大人二次小説(BLGL・二次15禁)

【松/文スト/東方】百合と薔薇【カラ松愛され執筆中】
日時: 2017/10/01 11:43
名前: 狐憑き

※色々と注意書※
◎【おそ松さん,文豪ストレイドッグス,東方project】の三作品の二次創作短編集
◎BL,GLのみ
◎リクエスト不可
◎コメントは御自由に
◎亀展開

※後に増える可能性有り


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【目次】>>1



■執筆すべき事■
【スレ設立日:2017/9/20】

Page:1 2



カラ松が無痛症になった話.1 ( No.3 )
日時: 2017/10/05 19:10
名前: 狐憑き
参照: 修正×2

 此れは、俺の弟がとある病に掛かってしまった話。その病名は『無痛症』と言うらしい。弟を診断した医者が言うには治し様の無い......、んまぁ難病っつうの?不治の病だとか、何だとか。でも、無痛症を発症した際には無汗症ってのにも同時に患う確率が高いらしいんだけど、俺の弟は幸運な事に一緒に患うなんて事は無かった。俺ぇ?んー...まぁ、俺は健康的だから彼奴の気持ちなんて分かんねぇけど心配はいつだってしてる。前まで、最近までは本当、競馬とかパチンコ中心だったけど今じゃ彼奴中心だしな?
 んでさ、彼奴――カラ松が後天性無痛症になってから早半年。何か話が有るみたいで夜、皆が寝た後居間に来てくれって言われたんだよな。無論断るなんて阿呆な事はしない。その時、話を持ち掛けてきたカラ松の顔は......とても苦しくて、辛そうだった。汗をたらたらと流してたのに、気付いてなかったみたいだし...彼奴は多分、無意識。だから余計に心配なったのよ、だって、あのカラ松が「話がある」って言ってくる時点で心配なるっしょ?


「に、しても話か〜。...ぁ〜、怖ぇ、カラ松だし何言ってくるか分かんないしなぁ...」


 んな事を考えながら階段を一段ずつ慎重に転けないように降りていく。居間を締め切る襖越しにでも淡い光がぼわんぼわんと居間を照らしているのが分かる位に、もやぁ〜っと辺りに明かりが漏れ出ていた。んもう、まぁ怒りはしないけど目ぇ覚めちゃうじゃん。明かりの強さ下げて欲しいね。襖に近付けば近付く程、はっきりしなかった光がはっきりとし始め脳に刺激を与えて来る。それはもう、眩しくて思わず目を瞑っちゃうぐらい。嗚呼、完全に目覚めちゃったかも?この後散歩にでも行くかな。
 襖の、手を引っ掛ける所に手が届く範囲にまで歩みを進めた。嗚呼、いよいよか。ふぅ、と息を飲み込むが唾も一緒に飲み込んだらしくゴクリと音が鳴った。そして襖に手を掛ければ横にずらす。スラーっといとも簡単に、軽く擦られる襖。あれ?んな軽かったっけ?心無しか明かりも遮られてる気がするんだよなぁ。些細な事だが疑問を感じ、襖から正面へと視線を移した。
 その時である。視界の全面肌色や黒色で埋まった。


「うわぁぁぁああ!?何何何ぃ!?びっくりすんだけどぉ!」
「お、おそ松...。遅かったな。騒ぐとマミー達が起きるぜ?」
「い、いやそうだけどさぁ...。距離が近(ちけ)ぇんだよ、気持ち悪いわ〜」


俺は思わず大声を上げて、裏返ったその掠れた声を張り上げる。普段では想像の付かない位に華麗で軽やかなステップを踏んでは廊下の壁に付く位に後ろに下がった。
 視界一杯一杯に、カラ松の顔が広がっていたのだ。キリッとした凛々しい眉がこれでもかという位に目に付く。いや、鬱陶しいんだけど...。んまぁそれは置いといて何より俺が吃驚(びっくり)したのは、カラ松との距離。少し動けばキスが出来てしまう程、異常な迄に近かった。それが、俺の吃驚した理由。
ブルブルと震えるように体をわざと震わせつつ、自身を抱く様に腕を交差させる。いやもう本当、目が合った時は吃驚した。視界が殆どカラ松の顔で埋まってたし、それが深夜だしで怖いわぁ〜。
 んまぁ、それは今じゃどーでも良くて。早くカラ松の口から聞かなきゃいけない事がある。俺はすぅ、と息を吸い込めば覚悟を決めたかの様に目を見開いた。
聞くだけなのに、何か怖い。彼奴は突拍子も無い奴で、頭空っぽな奴。何を言い出すか分かったもんじゃ無(ね)ぇし……全く、俺の困った弟。


