大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- まちがったきみとぼく
- 日時: 2016/01/22 17:46
- 名前: なめし
どうして・・・?僕が悪いのに。
蘇我入鹿と山背大兄王のお話です。大王(おおきみ)になればあなたが無駄な争いに巻き込まれてしまう・・・。
入鹿君が孤軍奮闘するも山背を遠ざけてしまい、山背は自殺してしまいます。
俺が悪いのに・・・。悔やんでも悔やんでも悔やみきれない入鹿のもとへ、中臣鎌足、中大兄皇子が姿を現します。
大化の改新までの小さな涙の話。
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- Re: まちがったきみとぼく ( No.1 )
- 日時: 2016/01/22 17:56
- 名前: なめし
「入鹿!今日は何して遊ぶ?」
ぱたぱたと朝廷内の庭を駆け回り、縁側でくつろぐ蘇我入鹿に声をかける。みずらともおさげともつかないおぼつかない髪型が風でゆらゆらと揺れた。
「山背の遊びたい遊びでいいよ」
目を細めて足元の千日草をもぎ取り、走り回る山背大兄王の髪の結い目にさし当てた。
陽の光が心地よく降り注ぎ、春風がそっと駆け抜けてゆく。拍子抜けしたような安寧と秩序が大きすぎる朝廷を囲んでいるのであった。
蘇我入鹿は縁側から立ち上がり、山背大兄王へと近づいた。ぽん、と頭に手を乗せてゆっくりと撫で摩る。
「わっ!ど、どうしたの?入鹿。変なものでもついてた・・・?」
語尾が消え掛かりそうな山背の言葉に入鹿はくつくつと笑いながら「いや、なんでもない」と小さく言った。
ずっとこのまま平穏な毎日が続けばいい。二人は互いに見つめ合いながらこう思った。
だがこのあと、取り返しのつかない血まみれた政治の現状に貫かれるのである。
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