官能小説(オリジナル18禁小説)
- 牡丹と椿 白い肌 〜吉原物語〜
- 日時: 2016/04/05 08:52
- 名前: 結衣香
妖怪ウォッチr-15ものも作成中の結衣香です
今回は、妖怪には関係のないような吉原物語をつくっていきます…
あまり吉原・廓遊びについて知らない方も大丈夫です…解説込みで小説をつくっていきます
後々キャラ募集いたします…どうぞご参加を…
初めに知っておいてもらいたい事
・吉原 体を売る女が集まる見世のある場所 男にひと時の夢と希望を売る
・見世 吉原に集まる遊女が体を売る店
・楼主 見世のオーナー(男性)
・花魁 美貌、教養、高い品格を兼ね備えた見世一番の遊女
・新造 17歳前後の遊女デビューをして客を取るようになる遊女
・馴染み 遊女と仲を深めたお客
・姉女郎(姉遊女) 新造を育て上げる役目を果たす遊女
まぁこんな感じですかね(^^)
それではそれでは登場人物紹介をいたします
主人公 文乃(ふみの) 振袖新造(新造の前) 貧しい家庭で育ち、十三の時に母親に売られた。美しい容姿を持ちながらも未だ振袖新造
楼主 壱弥(いちや) 大黒屋の楼主 遊女でも一度は抱かれたいと思うほどの美貌の持ち主。優しいのか怖いのか…謎の男
姉女郎 八千代(やちよ) 文乃の姉女郎 優しさの塊でいつも笑っている 時には、厳しいが…
新造 花絵(はなえ) 文乃のよき理解者であり友人のような存在 同い年だが花絵が先の新造となった
新造 野菊(のぎく) 文乃のひとつ下(歳) 厳しい反面、廓遊びが上手いと客に人気 文乃に嫉妬
花魁 明野(あけの) 一番売れてるうつくしい花魁 道中が一番華やぐと言われている「明野に落ちない男はない」といわれてい る。大商人や大名に抱かれている
ではでは…小説開始です
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- Re: 牡丹と椿 白い肌 〜吉原物語〜 ( No.1 )
- 日時: 2016/04/05 10:12
- 名前: 結衣香
小説開始w
ここは、花の大江戸。
日本で一番栄えるところ。
今日も朝からワイワイと賑やかな声が聞えてくる
赤ん坊の泣き声…仕事に専念する江戸っ子男衆…橋を渡る大勢の人の足音と笑い声
いろんな音が混じり交じり聞えてくる
そんな大江戸の裏の顔…夜になると男にひと時の夢と愛をもたらす ここ吉原も、朝から仕事を果たした遊女の声で賑わいをもたらしていた。
吉原遊郭は、有名な廓遊びの場所…その中でも有名な見世があった
大黒屋の花魁 明野は、江戸の大町でも有名な遊女で大名の馴染みである。
それは、さておき、その大黒屋につながるある茶屋に一人の娘が売られてきたらしい
女衒が連れてきた娘は、容姿は、ぼろを着た様な貧しい奴だったが顔立ちは、整っていて肌も白く牡丹のように美しい唇をしていた。
「こいつが大黒屋楼主が買ったという娘かい? まぁ…立派な美人だねぇ…いくつかい?名前は?」
茶屋の女将は、頬を膨張させながら興奮気味にきく
「…十五…名は、文乃」
新入り女郎が増えたというのは、大黒屋にすぐ広まった
「うんうん…いい名だねぇ…この娘は、明野の妹女郎にしようかねぇ 」
女将は、娘…いや文乃の頭を撫でると、女衒を帰し明野と呼ばれる花魁を呼ぶ
「明野ーっいるかーいっ 新入りだよーっ」
奥から出てきたのは、綺麗な女郎だった…花魁と呼ばれるのだって分かる、男が抱きたいと願うのだって分かる…そんな女郎が出てきた
気だるそうに豪華な着物を着崩して歩いてきた
長い髪は、日の光をうけて輝き、白い肌は、男を引き寄せる武器だろう…柔らかそうな唇で男を落としていくのだろう
「ふぅぅん あんたが壱さんが買った娘かい…いい器量もちだねぇ…」
明野は、わざとの様に上から目線をしてくる。
「今日からあんたの妹にしな…明野」
気だるそうな顔の眉間にシワが寄る
嫌なんだろう…私なんか…生娘だから
「女将、それは、やだね…あたしにゃ 何人の妹がいると思ってるんだい…同じ様な娘がいるんだよ! 他を当たってくんなまし」
そう言うと茶屋の奥へと入っていった
「はぁぁ…仕方ないなぁ…」
女将は、大きくため息をついた。
「仕方ないのさ…明野は、ああいう奴だからねぇ…さぁこうなったら他を当たるしかないね」
こうして文乃は、遊女の八千代の妹となった…
文乃の運命は、どうなるのだろうか…
続く
- Re: 牡丹と椿 白い肌 〜吉原物語〜 ( No.2 )
- 日時: 2016/04/08 14:03