「んで?話って?」


 俺は廊下の壁に背中をつけたまま問い掛ける。元々の目的はこれだし。何時もの様に少し首を傾げれば、廊下の壁から背中を離して少しカラ松に詰め寄った。少し首を倒して、カラ松の顔を覗くようにして見る。
何処か躊躇っている様な顔だった。彼奴は喋りもしない。何だよ、何か一言でも言えば良いのに。「やっぱり止めとく」とか「ああ」とか。最初は心配してた筈なのに、徐々に苛立ちが募っていく。「もういい」、そう言おうと口を開こうとした時、カラ松が口を漸(ようや)く割った。
 酷く、切なくて苦しい声だった。何時もの声だけど…違う。聞いているだけで此方が苦しくなってきて、喋るなって言いたくなる位で、泣きたくなるぐらいだ。


「おそ松。痛みって何だ?」
「……………ぁ………」


 何で。膝頭がガクッと大きく震えて、体に力が入らなくなって、また壁に背中をぴとっとくっ付けた。頭が、クラクラする。カラ松は難題を吹っ掛けて、いつも通りの笑みを静かに浮かべた。何。何だよ。お前らしくない。お前は、お前は、お前は……苦しい時に我慢する癖に、泣く奴だろ。
 カラ松の問いに答えられなかった。当然だ。無性に彼奴が怖くなって、声が出なかった。掠れた情けない声が一滴、ぽちゃんと地面に落ちただけだった。
カラ松は痛みが分からない。でも、俺は痛みが分からない世界が分からない、理解出来ないんだ。
……答えられる筈もない。


「すまない。……変な事を聞いてしまって。…俺は寝るよ」


カラ松は一度目を伏せて俺から視線を外せば、もう一度合わせて悲しそうな顔で言った。カラ松はのそのそと動けば、軋んだ音を立てる。その立てる物音から、彼奴は階段を上がっているのだと分かる。
……追っかける気にもなれない。あー、もう、こういうときに限って...俺はカッコ悪いな...。


「兄ちゃんなのに、情けねー」


 じわりと滲んできた視界を誤魔化すように、不貞腐れた様にボソりと呟いた。目頭がすっげー熱い。何かが垂れてきそうで、俺は思わず下を向いた。無意味だって分かってる。けど、とても情けなくて、カッコ悪くて、悲しい。
 泣かずにはいられなかった。足元の床に一滴一滴、透明の雫がポタポタと落ちていく。熱い雫が俺の足指を濡らして、床を汚くしていった。

