官能小説(オリジナル18禁小説)
- 菩薩恒作衆生利
- 日時: 2017/01/10 20:11
- 名前: 齋藤ロベール
第一部
イリーナ=ドンブロフスカヤ
ドアを開けたら家畜小屋のにおいだった。においのせいで、大きなベッドと、そこに寝ている女の子に、僕はすぐには気が付かなかった。女の子は十二歳くらい。顔を起こして僕を見つめる瞳は濃い緑色。真っ直ぐな長い金髪をしていた。
「Ira, tio estas S-ro UCUMI Makoto, kiu zorgos pri vi ekde hodiaw. Salutu bone. じや、頼んだよ。」
ドンブロフスキーさんは、そう言うと、僕の肩を軽く叩いて行ってしまった。僕の後ろでドアの閉じる音が無情に響いた。
「誠くん、ちょっと大事な話があるんだけれど、いいかな。」
ドンブロフスキーさんから声を掛けられたのはきのうのことだった。
ドンブロフスキーさんはポーランド人で、無農薬有機野菜の農場を幾つも経営している敏腕起業家だ。高校を卒業しても、何をしたらいいか分からなかった僕は、縁あってその農場で働かせてもらっていた。親の持ち物の別荘がそう遠くない所にあったので、そこで一人暮らしの生活だった。とは言え、まだようやく四十日が経ったに過ぎない。
「なんでしょう。」
「仕事を変わってほしい。」
「えっ?」
ドンブロフスキーさんは決して現場を疎かにせず、必ず自分でも働く人だった。そして僕には目を掛けてくれていた。ひ弱な僕のために力の要らない仕事ばかり回してくれていたし、アルバイト代だけでなく野菜も貰えていたのだから、環境が良すぎるとは自分でも思っていたが、ちょっと好意に甘え過ぎだったかと反省した。でもドンブロフスキーさんは優しい笑顔のまま僕を見ていた。
「娘の面倒を見てくれないか。」
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- Re: 菩薩恒作衆生利 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/10 20:12
- 名前: 齋藤ロベール
女の子はもう向こうを向いていた。一人にされた僕は、枕元に歩いて近寄ったが、女の子はこちらに目を向けなかった。何か、近くにいてはいけないと感じてしまうような、美しい顔立ちをしていた。
家畜小屋のようなにおいは、明らかにこの子からしていた。金髪が油じみている。シーツも替えていないだろう。
「Давай познакомимся. Я Макото. 」
きのうの晩、頑張って覚えてきた言葉を言ってみたら、女の子は振り向いて
「Mi jam awdis vian nomon. Mi estas Irina, sed nomu simple Ira. Chu vi scias, kia mia situacio estas?」
「えーと」
急に言葉を変えられて詰まっていると
「お父さんに聞いてない?」
また言葉が変わって当惑している僕の様子に、女の子は笑った。
「分からない?」
「ああ、なんだ日本語か。気づかなかった。」
「あたし、イリーナだけど、イーラって呼んで。誠さん、あたしのこと知ってるの?」
「少しなら。いや、少ししか。」
- Re: 菩薩恒作衆生利 ( No.2 )
- 日時: 2017/01/27 12:58
- 名前: 齋藤ロベール
女の子はドンブロフスキーさんの実の子ではなかった。母国に渡ってきた難民の子を引き取ったのだそうだ。
「親は消息不明だと言うし、受け入れる満足な施設もない。それで、養子ということにしたんだよ。」
でもね、が続いた。
ドンブロフスキーさんは作物を本当に愛していた。物として野菜を扱わない。だから、小さな株や育ちの悪い株も捨てず、畑には無駄な部分が結構できるのだった。それでも、不思議と全体の売り上げはとてもよかった。
ドンブロフスキーさんの博愛の情は留まるところを知らなかった。現に僕も目を掛けられている当人の一人だ。しかし、実行できる愛情の範囲には誰でも限界がある。見たところ、ドンブロフスキーさんは限界を自分で知らないらしい。その限界は恐らく僕の百倍も先にあるのだろうけれど、手に余って気を配りきれなくなることが、ドンブロフスキーさんの場合、相当にあった。現在進行形で僕にはそう見えた。今回、人間、それも自分の娘が手に余ってしまったという訳だろう。こうなると、人がいいのか悪いのか実際分からない。
- Re: 菩薩恒作衆生利 ( No.3 )
- 日時: 2017/02/19 12:24
- 名前: 齋藤ロベール
「十一になるんだが、なかなか懐かなくてね。私も妻も忙しいし、相手をほとんどしてやれなかった。」