- 名前: 結衣香
「聞いたかい? 花魁、また新造断ったって… まあ、無理はないが」
「花魁は、自由に妹を選ぶ事ができるものさ…仕方ないよ… 大体、明野さんは、女に冷たい…そんな簡単に妹なんかなれやしないよ」
「新造の娘も器量持ちだったらしいよ… わっちらには、将来がないのさ…新造小娘も気の毒だねぇ」
サキ
また、花魁と私の話が聞えてくる。
人の事情を、淡々と話すなんて…みっともない
「文乃…?大丈夫かい? お稽古やめようか?」
八千代は、琴を爪弾くのをやめ、眉間にシワを寄せる文乃に優しく声をかけた
「あ…いえ…すみません…姉さん、続けてください」
姉さんは、分かったと返事をすると上手に爪弾きはじめた
この人もこの人だ
一体なんで引き取ってくれたのだろう…
八千代姉さんは、姉女郎に立候補した方の一人何人か…他に居たのだけれど、「私がこの子を立派に育てます…私でお願いします」という感じであっさり決まった…という感じだ
その時の姉さんの優しい瞳が…私を見つめる目が…宝を見つけたような喜びを表してるように感じたから、吉原に送られてきた時の不安が不思議と和らいだ…
姉さんとは、どこかで出会っていたような気がしたのもその時…わたしは、一人っ子で人見知りなのに…
「ほら、文乃…また、眉間にシワが寄ってるよ…可愛い顔が台無しだろ 笑ってな」
無理やり両手で私の頬をほぐしていった
「ここが…姉さんの事が…まだ、不安かい?」
姉さんは、私の頬から両手を離し、私を覗き込む
暖かい日差しが障子の隙間から漏れていたのだが…急に曇ったのか…部屋が暗くなる
不安は、まだまだあるけれど…ここに送られたってことは、不幸には感じない
毎日、父親に殴られ蹴られの苦しい、貧しい暮らしとは、打って変わって違うから…
「あんたは、まだ吉原に来たばかりだもの…慣れればいいものよ…姉さんも嫌われないよう頑張るね あんたには、笑っていてほしいもの」
そういうと琴の稽古をはじめた
曇っていた空に日が差したのだろう…また障子の隙間から光が漏れ出して、部屋が元の通り明るくなった
「姉さんは、優しいね… お天道様みたいで… っ///」
言ってしまった後、自分の言ったことの恥ずかしさに思わず口を塞いだ…
姉さんも、また、琴を弾くのをやめて、目をまるくし、笑った
笑ったというより…吹き出した
「あっはははは… あんたでもそんな事言うんだね 幼いような所が可愛いな… んっ?」
姉さんに笑われるなんて… 自分で言ったことなのに顔が熱くなった
「あら、そのお顔は、お客に見せる顔だよ…あんたが赤くなるとこはじめて見たよ…ふふ」
部屋の襖が開き、中に男の人が入ってきた
「おお こいつが、新造で入ってきたという文乃か たしかに明野が認める器量持ちだな… 」
入ってきた男は、私をひとめみて、優しく笑った
誰…?
「あっ/// いらっしゃい… 入るなら入るって言ってくださいよ…壱さん 来てくれるなんて嬉しいです」
壱さん…?
姉さんが頬を赤らめながら…そう男を呼んだ
「ああ…八千代もいたのかい 元気そうで何よりだ」
男も、姉さんを八千代と呼んだ
知り合いなのかな…
「いたのかい…って いくら文乃が可愛いからって、忘れないでくださいよ〜///」
「ごめんごめん…忘れたつもりはないよ…だって八千代に会いに来たのだから」
急に男らしい事を言い出す…この男
私の事も知ってるみたいだけど…会った事は、ない
客人か…見世の若い衆か…
「あの…どなたでしょうか?」
姉さんと話していたその男は、私に菓子包みをくれた
「俺は、見世の楼主 壱弥… 壱さんとでも呼んでくれ」
楼主…ということは、私を買った人だ
それにしても若いな
私は、とりあえず菓子包みを受け取った
「それは、挨拶代わりだよ 」
「壱さん、稽古中だから、また来ておくれ…」
壱弥は、八千代にも菓子包みをあげると「またな」と言って襖を出て行った
壱弥が出て行った後、姉さんは、赤らんだ頬をパチンと叩き、ふぅとため息
「あの 姉さん? 姉さんは、もしかして、あの人が好きなの?」
わたしは、姉さんに問いかけた
「えっ/// ああ…まあね 見世の女の憧れであり、いい男だよ やっぱり…いい男だよ」
まぁ、確かに高い背、長くたなびく長髪を結い上げていて、男らしい背中で、整った顔立ち 姉さんが惚れるのだって分かるかもしれない
八千代は、菓子包みの中の和三盆を大事そうにつまんだ
つづく
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