大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 銀土 (注意書き読み必須)
- 日時: 2020/05/21 22:02
- 名前: 月
別に、約束していたわけではない。
俺たちは最近付き合い始め、やっと初デートまで、体を重ねる関係まで行った。
ただ、俺がたまたま会えるかと期待して、馴染みの呑み屋の前をうろうろしていただけだった
そして案の定、ふわふわとした銀色に輝く頭髪を持った男が目の前から来た
しかし、その隣には
花魁と見間違うほどのとても綺麗な女が、男に腕を回して一緒に歩いていた
男は俺の視線に気付くと驚いたように目を開いて、気まずそうに笑った
俺はいたたまれなくて、何も言わず、気付いていないフリをして通り過ぎるのだった
君を忘れられるまで、後〇〇日ーーー
初めましての方は初めまして。
前作から読んでくださってる方はありがとうございます
月、と言います
自分は切甘しか書けないので、これもまた切甘です。
注意
・演出上銀さんとモブ女がおセッセしている、イチャコラしている場面が御座います
モブ、NLが地雷な方は閲覧をお控え下さい
・土方さんの情緒が不安定です
・沖田君が何故か土方さんに対して優しいです
それでもよろしい方はゆっくりしていってくださいね
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- Re: 銀土 (注意書き読み必須) ( No.1 )
- 日時: 2020/03/21 00:03
- 名前: 月
俺と銀時が付き合ったのは、つい最近の事だった
勿論、お互いがお互いに好意を持っている、つまり、両片思い状態で
ついに銀時の方から、付き合って欲しいと告白をしてきた
ちょうど俺も告白を考えていた頃だったから、すぐに了承した
付き合ってからの銀時は本当に、どこかの国の王子のような振る舞いで
何気ない彼奴の行動にも、俺は度々ときめいてしまうぐらいには、彼奴に惚れていた
初デートもした、体を重ねたりもした
銀時は俺を好いてくれている
愛してくれている
…筈だったのに
今日の出来事のせいで、一気に信用ができなくなっていた
銀時は、あの男は、俺に手をかけておきながら、女を横に付かせていた
当たり前の光景の筈なのに、それを見てしまった俺の心は痛いほど締め付けられて
弁明の一つでもするかと思った銀時は困ったような顔でこちらに笑いかけるだけだった。
どうやら、お遊びだったみたいだ。
何故、あの男に惚れてしまったのだろう、と今更ながら後悔もした。
男と女が一緒に、なんて当たり前なのに
その当たり前が、なかなか受け入れられなかった
早足で立ち去った俺は屯所へとそのまま戻った
途中、入口の側で鍛錬をしていた総悟に声をかけられた
「おいそこの土方死ねこのヤロー」
いつも通り、暴言混じりで総悟が俺を呼ぶが、俺はそんな事なんて気にしていられなかった
「…なんだ。」
と聞き返してやると総悟は意外そうな顔をして
「珍しく、言い返さないんですねィ…アンタ一体どうしちゃったんですかィ?」
「…ンな事はどうでも良いだろ、俺も毎回突っ込むの疲れっからだよ。」
「…旦那の事ですかィ?」
「ッテメ…!何故その事を!」
「街の人間なら誰でも知ってやすよ、あの銀時がついに美人の女捕まえたー、ってね。その様子だと、図星ですかィ?」
「ッ…!…うるせぇ、そうだったらなんだよ…」
「まァ、よく判断してくださったと思いやすねィ…」
暫く言い合いをしていると総悟が折れたのか、俺の話を聞く体勢へと入った
最後に意味深な発言を零し、少し考え込んだ総悟は俺にこんな質問をしてきた
「土方さんはどうしたいんですかィ?」
- Re: 銀土 (注意書き読み必須) ( No.2 )
- 日時: 2020/04/09 22:57
- 名前: 月
「土方さんは、どうしたいんですかィ?」
総悟の問いに、俺は固まった
どうしたいのだろう、あの女を銀時から引き剥がしたいのか
それとも、諦めたいのか
「…分からねぇ。でも、彼奴が女といるのは凄え嫌だ。でも、それが当然だから、俺は…」
ポツポツと、抱えていた思いを吐き出して
口から出た言葉はとても文章だとは言い難く
それでも、総悟は全てを知ったかの様に俺にこう提案をした
「それなら、いっその事旦那の想いも全て、忘れてみませんかィ?」
そして総悟は懐から一つの瓶を取り出した
「なんだ、これは…」
「この前ひっ捕らえた天人の持っていた薬でさァ。この薬は、10日の内に段々と想い人の事を忘れていくっていう効果のある薬で、本来は持っていちゃァいけないんですけどねィ、一つくすねてきやした。」
「10日の内に、銀時を、彼奴を想っていた気持ちを忘れる事ができる…」
「そうでさァ、まず一日目〜三日目で相手との最近の思い出が消えていきまさ。そして四日目〜七日目で相手との古い思い出や記憶、八日目〜十日目で完全に相手を忘れる事ができまさァ。」
