官能小説(オリジナル18禁小説)

No.0 Prologue ( No.2 )
日時: 2023/09/04 15:58
名前: 柔時雨

高校2年を迎える直前、弥生のとある日……
世間一般で春休みと呼ばれる期間の終わりが間近に迫っていたある日、親父の海外への長期単身赴任が決まった。

それはまぁ良い。『 お仕事頑張ってくれ 』と思っていたら

『 お父さんは家事が全くできない人だから、私が傍に居てあげないと〜 』と

お袋も親父と一緒に海外へ旅立ってしまった。

いや……あの、俺も洗濯と掃除はともかく、料理は作れないんですが……

幸い、光熱費とかは親が支払ってくれるみたいだし、食費も振り込んでくれる……みたいなことを
言っていたから
まぁ……生きてはいける……かな。

1人だけの家のリビングで、テレビ番組を見ながらカップ麺を啜っていると、ガラスのテーブルの上に置いてあったスマホが
メール……じゃないな。通話を受信したのだろう。カタカタと音を立ててテーブルの上で揺れ動いていたので、俺はカップ麺を食べる手を止めて、スマホを取った。

「はい、もしもし。」
『もしもし?拓斗。』

通話の相手は、俺のよく知る相手だった。

天宮 刹那。

俺と同じ高校に通う女子生徒で、風紀委員のメンバー。
そして、俺の幼馴染でもある。

昔は俺の家の隣の借家に住んでいたが、小学3年生の頃に、親父さんの仕事の都合で他県へ行ってしまっていたのだが
中学2年生の頃に、またこの町に戻って来た。

今は、ウチから少し離れた場所に、親父さんが新たに家を購入して住んでいる。

「おぅ、何だ?刹那。」
『別に大した用事ではないんだ。この春休みの間、自堕落な生活を送っていないだろうか?と、心配になってな。』
「相変わらず、心配性だな。特に問題無い……って言いたいけど、ちょっと面倒なことになった。」
『ん?どうしたんだ?』
「実は、親父が海外に単身赴任することになっちまってな。それ自体は別に良いんだけど、お袋まで一緒に着いて行っちまって……」
『おばさんが?』
「それで、掃除と洗濯は何とかやってるんだけど、飯がなぁ……今はカップ麺と、レトルト食品で何とか」
『あ……アホかぁぁぁぁ!!そんな……そんな身体に悪そうな食生活を、幼馴染がしているなんて、見過ごせないし、許せない!決めた!この春休みの間、私がお前の食事を作りに行ってやる!幸い、家の場所も知っていることだしな。』
「マジか……助かる。持つべきものは、幼馴染だな。」
『ふふっ。それでは、明日の朝……そうだな、8時には起きているか?』
「惰眠を貪りたいから、できれば9時で頼みたい。」
『却下!その不規則な生活態度もついでに直してやる。では、明日の8時に。』

そう言って、向こうから通話が終了された。

「はぁぁ……せっかくの春休みだってのに……まぁ、仕方ねぇか。」

こうして、俺は有言実行してくるであろう幼馴染を迎えるために、リビングの掃除を開始した。