大人二次小説(BLGL・二次15禁)

-crimson knife-【BL】【R18】
日時: 2015/10/24 21:07
名前: 十庭 輝

こんにちは、トニワです。
今回はインキュバスくんと青年騎士が主役のファンタジーBLかこうと思います。
基本甘々、和かんです。たまに無理矢理、凌辱系もいれるつもりです……

触手、羞恥、焦らし等……なんでも許せる人向けです。

ではどーぞ。

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Re: -crimson knife-【BL】【R18】 ( No.2 )
日時: 2015/10/24 22:59
名前: 十庭 輝

(……にしても、今日は特に酷いな)
 彼が周りを見渡すと、人、人、人。何かの祭りでもあったのだろうか、そこらかしこで殴りあい喧嘩も、飲み会のようなものも起こっていた。
(……もっと、静かなとこ……)
 こんな野蛮な奴等となんて、ゴメンだ……そう軽く呟き、千夜は街を抜けようと、少し早足で歩き始める。
 ちなみに、『精』を得る、といっても、2通りあった。
 1つ目は、粘膜からの吸収。つまり、口などから直接受けとる方法。2つ目は、種付けを行うこと……直腸に自身の精液を注ぎ込む、という方法である。インキュバスによってそれぞれどちらを選ぶかは違っていた。ちなみに、千夜は後者だった。人間の『精』を体内に残す、ましてや吸収するなんて、死んだ方がマシ、と思っていたからだ。
 そんなこんなで、千夜は『ヤらせてくれとうな男』を探していた。
(やっぱオッサンとか絶対嫌だから……若い人がいいな……いや、それも嫌だけど……)
「……った……っ!」
「……おぉっと……?!」
 うつむいて相手について考えながら歩いていた千夜。人に気づかず、正面から思いきり誰かにぶつかってしまったようだった。ガシャン、という音と共に、身体走った衝撃を受け止めきれず、尻から倒れこむかたちになってしまった。
「……ぃって……」
「っと、スマン、起きれるか?」
「……ぁ、ハイ……ありがとう、ござ、い……っ!?」
 千夜は、自分の目を疑った。
(こ、こいつ……っ)
 千夜にぶつかっても倒れずに、余裕をもったように手をさしのべた白銀の甲冑姿のこの男に……千夜は、見覚えがあった。
「ん? どうした……って、アンタ……!?」
 甲冑の男も、驚いたように目を丸くした。同じく彼も、千夜のことを知っていたのだ。
「……っと、えぇ……と」
 少しすりむいた手のひらに痛みを覚えるも、千夜は自力で立ち上がった。その端正な顔を直視できず、目線を下げてしまう。
 長身の千夜を少しこす、更に背の高いこの男……荒道 鉄也<アラミチ テツヤ>は、この国を守護する兵士なのだ。それも、ただの兵士ではない。1000人を越す規模の中隊をまとめる、中佐である。
「あー……と、お久し、ぶり?」
 荒道はきまずそうに、光を受けて美しく光る金の短い髪を撫でた。千夜より明るいライトブルーの瞳も、視線の行き場をなくして、キョロキョロと動いている。

