥と付き合う事に」
「ない」
いつの間にか手が震え、話す声にも自然と力が入る。それなのに彰人は対照的に落ち着いて、凛とした表情をしていた。
「どうしても冬弥の隣が良かったから。後にも先にも、冬弥以外に愛せる奴が居ると思ってないから。…先輩だって、そうなんじゃないですか」
そうだけど、でも、でも。
今更一人で立てない癖に、離れていくのが心底怖い。始まらなければ終わりもないから、今の中途半端な関係で良いと、自分を無理矢理納得させようとしていたのに。
「失礼しまーすお待たせ致しました!」
唐突にコンコン、と個室の扉の軽快な音が響き、明るい笑顔をした女性店員が入って来る。先程の彰人が頼んだ分だ。話が長くなる事を想定したのか、つまみの他に二杯分のグラスがテーブルにことりと置かれる。酷く歪んだ顔を誤魔化す為に焼酎に手を付け、いつも笑って言える筈の有難う御座いますの言葉は、とうとう一文字も出て来なかった。
類はと言えば、店員の声量に少しだけ目を開いたが、うぅんと唸ってそのまま再び目を瞑ってしまう。
仮眠や居眠りどころじゃなく、結構深く眠ってしまっているようだ。
「…あー、話戻しますけど
何かを共にする相手と付き合うって、つまり仲間と、相手と一生を添い遂げる事ですよね。多分その辺りが引っかかってんでしょうけど、先輩はその自信がないんですか?」
「いや、ある」
「は?」
「けど、類にあるかが分からない」
ああ、とまたグラスの中身を喉に流して、面倒臭そうに下を向いた。
こんな話に付き合わせるのは申し訳ないと思いながらも、誰かに話さなければ、蟠ってどうしようもない。
「本当下手くそだなあんたら…こんだけ好き合っておいて、"別れたら困るからいつでも離れられるようにしておこう"なんて、卑怯だろ」
「……ああ…」
「チームごとポシャるリスクがあったって、本人達がそう思ってなきゃ関係ねえんだ。これは神代先輩にも言える事だけど、もっと話し合って、もっと確かめた方が良いと思いますよ。少なからず、セフレなんて距離じゃねえのにそんな空回った事ばっかするよりはマシなんじゃねえの」
彰人はあまり顔や態度に出ない方だと思っていたが、成程、酔うと饒舌になるらしい。ほんのりと赤く染まった顔で、ハイペースにグラスの中身をなくしていく。こちらも俯きながら漸く瓶を空にして、類の方を再び向いた。
何か夢を見ているのだろうか、薄く笑いながらもごもごと口を動かしている。愛らしいな、なんて笑みを零し頭を撫でる。そして前を向き直ると、彰人にげっそりとした顔で睨むように見られていた。
「ほら、そんな顔出来る位だ。…司先輩、何も難しい事じゃねえだろ」
また真面目な顔をする相手に、そうなのだろうかと、弱い音を吐いた。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.43 )
- 日時: 2021/12/21 02:26
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』4
「んじゃ、俺そろそろ帰るんで」
いつの間にかまた空になっていた二つのグラスを端にずらし、がたりと席を立つ。いつの間にか、時刻は二十二時を過ぎていた。もうそんな時間か、と思うのも束の間、財布を取り出そうとする彰人を慌てて制止する。
「いや、お金は良い。今日は随分と付き合わせてしまったからな、会計は全て持たせてくれ。…有難うな、彰人」
「…んじゃ遠慮なく。ご馳走様です」
普段は頑固な彰人が、珍しく折れてくれた。此方の気が伝わったのか、それとも今日ばかりは割に合わないと思われたのかは分からない。ただ鞄を閉めて、引き戸を開ける手前で此方を振り向く。
「司先輩、酒、今で大分抑えてるだろうけど、そろそろ辞めといた方が良いんじゃないですか」
「ん?それはどういう……」
「……勃たなくなったら困んだろ」
「…ッはあ!!??お前はやっぱりもう少し慎め!!」
饒舌なんてものじゃない。多分あれは、相当酔ってる。最後ににやりと悪戯っぽい笑みを浮かべ、此方の大きな声からそそくさと逃げるように部屋を出て行く。そしてその大きな声の所為で、びくりと思い切り体を跳ねさせて類が目を覚ました。…反動で、後ろの壁に頭をぶつけながら。
「る、類……大丈夫か…」
「大丈夫だけれど、…モーニングコールはもう少し控えめにして貰えると嬉しいかな……」
