大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 【BL/GL】松の下で文豪が幻想を語る <太乱>
- 日時: 2017/08/22 20:25
- 名前: ノボル ◆5/2kkxYfkE
*松と文ストと東方の二次を書くだけ。
*気まぐれ更新
*クロスオーバーはしない
全部ごっちゃにしたらいかんな…(スレタイ)
とまぁ、基本自分が好きなものをぐちぐちと書き連ねるだけですがリクが来たらリク優先です
【目次】
文スト:太乱 (>>1)
Page:1
- 太乱:目次 ( No.1 )
- 日時: 2017/08/22 21:13
- 名前: ノボル ◆5/2kkxYfkE
<太乱>
※セ.フレ関係
※悲恋
【本編】
1.(>>2) 【最終更新:2017/08/22 21:11】
- 太乱:1 ( No.2 )
- 日時: 2017/08/22 21:11
- 名前: ノボル ◆5/2kkxYfkE
※独特漢字使えません((
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「乱歩さん」
誰だ……?誰、僕を呼ぶのは。
その声の主は何度も僕の名前を繰り返す。
その、女性を口説き落としに慣れていそうな声色。何処か儚げで甘い声。
嗚呼、もう、煩いなぁ。静かに寝させてくれよ。
◆◇◆
「………ん…」
先程まで電子器具の電源が落ちていたかの様に真っ暗だった視界。
妙に瞼が重たくて、もう一度寝てしまいそう。眠りの淵に腰掛けた様な、曖昧な微睡みと云うものを感じながら僕はそっと起き上がる。
……は?
…………は?
現実は小説よりも奇なり。いやいや、そんな言葉じゃあ片付けられない。
どこぞの人の異能力じゃ無いんだから。それとも、本当に謎を解かなければ出れない?もしそうだとしたら、僕はいつの間にか小説の中に入ったのか。
はぁ、と思わず重い溜め息一つでも溢してしまいそうな状況。
僕は知らない場所、というよりかは謎の一室に居た。敷き布団と掛け布団、照明器具しか無い辺り、寝室だろう。
……僕、何かしたっけなぁ。思い返すも何も出てこない。まるでその部分だけ切り取られた様に、スッポリと抜け落ちてしまっている。
その現実が更に僕を混乱させるんだけど、この部屋に染み付いた匂いは何処かで嗅いだ事のあるものだ。…と、言うことは少なからず、いや確実にこの場所に行った事がある、或いは家主と知り合いという事実が裏付けられる。……うん、ここまで整理したら大分落ち着いた。
「……御早う御座います。乱歩さん」
「…………………この馬鹿馬鹿しい状況を作ったのは太宰?……でも、どうして。説明して」
「ふぅ」と胸を撫で下ろした直後、この部屋に備え付けられたボロ臭い扉がギィィィと開いた。矢張り、いや見た目からして判るが立て付けが悪いのだろう。
重たそうにギィィィと音を立てるもんだから少し苛つくけど、やっとこさ開いた隙間から見えたのは太宰。そしてそこからじわりじわりと漂うこの部屋と同じ香り。成る程、連れて来たのも家主も太宰か。
相変わらずの、考えの読めない表情(顔付き)に悩ませられる。今、こいつは何を考えている?そして、何故僕を家に連れて来ている?
早く謎を解明して即刻帰らなければならない。何しろ、こんな気分の悪い所には一寸も居たくないからね!
僕は余程興奮しているのか、それとも早く帰りたいだけなのか。自分にでも判るくらいに早口で太宰に捲し立てた。さぁ、早く答えてよ。僕を捕まえたって面白くも無いからね。太宰程度だったら直ぐに言いくるめられる筈。この家に仕掛けがあるというのなら別なんだけど。
其処まで考える。太宰たった一人で作り上げた事の深さに呆れを抱きながら、僕は眉を寄せて皺を作る。せめてものの威圧行為だ。
「嫌ですね、乱歩さん。私、溜まっているんですよ」
「………は?突然何を言い出すかと思えば…」
僅か数秒もので色々考えを巡らせればゴクリと唾を飲み込み、ギロリともジロリとも云える目付きで太宰の方を睨み付ける。
太宰はこんな状況だと云うのにも関わらず、にっこりと何処か寂し気のある儚い笑みを浮かべてはっきりと「溜まっている」等と言いやがった。
溜まっている?一体何が?
一瞬思考を止まらせるも、直ぐにその意味が分かる。寝室。男二人きり。そこまで条件が合えば、こいつの「溜まっている」発言等一つしか残らない訳だ。
あれか?太宰は変態という分類なのかな?否、死にたがりだし変態だということは明らかなんだけど、まさかここまでとは思わなかった。
寧ろ僕を連れてきてまでそんなに溜まっているのか。そして何で寄りによって僕な訳?女の子居るよね、ただ単に孕ませたく無いだけなのか?
さっきまで滑りを掛けたかの様に調子良く回っていた思考が完全停止する。
僕は完全にタジタジになっていた。何しろ、あの太宰から付き合えと云われている。それも軽い関係、云わばセ.フレの様な。理由は単純明快、溜まっているから。
無論、太宰の理由等聞かなくても答えは一つしか無い。
「……え?いや、僕はそんなのに付き合う気は一切__」
「そう言うと思って此処に連れて来ているんですよ。事前に即効性の睡眠薬と遅効性の媚薬を入れた私の手作り菓子を食べさせて……ね」
はあああああ!?
意味分からない。つまり、太宰の方は準備周到だった訳だ。
そう云えば、起きてから上体は何とか起こせているものの身体を立ち上がらせる事は困難極まり無かった。
恐らくは力が抜けているか、腰が砕けて下半身が立たないのだろう。
ここで全ての辻褄が合う。僕はその事実に太宰に対して若干、いやかなり引きつつも顎に手を添えれば恐る恐ると口を開く。
「……って事は」
「そうです。寝ている間にしちゃいました」
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