官能小説(オリジナル18禁小説)
- 私、しがない旅人ですけれど!?【R18注意】
- 日時: 2018/07/26 17:11
- 名前: ろずがる
ここはとある世界。魔法も魔物も存在する、いたって普通な世界。
綺麗な花が有名な町に訪れた私は、ひょんなことから大変な事に巻き込まれ……?
――これは、ごくごく普通の旅人が様々な事件に巻き込まれる話。
* * * * * * * * *
皆さま初めまして、ろずがると申します。
カキコに来るのはかなり久しぶりなので、拙い所が多々あるかと思います。
もし何かありましたらご一報ください。
さて。今回復帰がてらに小説を書いていこうかと思います。
表現の練習も兼ねていますので、少々見づらくなること、ご了承ください。
また、こちらの小説はR18です。以下の表現等が苦手な方はバックをお願いします。
・基本NLです。主人公が女性、相手が男性・時折女性があります。
・人外が相手になることが多いです(人外×主人公が多いです)。
・ファンタジーな世界なので魔物もあります
・表現に「//」といった記号、「挿入時等の擬音」が入ることがあります。
・グロ、スカト◯などはありません。基本傷めつける事はしません。ソフトSMはあるかもしれません。
(感想・リクエストもお待ちしています)
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- Re: 私、しがない旅人ですけれど!?【R18注意】 ( No.1 )
- 日時: 2018/07/26 17:01
- 名前: ろずがる
―私、しがない旅人です―
からころ。からころ。
軽い鈴の音を鳴らし少し大きめなカバンを背負って、私―ライエット・シェリビー―はのどかな風景の中を悠々と歩く。
ふわりと柔らかな風が頬を撫で、まるで私を祝福してくれているかのよう。私はそれに嬉しくなって鼻歌を歌いながら目的地へと足を向ける。
ここは魔法の使える世界。この世に存在する生命に魔力は宿るが、それを活用するのは個々として違う。ある人は魔物と戦う為、ある人は知識を保存する為。ある人は生活維持の為、ある人は街の公共機関の為。
様々な活用方法がある魔法は、どの場所に行っても必要不可欠なものだ。これが無くなってしまうと行動不能になり、起き上がる事や抵抗する事すらできなくなる、という大きな欠点がある。
そうならないように、人々は自己管理をして魔力を維持している。
そんな世界の、ちょっと、いやかなり有名な街『オリヴェイチェ街』を目指して私は旅を始めたのだ。
だがここからだとかなり遠い場所に位置している。だから途中にあるいくつもの街を経由して最終目的地へと向かう事にした。
* * * * * * * * * *
旅を始めて半日。ようやくたどり着いたのは少し小さめの街『カークコイド街』のようだ。ふぅ、と一息ついてからカバンにしまっていた魔法の地図を取り出して詳細を閲覧する。
この街の特産品は赤い色が特徴の甘い果実や大きめの野菜。宿泊施設も完備しており料理もそこそこ美味しいらしい。
歩いてきた疲れもあってこの文字列を見ただけでもお腹がすいてしまう。
「はぁ〜、どれも美味しそう……はっ、とにかく今晩泊まる宿を探さなくては」
じゅるり、と出てきてしまった涎を拭い地図を見ながら宿のある方へと向かう。
――否、向かおうとした。
「えーっと、こっち……でいいのかな?」
「君、危ない!!」
「え?」
切羽詰まった声を聞いて顔を上げると、すぐ目の前には水色の何かが迫って来ていた。
いや、声がしたのは確か人間だったはず。でも目の前は人間でなく、水色の何か。よく見れば綺麗で液体のようなものだなーと……。
と、呑気に考えていればその水色はべっちょりと私にのしかかってきた。
「きゃあっ!?な、なにこれぇ!?」
「あぁ、スライムに捕まってしまったか……嬢さん、魔法で攻撃して逃げ出すんだ!」
「え、いや、私っ……」
成す術もなくスライムという魔物に捕まってしまった私は、魔法で攻撃しろと言われ戸惑ってしまう。私はてんで戦えず、旅人として各地を回っているだけなのだ。一切戦う事などできない。だから私はもぞもぞ動いて必死に抵抗し、この大量のスライムから逃げ出そうとしていた。
しかし相手は液状。動く度にぬるぬる、じゅるじゅると服の合間にも滑りこんでしまう。それに序盤で出てくる魔物といってもしっかり攻撃はしてくるわけでして。
「ちょ、痛っ、待ってよぉっ……」
じわじわと私のライフは減っていくばかり。回復なんか到底できず、ただ耐えるだけでもう半分まで持っていかれてしまった。
というか。何故最初に声をかけた人は助けてくれないの!?