すまん、と言い手を付けていなかった水を渡す。冷たいおしぼりを貰おうとベルをに手を伸ばすが、そこまでじゃないと言われ引っ込めた。
「有難う、酔いも覚めたよ。…所で、東雲君は?」
「まあ、三時間も眠ればな…彰人なら、今さっき帰ったぞ。俺達も出よう」
類が水を喉に運ぶ間、此方も類の呑みかけだったグラスを空にした。そしてまだ少し機嫌の良い様子で、上着を羽織り身支度を整えている。そんな何でもない姿に妙に見惚れ、同時に先程の彰人の言葉を思い出す。
何かを共にする相手と付き合うって、つまり仲間と、相手と一生を添い遂げる事ですよね。
そう。
そうなんだ。
だからこそ、一番大切な人間は、そんな心中みたいなものに、付き合わせたくなかった。
類は多分、此処から離れる事はないのだろう。でもそれは、今の関係だからかもしれない。恋人という括りを作ってしまったら、今度こそきっと離せなくなる。どれだけ嫌がっても、本気で拒まれても。
そんなもの、呪いと何ら変わりないじゃないか。
司先輩、何も難しい事じゃねえだろ。
…いいや、難しい。やっぱり難しい。
喉から手が出る程欲しくても、そんな理由だけで操を立てられるものじゃないだろう。
幾ら自分が良くたって、相手の一生だってかかってくるのだから。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.44 )
- 日時: 2021/12/20 18:59
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』5
会計を済ませ、ご馳走様でした、と二人分の声が重なる。幸い近所の居酒屋だったので、少し足が重たいが歩いて帰れそうだ。
行こうか、と類が手を差し出す。こくりと一つ頷いて静かに手を掴み、歩みを進めた。
こうやって当たり前のように横に並んで手を繋ぎ歩く所も、無邪気に光る金色も、愛おしくて溢れそうになる。
本当に、本当に良い男なんだ。
だからこそこいつが、他で女性に好かれている空気も知っていた。類に向ける眼差しが、自分が向けているだろう物と一緒だったから。類にその気がないのは分かっていても、ベタベタと無遠慮にくっつかれて甘ったるい香りを纏っていくのが、嫌で嫌で仕方がなかった。急いで手を引いて帰って、無理矢理シャワーを浴びせてやりたかった。
ずっと、ずっとこの男に飢え続けて来たのに、それを簡単に超えていこうとする人間が居るのが、許せなかった。
マンションの一室の前に着き、類が鍵を取り出してガチャリと回す。
結局、考え事ばかりで、道中はそんなに言葉を交わせなかった。部屋に入っても重苦しい空気は変わらずまとわりついてきて、電気を点けて上着を脱ぎ、二人共そのまま立ち尽くしてしまった。
「…司くん、僕は何か悪い事をしたかい…?寝てしまったのが、そんなに気に障っている訳ではなさそうだけど」
そうやって話すきっかけを、最初に与えてくれたのは類だった。少し緊張しながら、類の手を引きベッドへと誘う。そして掴んだ手をそのままに寝転ぶと、つられるように上に乗る形になった。
困惑する類に、恐る恐る口を開く。
「なあ、今日、彰人に言われたんだ。
…すごく、苦しい事を」
次第に、声が震えてくる。涙は出ないが、情動が抑えきれない。
「俺はきっと、今の関係にそれらしい名前がついてしまったら、お前の事を離してやれないんだ。お前の覚悟があるかなんてそっちのけで、自分を満たす事を優先してしまう」
「…司君、酔っているのかい?随分、らしくない事ばかりじゃないか…」
「侮るな、お前よりも酒は強い。…だが今日だけは、酒の所為にしたい程最悪な気分だ」
目を見開き、此方をじっと見つめる類。
この目も、好きで堪らない。
他だって、優しく繋ぐ手の温みが好きだ。名前を呼ぶ柔らかい声が好きだ。セカイでぱっと輝く表情が好きだ。筋肉の薄い白い体が好きだ。
この男の、人生が欲しい。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.45 )
- 日時: 2021/12/19 22:27
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』6
「高校の頃からずっと好きだった。心底愛しているんだ。
…なあ、類。お前は、俺が欲しがったら、くれるのか」
