大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【オリ】無防備な恋人への甘い調教【BL】【R18】
日時: 2016/11/27 13:08
名前: アマン ◆MiJ.aMrglc

こんにちは、アマンと申します。


またまた男子高校生の恋人同士の話を書きます。
拙著【オリ】ツンデレと溺愛、S同士の攻防【BL】【R18】は続けます。


無意識に人を誘ってしまうような、色気と美貌を兼ね備える『矢上藍』と付き合うことになった
『安原霧』は、自分にだけ藍を惹き付けるため、試行錯誤します。

調教と名付けていますが、もちろん愛があります。

何かアドバイス・感想があれば、コメントをお願いします。

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Re: 【オリ】無防備な恋人への甘い調教【BL】【R18】 ( No.1 )
日時: 2016/11/27 22:33
名前: アマン ◆MiJ.aMrglc

安原 霧side

 4時間目が終了し、昼休みを迎えた教室内は、適度に賑やかだった。
 いつものように矢上と昼食を共にするため、俺は彼のクラスに向かった。

「霧先輩」

 涼やかで、それでいて甘さを感じる矢上の声。
 女のようにやかましくはないが、低くもない。アルトよりのテノールという風だった。

「おう、矢上」
「今日は中庭で食べませんか?」
「ん、俺はどこでもいーよ。でもなんで?」
「気分です」
「ふーん?」

 1つ年下の矢上は、俺と付き合いだしてからも、敬語を変わらず使う。
 初めは安原先輩と呼んでいたが、恋人なんだから、と下の名前で呼ばせるようにした。

 缶コーヒーを購入した俺と弁当を持ってきた矢上は、中庭のベンチに陣取った。

「ねぇ、そろそろ敬語やめない?」
「止めません」
「でも堅苦しいだろ」
「い、今更無理ですよ」

 控えめな矢上は、抗議の声さえ可愛い。

「先輩だって、僕のこと矢上って呼ぶじゃないですか……」
「ん? 藍って呼んでほしかったんだ?」
「ち、違いますっ。僕だけ、ズルイって言ってるんです」

 自前の弁当を開いて、それを食べ始める。
 不貞腐れたような顔をしているが、顔が赤いので、何か悪い気はしない。
 しばらく黙って、お互い黙々と昼食をとる。俺は缶コーヒーのみなので、少々暇だった。
 矢上が半分以上食べ終わったところで、話しかける。

「おいしい?」
「はい、おいしいです。……先輩は、いつものことですけど、それだけで平気なんですか?」
「うん。この後腹いっぱい食べるし」
「バイキングでも行くんですか?」

 俺は矢上の言葉に声をあげて笑ってしまった。
 矢上は、弁当を閉じながら、不思議そうな顔をした。

「先輩? なんか僕変なこと言いましたか?」
「俺が食べるのは、」

 僅かに空いていた隙間をつめ、自分の唇を矢上の耳に持っていく。

「藍だよ」

 矢上が飛び跳ねるようにして、俺から離れた。

「ぼ、僕じゃお腹いっぱいになりませんよっ」
「なるよ」
「なりません! こ、この後って、学校じゃダメですよッ」
「分かってるよ。って、もしかして期待してるの?」
「してません。フラグとかじゃないです」

 早口で矢上は言う。フラグなんていう言葉を知っていたのか、と顔には出さないが驚いた。
 他の奴なら普通のことでも、矢上が俗っぽいことを言うと、ちょっと似合わないと思ってしまう。

「僕、戻ります」
「まだいいだろ?」

 弁当を抱えて立ち去ろうとした矢上の腕を掴んで、引き止める。

「怒んないでよ。こんなところで発情しないって」
「は、発情……」

 小さい声でそこだけピックアップする矢上が可愛い。

「座れよ。ここで抱きしめられてキスされたいわけ?」

 慌てて矢上はベンチに戻る。

「学校終わったら、俺の家ね。教室に迎えに行くから」
「は、はい……」

 言いながら頭を数回撫でてやったら、矢上は気持ちよさげに目を閉じた。
 クソ。こいつ、学校だからって安心してガードが緩くなってやがるな。

 しかし、ここでキスなんかしたら、矢上は照れるのを通り越して本当に怒ってしまうから、迂闊なことはできない。

 頭を撫でる手はそのままに、フーと耳に息を吹きかけてみた。

「ふぁあっ!?」

 面白いくらい反応をする。
 しかし煩くない。そこが矢上のいいところだ。

「も、もう、戻りますよ!」
「おう、放課後、待ってろよ」

 矢上にしては珍しく、返事もせずに走っていってしまった。
 少し、イジメすぎたかもしれない。


「……可愛いねぇ、藍ちゃん。あれだけのことで真っ赤になっちゃって」
「亮平。何だ、見てたのか」

 同じクラスの亮平が、イチゴ・オレの紙パックを片手に近づいてきた。
 何の断りもなく、俺の隣に座る。もちろん、矢上のときのようには、俺も亮平もくっつきはしない。

「でも、不安になる敏感さだよね〜」
「不安?」
「だって、多分オレがやっても、あんな反応したと思うよぉ? 慣れてない分〜、オレのときの方がリアクションいいかもねぇ」
「……はぁ?」
「男って単純だからぁ、あんな反応されたらぁ、その気になっちゃうかも〜」
「キモイこというなよ。矢上が誰にでも体許すわけないだろ」

 苛立ちながら、缶コーヒーを飲み干した。
 長い前髪に隠された亮平の目は、笑っている。

「霧、卑猥〜。藍ちゃんが例えそうでもぉ、力づくでこられたらもう無理でしょ〜。筋肉なさそうだしぃ?
 それにぃ、藍ちゃんすごい人気だよぉ? 3年生の先輩方まで矢上藍の名前は知れ渡ってるし〜。
 藍ちゃん優しいし〜、あんまり人を拒絶しないじゃない? それに漬け込むなんて、簡単だよねぇ」

 イチゴ・オレを口に含んで間を置いた亮平は、話を続けた。

「安原霧って名前は確かに強力だけどぉ、汚された後じゃあ、いくらボコっても気がすまさないでしょぉ」
「じゃあ、どうしたらいいんだ? 先に脅すわけにもいかないし、そうだとしても全校生徒は多すぎるし」
「野蛮だよねぇ、霧の考えは。
 うーん。そうだなあ」

 亮平は、紙パックのストローを咥えながら考え、5秒くらい唸った後「そうだ!」と手を叩いた。

「藍ちゃんを、もっと霧のことを大好きにさせて、霧から離れないようにしたらいいんじゃないかな」
「矢上は俺のこと好きだろ」
「そうじゃなくてぇ。
 例えばぁ、オレといるだけでも嫉妬しちゃうとかぁ。自分から霧を求めたりとかぁ。離れたくないって思わせるのぉ。
 多分今はぁ、藍ちゃん、そういうことはわりとどうでもいいと思ってるんじゃないかなぁ。
 求められるから、してるだけ、みたいな」
「でも、人の好意なんて、そんな簡単に操れないだろ」

「そこはまぁ、……霧のテクニックだよね」

「はぁ? …………、あ、…………いや、お前なぁ……」
「霧の得意中の得意でしょ?」
「んなエロ本じゃねぇんだから」
「でも、そっちがメインじゃないんだからねぇ? あくまでも、自分を好きにさせるための、ソレだよぉ?」
「わぁったよ。このムッツリが」
「んふふふふ。ガンバぁ。じゃあねぇ」

 亮平はベンチから立って、手を振りながら校舎の方へ歩き出した。

「とっとと失せろ」
「クラス同じだから、またすぐ会うけどねぇ」
「うるせえ」

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