官能小説(オリジナル18禁小説)

欠けたピースは戻らない
日時: 2018/03/04 21:19
名前: 花雫

クチュクチュと、私のいやらしい水音が部屋に響く。

「あ…あっ…」
「…気持ちいい?」

嬉しそうに問う彼は、私の事が嫌いだった筈の幼なじみで…。
そう。彼は私の事が嫌いだった筈だったんだ。何年も関わらずに過ごしてきた…それなのに、どうして?
同情?それとも、あんな事をした私への復讐?

「あっ…やっ…めっ…あ…あぁ…」
「可愛い…」

そんな、耳元で囁かないで。お願いだから。
これ以上されてしまったら、私はきっと勘違いをしてしまう。
貴方が私を好きだなんて、そんなあり得ない勘違いを。
だからお願い。もうやめて。もう傷ついたくはないの。裏切られたくないの。だから、もう…。

そう願っても、彼の指は私の中でより一層激しく動くばかりだった。


______どうしてこうなってしまったのか、私にはもう分からない。

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Re: 欠けたピースは戻らない ( No.1 )
日時: 2018/03/04 22:18
名前: 花雫

「行ってきます」

そう、返事が返ってこないのを知っていても言ってしまう。
昔の癖と言うのもあるが、もしかしたら「いってらっしゃい」と返ってくるかもしれないと言う淡い期待がどうしてもあるのだ。

…何故この家からは「いってらっしゃい」と返ってこないのか?
それは両親が仕事でいないから。居たとしてもこの時間はだいたい寝てしまっている。そんな、簡単な理由。

昔はよく幼なじみの家に泊めてもらっていた。今は…。

…悲観にくれていても仕方がないので学校へ向かう。

いつも通りの道。いつも通りの景色。いつも通りの時間…いつも通りと言うものは退屈で、だけど私とってはとても大切なものだ。この頃は特にそれを意識する。
まぁ、本当のいつも通りは一生戻って来る事はないのだろうが。だって、それを私自らが壊してしまったから…。

本当に大切で、何があっても守りたかった日常を自ら壊してしまった。
大切だった癖に、あの暖かな環境に甘えて本当に大事なものを守らなかった…。
もう、幸せだった時は帰っては来てくれないだろう。

〜〜〜〜〜

平凡で友達もいない私が学校に来てからする事は特になく、する事と言えば同じクラスの幼なじみの、みぃ君こと佐々木湊人君を観察する事くらいだろうか。

みぃ君は非常にモテる。
カッコいいし、頭が良いし、運動神経もいいし、オマケに優しいから、モテるのも当たり前なのだが…そんな彼にも欠点は存在する。

まず甘い物が苦手、それと女性も苦手。まぁ、女性を苦手にさせたのは私なんですけど…本当に最低な事をしたよ。
お陰で私はみぃ君に嫌われてるしね。話しかけても無視される。視線すら合わせてもらえない。
…そんな事されて当たり前の様な事を私は彼にしたのだけど。寧ろそれでも手緩いくらいの事を。

大大大好きだった幼なじみ。
ずっと一緒にいる事が私にとっての一番の幸せだった。
だけど自分の過ちで、その幸せは一生叶う事はないのだろうが…。

「「…」」

…目が合ってしまった。
いや、実際の所彼は私の事なんて見ないから、目が合うなんて事はないのだけど。
だけど、それでも、少し恥ずかしい…そしてちょっと嬉しい。

私は彼の事が未だに好きだ。
あれだけ最低の事をしたのに、それでも恋心を消す事は出来なかった。相手は私の事を嫌っているのにね…。

…彼は私に嫌いだとは言ってくれない。この際手酷くされた方がまだ良かった。
必要最低限の会話の時には、優しく、昔の様に接してくれる。冷たくしてくれればいいのに…。
彼が私の事を嫌いだと思いっきり言ってくれれば、この気持ちにも区切りをつける事が出来るのだろうか…。

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