相変わらず臆病に震えた口でそう言うと、少しの曇りもないきらきらと輝く金色を細めて笑う。色んな感情が複雑に入り混じっているようで、綺麗で、目が離せない。
「うん。…あげるよ、全部」
その一言がやけに嬉しそうな声色で、涙腺が緩んだ。勢いよく抱き寄せ、今まで溜めていた物を全て吐き出す。
「お前の特別になりたい。唯一無二で側に居たい。
お前と一緒に幸せになって、それを何十年も続けて、そして死にたい」
「…はは、熱烈。良かったよ、そう思っているのが僕だけじゃなくて」
優しく唇を塞がれた。ふにふにと感触を楽しみ、遊び合う。決して綺麗じゃない、かさついた唇だけれど、それが何だか類らしくて、堪らない気持ちになるのだ。
あとは、いつも通りどちらともなく。舌を軽く食み、擽るように歯を当ててみたり、その隙に相手の服を脱がせようとしてみたり。
「…これ、このベルト、やだ。外しにくい」
「っふふ、何だいそれ。…君が買ってくれた物だろう」
そうだが、なんて言いながらまた戯れる。いつの間にか此方は肌を全て晒しきっていて、類は半裸に漸くベルトを外した所。余裕そうな様子に何だか悔しくなり、下着ごと掴んで剥ぎ取った。
「なあ、類。触って、触らせて」
「…うん。何処なりと」
ぺたりと胸に手が触れ、撫でるように指が滑っていく。そして蕾に当たって此方の肩が跳ねれば、親指で擦られる。
決して激しく貪るようではなくて、物足りないといえば物足りない。けれど、いつもの優しく大きな手に何だか安心して、満たされていく気がした。
負けじと類の太腿から、中心へ手を伸ばす。軽く触れると、集まる熱がびくりと揺れた。
ふと首筋に息がかかり、強く吸われる。少し痛みを感じて、小さく声が出た。
「る、っ類…?なに、したんだ」
「何って…キスマークって知らないかい?
もう、自分のものだって言っても許されるんだろう?」
顔が一気に熱くなるのを感じ、思わず目を逸らしてしまう。
吐露した途端にこれだ。今まで、どれだけの欲を孕んでいたのだろう。そんな事をされたのは初めてで、独占しようとしてくれるのが嬉しくて、薄く潤んだ目で精一杯微笑んで見せた。
すると何か悶えるように俯き、急にまた此方を見てぎゅっと両手を包む。
「ねえ、やわい触り合いも良いけれど、ね。そろそろ、ちゃんと抱かせて欲しいな」
いつもよりもずっと艶やかに強請られ、こんな顔も出来たのかと恥ずかしくなる。
そして何だか畏まるように、ゆっくりと頷いた。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.46 )
- 日時: 2021/12/20 21:51
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』7
「ぅ゛、ぁあ、ッ…も、むりって…!」
「無理じゃないよ、ね、司くん、ッだいすき、かわいい…っねえ、だいすきだよ」
酷い快楽に、頭が追いつかない。もう何度果てたかも分からない。出る精液が段々透明になっていって、遂には何も出ないのに、後ろの刺激で無理矢理絶頂に追いやられるような感覚。
好きとか、可愛いとか、そんな事を言われる度に中が疼いてどうしようもない。言葉も、感触も、熱さも。類から与えられる情報全てに犯されているようで、気持ち良くて堪らなかった。
今までも中々辞めてくれなかった事はあったが、ここまで求められるのは初めてだ。それにこんなに、しつこい位に愛を囁かれるのも。
何だか今日だけで、また類を知られた気がする。
体に痕を残そうとする事。
想像よりもずっと愛情深い事。
全身丸ごと使って、想いを伝えようとする事。
「ッ…はは、…こいびとって、こんなにすてきなものなんだな」
気付けば、そんな言葉がぽろりと落ちるように口から出ていた。類はそうだね、なんて笑った後、また腰を動かす。
肉壁を引っ掻いて出て行っては奥に入り込み、その度にぐちゅりと厭らしい水音が自分の後孔から響く。過ぎた快感は留まる事を知らず、ぞくぞくと全身を駆け巡り続けた。
「ひ、っぅ゛…!おく、ッだめ、きもち、すぎるからぁ゛…っ!!」
「ぁはッ…うん、っきもちいいね、かわいい、だいすき、…ほんとうに、あいしてる」
身体が痙攣するように跳ねた。涙でぼやけていた視界が一気に真っ白になり、星が散るようにちかちかと瞬く。少し遠い所で、「またイった」と吐息混じりの嬉しそうな声が聞こえた。
