官能小説(オリジナル18禁小説)
- Re: 貴方だって、愛してる【3/14更新&ホワイトデー小話】 ( No.18 )
- 日時: 2016/03/20 16:29
- 名前: ねむねむ
2、解放
なごやかな雰囲気で、会食は進んだ。皆が日本酒やワインを口に運ぶ中、彩希1人が、ウーロン茶を飲んでいた。
「いやぁ、君のような青年と娘が結婚できるなんて…親としても誇らしいよ。」
酔いが廻っているのか、彩希の父親の顔は赤らみ、実に饒舌になっていた。それは横に座る父も同じのようで、普段は寡黙な癖ににこやかな笑みを浮かべていた。
「それは、こちらもですよ。ずいぶんと綺麗なお嬢さんではないですか。気立ても良さそうで。なぁ、将生。」
ワインを傾けながら頷いて、
「えぇ、本当ですよ。優しくて、可愛らしい…俺の自慢の彼女ですから。」
彩希は心の中で「嘘を吐くな」と、そう言っているに違いない。
〜〜〜
「それじゃあ、俺達はここで。」
夜の9時を回ったところで、彩希と連れ立って席を立った。双方の両親ともホテルのフロントで別れた。
「全然お酒飲まなかったね。苦手なの?」
「はい…結構弱くて……」
「そう。じゃあ部屋に行こうか。予約取ってあるから。」
もう、猫を被る必要は無くなった。
彩希は母親似で、性格はどちらにも似ていない。兄は獣医。昔から彩希は体が弱く、外で遊んだり友達を作ったりするのは苦手だった。
それが今日の会食で分かったことだった。
そんな、病弱な彼女の腰に手をまわすと、確かにほっそりとしていて、少し力を入れれば簡単に折れてしまいそうだった。
「素敵な部屋ね…綺麗……」
これから何をするか分かっているのに話題をそらしたいのか、あえて関係のない話をする。彩希は窓辺に立って、こちらを振り向いた。
あぁ、もうダメだ……
衝動に駆られるようにそのまま歩み寄り、強く強く抱きしめた。会食の時からずっと、そうしたかった。その遠慮がちで細い体を力の限り抱きしめたいと、切望していた。
「将生、さん…痛いです……」
仕方なしに離れて、立ち尽くす彼女の前でベッドに座る。
「まずはそうだね…服を脱ぎなさい。」