悲痛な面持ちでドンブロフスキーさんはそう言った。
そのうち、女の子に原因不明の麻痺が現れた。首から下が動かなくなり、感覚もなくなった。
「妻が介護していたんだが、結局あれも過労で倒れてしまった。かと言って、ここであの子を施設に出すのも、捨て直すようでまた無責任じゃないか。」
無責任というのは、何かに関わっておきながら途中で投げ出すことだと僕は思う。女の子を施設に手放すのが無責任なら、手元に置いて世話をしないのも無責任だろう。
今回のことは、引き取ってから世話ができなくなったという話だ。出来ないことに人はそもそも関わるべきではないのだと言う人もあるだろう。でもそう簡単に事は言い切れるものじゃない。ドンブロフスキーさんのお陰でとにかく女の子は助かったのだから。
いずれにせよ、僕は意見できるような立場でもなかったし、ドンブロフスキーさんのように度量のある人間でもなかった。
「私はいつも見ていたのだが、誠くんは畑の虫を殺さないね。蚊も蟻も殺さないだろう。」
「すみません。できないんです。」
「いや、畑にいろいろな虫がいたら作物がどうなるか、むしろ興味がある。虫でこれほどなら、恋人はどれだけ大事にされてるんだろうね。」
ドンブロフスキーさんはにこりとしてそう言った。
「女の子と話したこと、ほとんど無いんで、彼女、いたことないです。」
「そうかね。」
僕に女の子の世話が回ってきた訳を思い巡らしていたら、ドンブロフスキーさんとのこの会話に思い当たった。
- Re: 菩薩恒作衆生利 ( No.4 )
- 日時: 2017/02/26 19:26
- 名前: 齋藤ロベール
布団を捲ってみて驚いた。汗で寝巻きの色が全体黄ばんでいた。ズボンは穿いていず、おむつだったが、そこから漏れていた。ドンブロフスキーさんには悪いけれど、虐待だと言われても仕方ない有様だった。いつから服を着たままなのだろう。
「脱がせていい? 全部替えないと。」
イーラは目つきを鋭くして
「いいとか悪いとか、あたしに何ができる?」
「風呂に入ろう。」
この部屋はイーラのために造ったらしく、周りには何でもあった。僕は隣の部屋のユニットバスの準備にかかった。
まず僕が裸になった。辛かったが、パンツも脱いだ。僕は女性と体の関係を持ったこともなかったし、見たことも見られたこともなかったので、とても恥ずかしかった。
イーラのほうも男の体は初めてだったらしい。頬を真っ赤にしながら僕の裸の腰を目で追っているのに僕は気づいていた。
わざとイーラの近くに腰を寄せて言った。
「おむつ、取るからね。」
「いいから早くして。」
僕の腰を見つめるイーラの喉で、唾を飲み込む音が聞こえた。
おむつを外して脚を上げさせ、汚れた尻の周りから拭いていったが、形よい桃色の肛門が動いたり、溝の中が赤くちらちら見えるのに興奮して堪らなくなった僕は、思わず、指で広げて女の子の作りをなぞってみた。
僕にとって、女の子に直に触れた最初の体験だった。 その間に起こった僕の体の変化をイーラは真近で眺めていた。大切な秘密が明かされていくような、期待と緊張、恐れが僕にあったけれども、イーラも全く同じだと、緑の瞳が語っていた。
- Re: 菩薩恒作衆生利 ( No.5 )
- 日時: 2017/02/27 23:20
- 名前: 齋藤ロベール
イーラは何も言わず、非常に素直に、抱き上げられるままに任せた。
ざぶりと風呂に入った。僕はイーラを後ろ向きに凭れさせ、膝に乗せて抱いた。少し膨らんだ硬い胸が、僕の左の掌にちょうど当たっている。
「熱くない? 僕が入る風呂、いつも熱めらしいから。」
「感じないの。分かる場所もあるよ。そこは熱くない。」
イーラの髪が顔の前でひどくにおった。女の子のにおいだが、臭い。頭を洗ってやらなければならない。どうやって洗おうか。考えながらイーラの体をさすっていたら、僕は気持ちが抑えられなくなってきた。
どうしようもなく硬くなって上を向いた僕のところが、イーラの両脚の間から、生えたように出て見えた。
「ごめん。女の子、初めてなんだ。お尻のところが当たってると、落ち着いていられない。」
「あたしが触って分かるところってね、そこなの。それと胸。トイレも出すのはできるの。」
僕が指で触れるとニーナは動かしてみせた。
「そこ、気持ちいい。ほかが感じないから何倍も分かるの。もっと触って。あたし、楽しいこと無いんだもん。」
イーラは歓びを待てないふうだった。僕は手で触るのをやめた。におう金髪に鼻をうずめると、感じあうために、腰を差し込んだ。
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