そして余韻の抜けないまま結腸まで貫かれ、飛びかけていた意識を一気に引き戻される。
「ほら起きて、ッつかさくん、…っねえ、あいしてるよ、あいしてる」
「うぅ゛……っやだ、やだいわな、でッ…また、だめ…ッ!!」
類の甘ったるい言葉の度に果てる事を、身体が覚えてしまう。それは類も既に察していて、だから反応を楽しむように引っ切りなしに想いを並べ続けるのだ。
「…ッ、つかさ、く…ほんっとにかわいっ…ね、僕ももう、げんかい、かも」
そう放った類の声は、快楽に震えていた。今までと全然違う、一つも余裕のない様子へと変わっていて、荒々しく吐き出される浅い息と共に絶頂が近い事を物語っている。
その声も、吐息もひくつく身体も、一つも逃さないように必死にしがみつく。そしてほしい、と耳元で静かに溢すと、一層激しく腰を打ち付け、それと裏腹に愛しむように頬を擦り寄せるのだ。
「…ッ、イってい、?いくよッ…?でる、…っは、…」
「おれもまた、ッいっちゃ…、っ!?や゛、なんかでっ…うぁあ゛ッ…!!」
下腹部から竿に登る違和感。でる、と思った時にはもう遅かった。上擦り甘えるような声と共に、腹の奥で類の白濁がじんわりと熱を帯びる。そんな中、此方はどろつかないさらさらの水で、類や自分の身体を濡らした。
- Re: 【BL・GL】おそ松さん、プロセカ等 ( No.47 )
- 日時: 2021/12/21 00:53
- 名前: 秋葉
神代類×天馬司
『恋して触れて、その後は』8
何だ、状況が整理出来ない。
経験した事のない感覚にひたすら戸惑うが、上手く驚く事も出来ずにただ呼吸を整えようとする。そして類の方を見ると、此方はしっかりと驚きと興奮の混じったような表情をしていた。
「司くん、これ……君、潮を吹いたのかい…?」
「…え、…?しお……、?」
復唱して、少し考えて、一気に頭が冴える。
見ると、身体から伝っていったのだろう自分から出た水が精液と共にシーツに染みを作り、中心からじんわりと広がっている。水浸しとはいかないものの、一部は濡れた跡が色濃く残っていた。
思い切り、汚した。
そう焦るのを全く気にせず、こいつはぎゅうっと抱き締めて笑うのだ。
「司くん…、君は本当に凄いね。今日だけで、どこまでも僕に興奮を与えてくれる」
「や、やめろ言わないでくれ…!この歳で漏らすとか、本気で洒落にならんだろ…」
「ううん、違うよ」
そっと、大きな手が落ち着かせるように頭をさらりと撫でる。そしてそのまま前髪をかき上げ、額に唇を落とされた。
「だって、僕で沢山気持ち良くなってくれたんだろう?ただのお漏らしとは訳が違う。すごく、かわいい」
恥ずかしげもなくそんな事を言う彼の目は情欲をたっぷりと孕み、その色を隠そうとしない。慰めや気休め等ではなく、心の底からそう思っているのだろう。
本当に、敵わない。
出来ればこのまま余韻に浸りたい所だったが、しかし尻に張り付く濡れた感触が気持ち悪い。片付けよう、と声を掛け立ち上がり、まずはシーツを内側に畳むように慎重に剥がすのだった。
「ふふ、なんだか、変わらないな」
シャワーを済ませ、綺麗に整えたベッドの上。会話の途切れ目に、類がふいに呟いた。
「何がだ?」
「だって、…僕はね、終わった後にこうして君と話をするのが好きなんだ。明日の朝食とか、少なくなってきた日用品とか、そういう何でもない話」
うつ伏せで枕を抱え底に顎を乗せていた類が、ゆっくりと、此方を向く。
ベッドのすぐ横、ラックの上に置かれたランプの光に照らされていた顔が少しだけ陰り、それでもその表情には、幸せが滲んでいた。
「それが変わらないのが、何だかとても嬉しくて。
その、ね。恋人になったら、何もかも変わってしまうんだと思っていたから」
目を伏せながら何処か遠慮がちに口を開かれ、類もただ怖かっただけなのだと知った。
進展させる事で何かがなくなったり、大切を大切だと思えなくなる事が、嫌だっただけなのだと。
「理解は出来る。…だが、大丈夫だ。話す内容が、ただ増えるだけだろう。それはとても素晴らしい事じゃないのか」
「内容が増える?例えば、どんな?」
少し考えてみて、ふ、と笑いが溢れる。我ながら、なんて恥ずかしい人間だろう。でも、上機嫌な口は止まってはくれなかった。
「例えば……四年間溜め込んで来た想いの丈、とか」