使うかどうかは、土方さん次第ですけどね
と総悟は俺に伝え、瓶を置いて出て行った
瓶の中身の薬は錠剤型で、金平糖に似ていた
俺は最後に、彼奴に浮気をされているか、確信に変えてから飲もうと瓶を懐に入れ、銀時の居るであろう万事屋へと向かった
- Re: 銀土 (注意書き読み必須) ( No.3 )
- 日時: 2020/05/21 21:56
- 名前: 月
少し肌寒い外をなるべく早足で歩いて、俺は万事屋の扉の前へと立った
ノックしようと手を出した時、銀時と、別の女の声が聞こえた
「ねぇ、銀時?こんな所でヤっちゃうの、ヤバくなぁい?あたしは大丈夫だけど、ほら、あの従業員さんがいるでしょ?」
「彼奴らなら今日は休みだよ、千夜とヤる為に預けて来たんだわ。それより、早くヤろうぜ」
会話が終わったかと思うと、小さいながらも女の喘ぎ声と、水音らしき音が聞こえてきた
何もかもが終わったと思った
ノックしようとした手を下ろし、気付かれないように階段を降りたところで、声をかけられた
窓から少し顔を出した銀時だった
「土方君、居るんでしょ?ごめんね、銀さんやっぱり男より女の方が好きだわ、だから別れてねぇ」
その言葉と共に、千夜と呼ばれていた女が顔を出して、勝ち誇ったような笑みを浮かべながら、銀時と口付けていた
痛くて、辛くて、苦しくて
なによりも、捨てられた事が信じられなくて
俺は震える手でなんとかタバコを持つと、足早にそこを立ち去った
ーーー
「おし、終わり、ありがとうね千夜ちゃん。」
「良いの?銀さん、あの人の恋人だったんでしょ?」
「良いんだよ、彼奴全然嫉妬とかしてくれねぇし、寂しいとかも言わねえし、全然可愛く無いから。千夜ちゃんの方がまだマシだよ」
「そう?それは嬉しいなぁ、本当にあたし達、付き合っちゃう?」
「そうだね、また次の機会に彼奴の職場にそう伝えてからね」
「ふふ、じゃああたし楽しみに待ってるよ?」
ーーー
万事屋が見えなくなった頃、屯所になんとか辿り着いた俺は、懐に入れていた瓶を取り出し、眺めた
色取り取りの金平糖のようなその薬は、見ているだけでいくらか心を癒せた
俺の気配がしたのか、総悟が音も無く入ってきて、俺を後ろから抱き締めてきた
「お疲れ様でした、もう、お休みなせェ。」
優しく呟かれた言葉に俺はゆっくりと力を抜いて、瓶の蓋を開け、総悟に聞いた
「総悟、これは一回に複数使用するとどうなるんだ?」
「…一気に、7日間服用した程の効き目が出まさァ、でも、そうすると土方さんの心、持たねェでしょ。」
「俺を誰だと思ってる、んな事にはならねぇよ。じわじわと消えていくよりは、早く全部忘れて、スッキリしたい。もう、嫌なんだ」
「…俺はどちらにせよ、アンタの味方でさァ。」
「はは、それは頼もしいな。真選組一の剣豪が味方してくれるとは、なによりも有り難ェ。」
「…飲むんですかィ?」
「ああ、しばらく不便をかけるかもしれないが、宜しく頼む。」
俺は頷くと、6、7粒の薬を口に入れ、噛み砕いた
甘い砂糖の味が染みわたり、俺はゆっくりと目を閉じて、眠りについた
- Re: 銀土 (注意書き読み必須) ( No.4 )
- 日時: 2020/05/21 22:14
- 名前: 月
薬を服用した土方さんは数日程、高熱と吐き気によって寝込んでいた
その数日で、近藤さんを含めた隊長身分の奴等と、山崎には話をして、なるべく触れないようにと伝えた
近藤さんは応援していた故か、どこか悲しそうに表情を歪めながらも頷いた
そして、土方さんが次目覚めたのは、服用してから7日ほど経った時だった
病み上がりには不自然な程にスッキリした表情をして、挨拶を交わしていた
ちゃんと忘れられたのだ
俺はそれとなく、土方さんに旦那の話題をしてみた
「土方さァん、死ねェ」
「生憎俺は死なねェし、ンな楽しそうに俺に死ねなんて言うなよ!?」
「それより、聞いてくださいよ、旦那の事なんですがねィ」
「旦那?…ああ、あの銀髪のヤローか、確かに居たな、そんな奴」
「旦那が良い女を見つけたって話ですよ、土方さん、負けましたねィ」
「はぁ…別にたまに巡回で顔を合わせるぐらいだし、羨ましくもなんともねェけどな…んで、総悟はそれが寂しくなったとか?狙ってた女だったっつうオチか?」
「なんつう事言ってくれるんでさァ、俺が女に困るわけねぇでしょ」
「確かに、違ェねえな、そんな事よりさっさと仕事に戻れよ」
乱暴な口調とは裏腹に優しく俺の頭を撫でた土方さん
完全に忘れた、そして、その薄い記憶でさえも更に薄まってきている
なんで旦那は、こんな上玉を捨てたんだと思うと腹が立ってくるが、俺が言う事では無いと思い、眉を顰めながらも仕事に戻る為副長室から出た
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