パッと思い付いたやつ。 1【レイマリ】 ( No.4 )
日時: 2017/10/07 14:10
名前: 狐憑き

霊夢が死んだ。その知らせが届いたのは、遊びに行く数十分前のこと。

死因は単純明快、老化。

霊夢はどんどん歳を重ねて、一人前の女に成っていくのに。
私は、いつまでも子供だった。

それもそう。

本物の魔法使いになった、いや、魔法遣いになったから。

この幻想郷では、人間が妖怪になることは禁じられている。

私は禁断の果実を食べきってしまった。


「れ、イム...何で」


息も絶え絶えに、襖を開けると霊夢は既にこときれていた。

無駄に達筆な置き紙が机の上にあった。内容はありきたりな遺書。

死ぬことを、知っていたのだろう。

『......あんたが妖怪にならなかったら、同じ様に死ねたのにね』
そういうみたいに、霊夢は私に背を向ける形で横向きになって、眠ってるみたいに目を瞑っていた。

回り込むと安らかな表情を浮かべていた。

黒くて澄んだ、真ん丸い瞳は最後に覗くことすらできなかった。


「ぁ、魔理沙さん...」
「よう、巫女さんよ。...霊夢も死んじゃったな、咲夜も、早苗も死んじまった。残るは私だけだ」


自虐に近い呟き。

せっせと働く、霊夢に似た新しい巫女。

だが怠け者でなくしっかり者。華扇は気に入ってるらしいが、私は...どうも、落ち着かない。


「私は、幸せな霊夢を見れてよかったぜ」


なんて、泣きそうなのを抑えて微笑む。

新しい巫女はふわふわとした、何処か悲しげな笑みを浮かべてみせた。


「私は、...哀しいですよ。これ、魔理沙さんにって、ね」


そう言って、巫女は三枚の封筒を私に渡した。

パッと思い付いたやつ。 2【レイマリ】 ( No.5 )
日時: 2017/10/07 14:31
名前: 狐憑き

家に帰って例の封筒を破り開けた。

一つは私宛だったが、残りの二つは早苗と咲夜に向けたものだった。

...神奈子とレミリアにでも渡しておくか?

そう思いながら、私は中に封じられていた手紙に目を落とす。


『親愛なる魔理沙へ。

 あんたはいつも頑張ってた。
 気付いてないふり、してたけど。

 ね、妖怪になったのはどうして?』

『私は一緒に、死にたかった。
 
 だって、安心するでしょう。

 ごめんなさい』


......??

もうひたすらに、意味が分からない。

ごめんなさいって、なんだよ。

とかって思ってたら、くしゃくしゃでぐじゅぐじゅの紙がひとつ、あった。

どうやら続きらしい。


『あんたが、命懸けで異変解決してたの。
 気付かなかった。

 大切にしてたものって、いつか手離さなきゃならないのね』

『p.s

 私はもうすぐ死ぬ。

 どうしてか、...ずっと教えてくれなかったわね?
 妖怪になったこと。
 そこまで努力を重ねなくたって、私は好きだったのに』


......一枚、一枚、文字の筆形が違う。

書いた時期がバラバラだったのか。

くしゃ。

何かの落ちる音。

振り返ると、そこにはもうひとつの封筒。

...――魔理沙へ

中身をチラリと覗けば、感謝と謝罪ばかりの手紙と、今までの新聞が切り取られて押し込まれていた。


カチッ。


「――んなもので良いか」


もう何度目のビデオ。

使わなくなって、埃を被ったビデオが何本も連なっている。

私が死んだら、いや、死ぬから、決定的で、絶対的な...ビデオ。

辺りにはいつかの封筒が落ちていて。二人宛の封筒は、瞬間移動魔法でついさっき送った。


「異変なんてな。...今までは解決側だったのに」


嗚呼、私はもう死ぬんだ。あの、巫女に退治されて。

空が黒く染まった。雨がザーザー降りの、生憎な天気だった。

パッと思い付いたやつ。 3【レイマリ】 ( No.6 )
日時: 2017/10/07 14:42
名前: 狐憑き

チーン、...。

悲しい音。

魔理沙が死んだ。

死にたいって、願うなんて。

外は命日のようにザーザー降りで、レミリア達が来れないからと、紅魔館で葬式をすることになった。


「全く、最期まで掴めなくって、憎らしくて、でも、面白い奴」


誰にも見えない、掴めない、透明な体でぼやく。

正面を見ると魔理沙は、立って其所に居た。

ふうん、もう、此方に来たんだ。


「久し振り、霊夢」
「馬鹿。私の分まで生きてほしかった。でもこんな状況じゃ言ってられないわね」
「此処に来る前に阿求の方に行ったんだけど、私の起こした異変は結構スケールが大きかったらしくて...。史実に刻まれたぜ」
「...刻まれたぜ、じゃあないわよ、全く。でも、中々踏み切ったことしてくれたわね。私の子供も苦戦した様子だったし」
「あ?まぁな、殺してくれなんていう異変主は居ないし」


相変わらず。

馬鹿。


――――――――――END.

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