官能小説(オリジナル18禁小説)

Re: 貴方だって、愛してる【3/14更新】 ( No.17 )
日時: 2016/03/14 21:24
名前: ねむねむ

〜ホワイトデー小話〜


また、今日も彼に呼ばれた。
彩希は複雑な気持ちで駅前に居た。何度もため息が漏れてしまう。今夜もホテルに行くんだと分かっていたし、それを拒むのも半ば諦め始めていた。それでも、肌を重ねる時の彼への恐怖はどうしても拭えなかった。
「や、お待たせ。」
駅から彼がやって来た。彼は何やら紙袋を抱えて、少し気まずそうにこちらを見ている。彼は荷物が多いのは嫌いなはずだった。だこらいつも両手は空いていることが多かったのだけれど………
「そんなに変かな。俺が荷物を持ってると。」
「あ、あのそういうのでは無くて……」
将生がおかしそうにこちらと荷物を交互に見る。それから、その紙袋をこちらに渡してきた。
「これ、お返しだよ。バレンタインデーのね。」
「え?私に、ですか?」
「もちろん。彩希は手作りだったけど俺は買ってきたからね…それじゃあ気に入らないかな?」
「いえいえ、そんなこと…」
そのまま受け取ると、その紙袋は意外にもずっしりと重かった。
「あの、これ、中身なんですか?」
「ホテルに行ってのお楽しみ。」
彼は、おかしそうに、そして嬉しそうに笑った。

〜〜〜〜〜〜

「ひ、酷いです…中身がこんな、こんな……」
「似合ってるよ。それに俺、今すごい煽られてるよ。」
中身はSMセットだった。どうりで重いわけで、おしゃれな紙袋からは反比例するように、無骨な鎖や首輪が出てきたのだ。
「ちなみに、管理は俺がするからね。」
「そ、それって、ホワイトデーのお返しって言えな……あっ!」
もちろん、彼はきちんと「本当の」ホワイトデーのお返しを用意し、持ってきていた。
だけどそれを、明日の朝まで彩希は気付けなかったらしい。