官能小説(オリジナル18禁小説)
- Re: 貴方だって、愛してる【3/11ツイッターアカウント作成!】 ( No.16 )
- 日時: 2016/03/14 13:42
- 名前: ねむねむ
2、解放
父と母に結婚を伝えると、それはもう舞い上がった。将生は一人っ子だったため、両親は孫の顔を心から望んでいたのだ。いつもは堅い父も、今回ばかりは少々頬を緩め、普段は奥ゆかしい母も目を細めた。
それは、純粋に将生にとって、嬉しかった。口うるさく、世間体にうるさい両親でも、腹を痛めて生み、何度も何度も苦労の末にここまで育ててくれたのだ。そんな両親の喜ぶ姿は、彼に安心を与えていた。
「で、その娘さんのお名前は?」
母が微笑んだまま、こちらを向く。
「彩希さん…麻野、彩希さんだよ。」
母の、仕事は家柄は、といえ質問攻めを軽く受け流して、ようやく風呂に入った。彩希は上手く、俺との結婚を説明できているだろうか……
〜〜〜〜
仕事場から、直接ホテルへ向かった。外は春の暖かい陽気に包まれ、実に過ごしやすい日だった。外では、淑やかそうな女性達が、横断歩道をゆっくりと、談笑しながら渡っていた。ブランド物の服での装いを見ると、結婚したら彩希にもあんな服装で居させたいと思ってしまう。
あぁ、彩希は背が低いから、ハイヒールも履かせなくては……
もし、あんな服装を彩希が嫌がっても、またレイプして言う事を聞かせれば良いと、将生はいつの間にか専制君主のような考えだった。
「お客さん、着きましたよ。」
運転手に頷き、窓からホテルを覗くと、もうすでに父と母は揃っていた。
「ありがとう、ここで降りるよ。」
規則正しい石畳の上を進み、ホテルのフロントまで行くと、母が嬉しそうにこちらに気づいた。よほど、今日の食事会が楽しみだったと見える。
「早かったわね。もう少し遅いと思っていたのに。」
「まあね。道も混んでなかったし。彩希さん達は?」
「まだなのよ。だけど、もう来ると思うのよ。」
このホテルは和式だったが、あえて洋式の部屋を頼んでおいた。母の腰が悪いため、畳だと立ったり座ったりの動作が難しくなってくるのだ。
少しのあいだ、会話を続けていると、彩希たちがやって来た。
今日の彩希は親の指摘のせいか、服装がずいぶんと野暮ったかった。まあ、結婚すれば、自分の好みに合わせられるから問題ない……
少し気弱そうな目で、彩希がこちらを見ていた。