と息を荒くしてそちらを見れば、そこには誰もいなかった。街の入口で警備している人もいるはずなのに、こうやって大声を出して抵抗しているのに誰も来ない。
なんで?と色々頭がいっぱいになり限界を迎えそうだという時にやっと人の気配を感じた。私は藁にも縋る思いで助けを請うた。
「あぅ、あのっ……た、すけっ…」
「あぁ、いいぜ?助けてやるよ」
「ほ、んとですか……!」
「勿論」
あぁ、ありがとう神様。ただの旅人がかなわないと分かって手を差し伸べてくれたのですね。
そんな風に了解を得た所でホッと安心したのも束の間。私は次の言葉で神はいないのではと手のひらを返す事となる。
「ただし。お礼はお前を喰わせてくれたらな」
- Re: 私、しがない旅人ですけれど!?【R18注意】 ( No.2 )
- 日時: 2018/07/26 17:03
- 名前: ろずがる
「そ、そんな……!?あなた、人間でしょ?」
自分の耳を疑った。今この人はなんていった?喰わせてくれ?いやいやいや。
まずここはごく普通の街だ。魔法で戦える人もいるはずだ。専門的な人もいるはずだ。こういう風に襲われているのを見たら戦って助けてくれるのが普通でしょ?
だというのに、見返りを求めて更には食べたい?どう考えても普通の人間じゃない!
そう思い、一応、念のため。相手に人間だろう?と問いかけてみた。
「あ?何言ってんだお前」
「え……?」
「俺のどこがニンゲンに見える?」
「……は…」
淡い期待は泡に消え、残ったのは絶望しかなかった。
濁声を響かせた目の前の人物は、黒く鈍く光る鱗にスラッとした顔つき。ただ人間の顔ではなく、爬虫類のような骨格だった。鋭く鞭打つしなやかな尾を持つそれは、明らかに人のナリはしていなかった。
所謂、これは。
「……ど、らごん………っ?」
私が息も絶え絶えに呟くと、ご名答と言わんばかりにケラケラ笑う。そしてくいっと顎を持ち上げられ、目を見つめられる。
「セイカイだ、ニンゲン。さぁ、助けてほしいのか?それともこんな雑魚にやられてオシマイか?」
「っ……わ、たしは…」
相手の綺麗な緋色の目に引き込まれるかのような錯覚に陥り、頭にノイズがかかる。とにかく生きたい。こんな、旅の最初で力尽きるのだけは勘弁だ。
だから私は、喰われるという意味が分からないまま了承した。
「い…いきたい……た、助けて、ください…!」
* * * * * * * * * *
- Re: 私、しがない旅人ですけれど!?【R18注意】 ( No.3 )
- 日時: 2018/08/28 16:35
- 名前: ろずがる
ある程度スライムを倒してくれたものの、その人(?)が私を開放してくれる事はなかった。スライム一体だけが私の身体にまとわりついたままだ。
そしてこの場所だとちょっと、と言って路地裏へと運ばれてしまった。
どうしてなのか、と理由を聞こうにも体力がない今はされるがままで何もできない。ドラゴンは私の後ろに来て私を寄り掛からせている。
「あ、の……?」
「何だ、ニンゲン。今からイイ所なんだ、しゃべるな」
「へ……?あ、っ!?」
ドラゴンの言っている意味が分からずに素っ頓狂な声を洩らすと、ずるずる、とまとわりついていたスライムが動き出した。
服の間に滑り込んでいたスライムは下へ下へと移動する。完全な液体でもなくカチカチに固くもないその感触は、ぞわりと鳥肌が立つ程の違和感を覚える。それだというのに嫌ではない感触で……。
気づいた時には股間周りに全て集まり、秘部へと入り込もうとしている。いやらしく水の音が響きカァッと顔が赤くなってしまう。
「嘘、なんっ……っ何これぇ…っ」
「ったく……いちいち反応するな、ニンゲン」
「っんー!?」
変な感触に身もだえていたところでドラゴンに口を塞がれてしまった。一瞬本当に食べられてしまうのか、と固まってしまったがべろりと長い舌が口の中に割り込んできた。
人とは違う舌の形状に押し返そうとするがぬるぬると逆に絡めとられてしまい、またぞわりと鳥肌が立った。上顎の弱い所を執拗に舐められると腰辺りが変な感じになる。
