官能小説(オリジナル18禁小説)

Re: 悪魔契約と白菊栗鼠 ( No.1 )
日時: 2018/12/28 09:32
名前: 暁月

「見ぃつけた♪僕たちのお姫様♪」

 背中に黒くて大きな翼を持った美少年たちが、ある少女を見つめながら
この言葉を吐いた。





―その頃の主人公・白菊栗鼠。





 栗鼠は、友人と他愛もない会話をしながら、高校へ登校していた。

「あ、そうそう。ねぇ、みんな知ってた?今日転校生来るって!」

 栗鼠の友人琴美はテンション高めでそう聞いた。

「もっちろん!知ってるよ!」
「だって…イケメンらしいんですもの!」

 栗鼠以外の女子はそう言いながら、キャッキャと騒いでいた。
栗鼠は、そんな友人たちを、仕方なさそうに見つめていた。

「なにがそんなに楽しいんだか…」

 ふと、栗鼠がぽろっと言ってしまった言葉は、友人たちには
はっきりと聞き取れたらしい。

「まったく…これだから白菊は、美人なのに高校2年になっても彼氏出来ないんだよ〜」
「あんたの美貌がもったいないわ!」
「栗鼠ちゃんちょっとでいいから、男子の事異性として見てみなって」

と、好き勝手栗鼠に言っていた。

「う〜ん…ちょっとよくわかんないけど…」

 栗鼠は少し戸惑いながら、そう曖昧に答えた。

「とりあえず、今日の転校生よく見てみるといいと思う。
さ、私の言うこと聞いてみなよ!ほらほらぁ、騙されたと思って♡」

栗鼠は、騙すんかい、という突っ込みはやめておいた。






―そして、学校。





 朝のホームルームが終わり、いよいよ転校生の紹介が始まろうとしていた。

「えー、今日からお前らと一緒に生活することになった、転校生が来てる。
みんなー仲良くするよーに。」

「「「はーい」」」

 先生の言葉に、みんなが答えると、



ガラガラガラ……



 転校生が入ってきた。

 と、途端に、みんなが息をのんだ。そして、栗鼠までも。
何故なら、その転校生は、目が覚めるほどの美少年だったからだ。

「香滝紺です♪よろしくお願いしまーす」

 その美少年はニコニコしながら自己紹介をした。名前は『紺』。
栗鼠は友人の言った通りになったと思った。それは、

その少年に、初めて一目惚れをしたから。

「よーし、じゃあ紺。お前の席はあいつの隣だ。」

 先生が指を差したのは―、栗鼠の隣。
栗鼠は戸惑うように、こちらへ向かって歩いてくる紺を見つめていた。

「―と、これからよろしくね♪えーと…」

 そんな栗鼠の気は知らないかのように、紺はそう言ってきた。

「し、白菊栗鼠です……」
「へぇ〜、栗鼠ちゃんって言うんだ。可愛い名前だね♪それと―」

 紺は可愛いと栗鼠に言ったため、栗鼠は耳まで真っ赤になった。しかも、
まだ何か言いたげだった。何を言うのかと栗鼠は紺を見つめていると、

「今日学校が終わったら、うちに来て。絶対だよ。」

と言った。突然のありえない言葉に栗鼠は驚きを隠すことができなかった。
しかも、栗鼠は「はい……」と、流れに乗せられ頷いてしまった。






―そして、迷いの晴れぬまま、学校は終わってしまった。






 栗鼠は特に部活にも入ってなく、すぐ帰れた。他の友人は部活があって、
いつも遅れて帰るため、下校は基本一人だった。

が、今日は違う。

今日は転校生―あの美少年の紺と帰らなければならないのだ。
しかも、家に来いとまで言われ……

(誤解されたらどうすればいいのだーーー!!!)

 そんな栗鼠の心を見透かしたのか、紺は安心させるように、

「大丈夫だよ栗鼠ちゃん。今は人少ないし、俺、足速いから。」

と言った。しかし、足は速くとも、栗鼠は足が遅い。
どういうことかと思っていると、紺は栗鼠を―お姫様抱っこした。

 今までとは比べ物にならない羞恥で、栗鼠の顔は真っ赤に染まった。

「え、ちょ…ど、どういう……///」

照れでうまく喋れもしない栗鼠に、紺は優しくキスをした。

(チュッ)
「ん!?////」

 栗鼠が驚いている間に、紺の家に着いていた。外見は、名門家のような
感じの家だった。

「ここが俺の家だよ。さあ、ついてきて。」

 栗鼠にそう言うと、栗鼠を優しく下した。そして、紺が先頭になり、
栗鼠を案内した。しかし、そこで待っていたのは、さらなる驚きだった。

「お帰り、紺。その子が噂の栗鼠ちゃんかい?」
「お兄ちゃん……その女の子が僕らの運命の相手って、本当?」

 それは―紺と顔立ちの良く似た、美少年2人だった。おそらく
兄弟だろう。

「ああ、本当だよ、翔。じゃあ早速。」

「「「食べちゃいましょうか」」」