大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 不器用な君に 銀土
- 日時: 2020/03/23 07:05
- 名前: 月
たまたま、だったんだ
たまたま仕事が重なって、彼奴と会う約束も無しになって
どこか心の中で残念、だと思って。
そんな時に、一輪、どこか寂しそうに咲いている花を見つけた
いつか、誰かに聞いた事がある
これは、確か…
「月下美人」だったか
ふと目に留まったその花から目を離せなくて、まるで摘み取ってくれと言っているようで
俺はそっと、この花を摘み取ると、屯所へと戻るのだった
注意
銀土
暗め
シリアス
花吐き病
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- Re: 不器用な君に ( No.1 )
- 日時: 2020/03/23 02:45
- 名前: 月
屯所に戻った俺は摘み取った花を買った花瓶に挿して、仕事机の上に置いた
相変わらず花は綺麗に、どこか儚く咲いていて
花言葉も一緒に教えて貰っていた筈だが、何故か思い出せなかった。
ただ、この花は俺に似ている、と思った
綺麗だとか、そういう意味ではない
一輪で佇んでいたところ
そこが、俺と似ていると思った
俺と彼奴は、恋人関係なんてなってはいない
ただ、酒を共に飲む、いわゆる飲み仲間というものだ
俺は彼奴の事を好いている。だが、彼奴は誰からも愛される男だ
そして俺も男で、腐れ縁だ
思いが報われる筈が無いだろう?
少々、男としては弱々しく、女々しい事を考えていたところ、急にどうしようもない吐き気が俺を襲った
厠に移動する余裕もなく、俺は自室の床に倒れ込み、何かを吐き出した
「…うぇ、ゲホッ、…こふ、」
吐き出されたのは胃液などではなく、花弁だった。
白く、細長い、まるで花瓶に挿してあるこの月下美人の花の花弁のようだった
俺は何が起きたか分からず、ただただ吐き出されてくるその花弁を手で受け止めるしかなかった
その夜は、吐き出される無数の月下美人の花弁を受け止めなければいけなかったので、とうとう一睡も出来ずに俺は夜を過ごしたのだった
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