戸惑っている時についにスライムが秘部へとずにゅり、ずにゅりとどんどん入っていく。微妙に冷たく、中の熱を奪っていきつつ微弱な刺激を与えてくる。キスも、ましてやソコも誰にも触れられたことがなかったのに、魔物に奪われてしまうなんて。
出来るなら好きな人に奪われたかったのに。
少し、いや、かなり悲しくなってじわりと目尻に涙を浮かべる。そもそも体力もほどんどない中、刺激なんて与えられたらもう尽きてしまいそうで。
抵抗する力もなくなり、されるがままに受け入れていく。びくびくと身もだえた後スライムが中に全て入った。
それを確認したドラゴンはやっと舌を離し、徐にそこを触って広げる。
「んー……よし、入ったな」
「ぁ、っう……」
「ほらニンゲン、しっかりしろ。本番はこれからだぞ」
「は、ぇ……?」
もう頭も回っていない私に話しかけたドラゴンは私の太ももを掴んで持ち上げ、先程スライムが入った場所に何か固いモノを宛がった。
ただ固いだけでなく、先端から濡れている感触と熱が伝わってくる。凸凹がはっきりしていて、人間にもあるあの男根。それが今、私の秘部に。
さすがに飛びかけている意識の中で事態の重大さが分かった。キスだけでなく、処女まで奪われようとしている!
慌てて最後の力を振り絞り暴れようとするが、体力の差が激しく相手はびくともしない。むしろ抵抗している事にすら気づいていないようだった。
そして、ドラゴンはゆっくりと猛々しい男根を、私の中へ――
――ず、っずぷぷ…ずちゅ……っ
「っひ、あ、っぁああ、っ……!!」
どんどん埋まっていく熱く大きい男根。厭らしい音を響かせながら凸凹を押し付けてすっぷりと埋まっていく。直に伝わる熱は蕩けてしまいそうな程で、でも何故かそれが気持ちよく感じてしまう。
それに、何かおかしい。初めては痛いとよく聞くのに、どうしてか痛いと思わない。ぞわぞわという得も言われぬ感覚だけが押し寄せてくるだけだ。
私の異変に気付いたドラゴンは、耳元でグルルと唸りながら笑って言う。
「おー、堪らねぇ……?何だ、ハジメテだったのか?」
「ふぇ、ぁっ……や、あっう……」
「この狭さ、そうか……まぁ、そんなことより。じっくり味合わせてくれ、よっ!」
ふー、ふー、と息を荒げたドラゴンはそのまま私の身体を持ち上げ上下に動かし始めた。
――ずっずっじゅぷっ、じゅぽっじゅぷっ……ずぷぷぅっ…
「っあん!あ、やぁっあーっ……っ!!」
どくどくと脈動する男根が私の肉壁を擦る度、淫らな音が響く。熱が私の中を満たす度、ぞわりと鳥肌が立つ。
あぁ、どうして。いきなり見も知らずの人間じゃない魔物にこうして突かれてしまっているのに。
どうして、嫌だと思わないのだろうか。
ぐるぐると色々な考えが巡る中、ぐりっとある場所を擦られて電撃が走ったかのような感覚が脳に流れる。私はびくびくっと背を反らせ堪らずに嬌声を上げる。
――ずっずっ……ぐりゅっ
「っひ、あぁんっ!っ…!//」
「うっ……ココがいいのか?ニンゲン」
「ち、違っ…ぁ……っ//」
「違う?嘘つきだな、ニンゲン」
――ぐりゅっぐりっぐりゅっ
「ぁっあ、ンっあぁ、はぁあ…っ!!////あぁっ……!//」
同じところを何度も突かれるとチカチカと視界が白くなる。それこそ意識が飛んでしまいそうな程の強烈な刺激。
元々体力もほとんどない状態でのこの刺激に耐えられる訳もなく、私は素直に甘く艶やかな声を洩らす事しか出来なくなった。
ドラゴンはその様子を見てペロリと舌なめずりをし、自らの腰も動かしつつ片手で胸も揉み始める。
――ぐちゅっじゅぽっじゅぽっじゅっ……ぐりゅっぐちゅっずっ…
「は、どうだ?じっくり喰われるのは……気持ちいいだろ?」
「ぃああ、っあ、んんんっ……!//あぁっ…//」
「もう何も言えなくなったか?おら、どうなんだ?」
――ずぷぷぅっ…
「っあはぁああっ……!//や、らっ…ソコっ……ダメぇっ…//」
「く、ん……締まりイイな…っ」