Re: -crimson knife-【BL】【R18】 ( No.3 )
日時: 2015/10/24 23:37
名前: 十庭 輝

「……ぁ、お久しぶり、です……」
 語尾にいくにつれて、段々消え入るように小さくなる千夜の言葉。千夜は、2ヶ月前の夜を、思い出した__

『ぁ、あぁ、ぅ……っ!ひゃ、ぁあんっ!』

『オラ……っ、もっと、よがれよ……っ、欲しいんだろ……っ!』

『ぁ、くだ、さぃいっ、奥、にっ、熱いの、いっぱい……っ!』

(何故、あんなにも……)
 千夜は、荒道と、体を重ねたことがあった。それも、千夜が下で、である。彼の長い人生の中で、その蟲惑的な容姿故か、無理矢理犯されることが度々(まぁ、彼の感覚なので数十年単位なのだが)あった。
 その時は、気持ち悪い、とか、死ね、とか……激しい嫌悪感に襲われた。その後数年は人間に関わりたくなくて、つい『とある悪魔』に『精』を頼んでしまっていた程に、だ。
 だがしかし、2ヶ月前は違った……まるで、強い媚薬を使われた時のように、快感に溺れてしまった。まるで、自分が人間程ではないが嫌っている、同種族の、インキュバスのように。
 それが、普通なのかもしれない。淫魔なのだから、腰を自ら動かし、官能的な言葉でねだり、激しい快感に悶えて絶頂してしまうのも……普通かもしれない。
 だが、千夜は自分が許せなくなった。自己嫌悪で、いっそのこと死んでしまおうか……とも思った。しかし、彼としたあの行為を、そして名も知らない騎士を嫌だとは思わなかった__それがまた千夜の苦悩を深め、夜もゆっくりと眠れぬようになってしまったのだ。夜になり、一人になる度に、あの快感がリフレインするようで__
「……っ、じ、じゃあ、これで……っ」
 顔がカァアッと赤くなるのが自分で分かったのか、千夜は思わずその場を逃げるように駆け出した。
「ぁ、まっ、待て……!」
「……っ」
 しかし、荒道の伸ばした大きな手に、ぐい、と腕を捕まれる。

Re: -crimson knife-【BL】【R18】 ( No.4 )
日時: 2015/10/25 19:00
名前: 十庭 輝

「なん、ですか……っ」
 言ってから、自分の声が震えていることに気がついた。何故だかもよくわからず、千夜の目に涙が込み上げてきた。

「……夜、城の裏門に来い」

 光るような水色の視線に、体が射抜かれたようだった。千夜は思わず頷いてしまった。
「……ん、じゃあな」
 そのいうと荒道はその手を離し、ぎこちなく向きを変えて、そのまま歩いていった。
 千夜は一人立ち尽くし、その後ろ姿を見送った。
                  *

「……さむ」
 冬のはじめといえど、辺りは凍てつくような寒さだった。黒いコートのポケットに手を突っ込んで、千夜は夜空の下に立っていた。
(……約束なんて、守る必要ないのに)
 そう思いながらも、千夜はちゃんと城の裏門の前に来ていた。別に、すっぽかして、他の男を探しても良かったのだ。
(……何してんだろ、俺)
 千夜はポケットの中で、ぎゅっと手を握りしめた。
「……おう、待たせたな」
 よく通る低い声が千夜の背後から響いた。ビク、と肩が震える。
「……っ」
 千夜が振り向くと、甲冑を脱いだ姿の荒道がそこにいた。細身ではあるがしっかりと筋肉がついたその身体に、千夜の目は釘付けになった。
「……どうした?」
「……ぁ、すみ、ません……」
 首をかしげられて、サッと目を背ける。顔が赤くなったのが分かった。
(おかしい……なんで、こんなこと)
 どんなに優美な身体を見ても、それが女であっても、千夜はみとれたり、感嘆したりはしなかったはずなのだ。今までは。それは肉欲が深いインキュバスには、珍しいことなのだが……

Re: -crimson knife-【BL】【R18】 ( No.5 )
日時: 2015/10/26 19:20
名前: 十庭 輝

「……目的は、何なんですか」
 いつもと違う自分を誤魔化すように、早口で千夜は言った。そんな彼の心情を知ってか知らずか、荒道はうつむきがちに、弱々しく答えた。
「いや……前、無理矢理あんなことしちまっただろ? 俺、いくら溜まってても嫌がってる男襲うなんてこと、しねぇはずなんだけど。だから、知りたかった。お前が誰なのかとか、色々。あと……謝んなきゃ、て思って」
(この忌々しい身体は、コイツを拒否しなかった……気持ち悪い人間なのに。つまり、コイツは悪くないってことだ……悪いのは__)
 千夜は段々と、荒道に心を開いているようだった。何がそうさせたのか……数百年生きて、今まで与えられたことの無かった優しさ、か? はたまた、芽生えてしまった恋心、なのか?
「……私、は……」
 千夜はゆっくりと、小さく口を開いた。寒さからか、ほのかに唇が赤く染まっている。
「……私は、人間ではない」
「……っ」
 荒道は驚いたように少しあとずさった。千夜からの告白のせいだけではない。__千夜の身体が、変化しはじめたのだ。
 額から生えた、一対の短く鋭い角と、腰の上辺りから生えた黒い翼は、悪魔を連想させた。耳がエルフのように尖り、とかげのような尻尾がユラ、と怪しげに揺れた。

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