官能小説(オリジナル18禁小説)
- Re: 貴方だって、愛してる【2/14:二章開始】 ( No.13 )
- 日時: 2016/02/14 18:35
- 名前: ねむねむ
〜バレンタイン小話〜
「これ、チョコ?」
将生の前に差し出された箱は、きれいにラッピングされていた。彼女は恥ずかしそうに頷いて、差し出したままだ。
「えっと…はい……、作りました…」
真っ赤に口ごもりながら、ぐいっと押し付けてくる。ラッピングされた箱に負けず劣らず、可愛らしい動作に思わず汚い欲が込み上げてくる。
いや、今は我慢しなくては。流石にこの空気で押し倒したり、体を触ったりしようものなら、この可愛らしい箱が凶器に変わるかもしれない。
「ありがとう、すごく嬉しいよ。ホワイトデー、楽しみにしててね?」
「えっと…物理的な…お返しは遠慮しておきますね…」
「物理的?」
「その…せ……」
「せ?」
彩希は何も言わずに、向かいの建物の影に隠れてしまった。これはこれで可愛いのだが、流石にそんな場所は他の通行人の邪魔になってしまう。
「ほらほら、そんなとこに居ないで…こっちに…」
そこまで言って、彩希が隠れている建物の看板が、視界の片隅に映った。
どうやらここはラブホテルのようだった。
将生は面白さやら何やらで吹き出すと、今度は彩希の方がキョトンとしている。
「彩希は、今すぐお返ししてほしいんだね。」
「へっ?え…あっ……」
どうやら彩希も、ここがどんな目的に使われる建物か理解したようで、一気に顔が紅潮した。
「ち……違いますっ!!」
その瞬間、可愛らしいラッピングが施された箱は、凶器に変わった。
*その後*
「えっと…ごめんなさい……箱がへこんじゃって…」
結局そのホテルの一室を使い、角の部分が少しへこんだ箱を再び渡された。
「いや、大丈夫だよ。今食べてもいいの?」
「は、はい…お口に合えば…」
「じゃあいただきます。」
生チョコをひとつ、もぐもぐと食べていると、彩希がまた聞いてきた。
「味…どうですか?自分で作ったんですけど…」
「ん、おいしい。彩希の体に負けず劣らず、な。」
中身が空っぽになった可愛らしい箱が、凶器になった。