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___一方、こちらは………。
連れ去られた村人達は悲惨な目にあってるというのに、のんきに団子を食べてた。
「…もぐもぐ…ん!これ美味しいですね〜!」
シフォンは手に持ちながら団子をもぐもぐと食べていた。
そのそばに団子屋のおばちゃんがいて微笑んでた。
「うんうん…ありがとう〜…!
まだまだいっぱいあるから買って食べてみてね〜!
…ほら、ヨモギに草団子…それに、三食団子もあるよぉ〜」
っと、シフォンたちに見せた。
「わあ〜!どれも美味しそう〜!」
シフォンはその団子たちを見て子供のようにはしゃいでいた。
「…こんなにも美味しいんだし、ちょっとお土産に買って行こうか」
「それもそうだな」
っと、食べならアカマタとクロネはそう会話してた。
その声を聞きおばちゃんは凄く満足そうに微笑んで嬉しがってた。
「う〜ん…そうかい、買っていってくれるかい…
ほんとありがたいね〜…
しかも、こんな…ハンサムな妖怪さん達がお客としてくれるなんて…
おばちゃん…ほんと嬉しすぎてつい舞い上がっちゃうよ〜」
っと、おばちゃんは頬を染めてアカマタたちを見てうっとりとしていた。
「はははっ、女性はいくつになっても…乙女だからな」
っと、クロネは笑ながらキザっぽいセリフをおばちゃんに言った。
「あら〜、やだわぁ〜!こんないい歳したおばさんを乙女だなんて!うふっ!そんなお世辞いってもサービスなんてしてやらないわよぉ〜」
おばちゃんは、舞い上り照れながら手をブンブンふってクロネにいった。
「いえいえ、全然お世辞なんかじゃないッスよぉ〜?
おばちゃん、結構チャーミングですって!」
クロネは笑顔でおばちゃんを褒めまくる。
「もぉ〜!しょうがないわね〜!オホホホホ!
ちょっとぐらいサービスしてあげるわよぉ〜!
ほんっとおばちゃん!こんなハンサムな妖怪さんたちには敵わないわぁ〜」
おばちゃんは完全に照れて舞い上がりご機嫌上々で、クロネたちにサービスとして少しだけ安くしてくれた。
………まあ、こっちはこんな風に楽しんでいるが…
一方、こちらの勇者は…外の方の椅子に座りながらなにも食べず…
ぼーっとしていた。
「…はあ」
私は、つい疲れたかのようにため息を漏らす…。
「勇者ちゃん!」
「……ん?」
……急に横から淫魔が声をかけてきた。
振り向くと、淫魔は笑顔で一本の団子を見せてきてた。
「はいっ、あ〜ん♪」
「…っえ!?」
まさかの、食べさせてあげるような感じであった。
「…い、いや!いいよ、自分で食べるから!//」
っと、つい照れ臭く、淫魔のあ〜んを、拒否したが……
「え〜?俺、勇者ちゃんに食べさせたい〜!
だから、はい、恥ずかしがらずに…あ〜ん♪///」
「……っ///」
めっちゃくちゃ照れ臭い……。
しかし…勇者は、昨夜のあの時のことを思い出す……。
そう、皆が寝静まった時に二人っきりで星を眺めていた時に淫魔が言ったあの言葉……。
…淫魔は、本気で私のことが大好きで…どうにか、自分の精一杯で私に愛を注がせて喜んでほしい…っというあの想い。
けれど、淫魔は…人間ではなく…悪魔の、インキュバスの男…
だから、どういうのが普通で正解なのかが分からない…
でも、それでも…必死でどうにか愛を伝えようと…幸せにしてやろうと頑張っている……。
……私は、そのことを昨夜に淫魔から聞いたそのセリフを、会話を思い出す……。
「……」
「……わ、わかったよ」
……私は、いくら凄く照れ臭くても…
淫魔の言うとおりに…あ〜んをして淫魔の持っていた団子を食べた。
…淫魔はもちろん、頬を照らし喜ぶ。
「ねえ!どお?美味しい?」
っと、淫魔は聞いてきた。
「…うん、おいしい」
口をもぐもぐさせながらも私は答える。
「そっか〜!
やった〜!これで勇者ちゃんとイチャイチャできたぁ〜!///
ねえねえ!今俺たちって普通の恋人同士っぽく見えるかな?//」
「……え?」
唐突に淫魔は笑顔できゃぴきゃぴしながら聞いてきた。