後ろから胸を揉まれるのもゾクゾクが止まらず、ずっと口が開きっぱなしで嬌声を上げる。
気持ちいい、気持ちいい。
突かれるのも、揉まれるのも。大きくて苦しいけど、厭らしい音が響くのが恥ずかしいけど。
――とても、気持ちいい。
もう何も考えられない。ただこのドラゴンに突かれるのが気持ちよくて、考えるのもしたくない。体力もほぼ残っていないが、もうこのまま気持ちよさに溺れてしまってもいいかと思った。
中でスライムもびちびちと暴れている気がして、でもそれすらも更なる快感を生み出していた。奥を突かれる度にきゅぷきゅぷと奥の部屋の入口が吸い付いてしまう。
あぁ、もう、私は逃れられない。
――じゅぽっじゅぽっず、っじゅっずっ…
「おっう、っく……」
「あぁっあ、はぁっ…//あひ、ぁんっあ、んーっ……あぁあっ…//」
「く……そろそろ、出すか…っ」
ドラゴンがグルルルル、と低く呻った後に男根がグッと大きく膨らむ。脈動も更に早まり、熱が先端に集まってきているのが分かった。これが何を意味するのか……私は分かってしまった。
しかし私は抵抗の意志を出さない。ありままを受け入れるしかないからだ。
逃げられない、あぁ、逃げられない――
「イくぞっ……ニンゲン!!」
――ずんっっっ!!!
――びゅーーーーーーーーっ
「っあああぁあああああああああああああっ……!!////////」
最奥を突き上げられたと同時に、ドラゴンの濃い白濁液をたっぷりと注がれてしまった。
中でスライムも暴れまわり、熱い液と冷たい液が混ざりあい快感が更に増していく。未知の刺激にぴんと足の先まで伸ばして余韻に浸る。
ドラゴンはそんなのお構いなしにグッグッと押し付け、男根で中をかき回し始める。
――ぐりゅっぐり、ぐちっじゅぷぷっ……
「っあ、は、あっぁー……っ//あーっ…//」
「堪んねぇ……ニンゲン、もっと出させろ」
「ぁんっんーーっ//」
「……返事がない、ってことはいいってことだな」
「あはぁ、っあ、あぁんっ…//」
こうして私は、立ち寄った街ですぐに見知らぬドラゴンに犯されてしまったのであった――
- Re: 私、しがない旅人ですけれど!?【R18注意】 ( No.4 )
- 日時: 2018/08/28 16:37
- 名前: ろずがる
―私、旅人だったのに―
* * * * * * * * *
私が犯されてから数時間後。やっとのことでドラゴンが男根を抜き、私を開放してくれた時のこと。
「はぁ、はぁ……」
「あー旨かった……ニンゲンも悪くないな」
「はぁ……あの、ちょっと……いいですか…」
「あ?何だよ、ニンゲン」
こぽり、と中から白濁液が漏れ出るのが不快だったが、とにかく言いたい事が山ほどある為に気にしないようにして口を開ける。
体力もなくぜぇぜぇと息が荒いのをなるべく抑えて。
「何で、あなたは……普通に街にいるんですか…?魔物でしょう?」
「普通にいちゃ悪いのか?魔物でも街には普通に来るだろ」
「え?いや、でも……魔物が紛れ込んだら、警備の人が倒すはず……」
「あー、まぁニンゲンの街に行っちゃったらそうなるだろうなぁ」
「…………?」
応答の中での食い違いに眉を寄せる。どうも何か噛み合わない。
私が入ったのはちゃんと地図に書かれていたあの街で合っているはず。それに街にいた人も普通だったし、看板も建物も変な所はなくて……。
それなのにドラゴンが答えたのは「ニンゲンの街に行っちゃったら」と。さも今いる場所が「ニンゲンの街」ではないような口ぶり。
考える内にどんどんと混乱してきてうーんと唸っていると、今度はドラゴンは呆れたように問いかけてきた。
「そもそも装備もなしによく来れたな?」
「だって……私、ただの旅人だし……」
「旅人?……ナントカ勇者とか、魔法使いとかそういうやつじゃないのか?」
「え?えぇ……別に戦うために旅してるわけじゃないし……」
その私の答えにドラゴンは唖然とした様子で大きくため息を吐いた。私の方がため息を吐きたいのだけれど?
何やらブツブツと呟く声が聞こえた後にドラゴンは私に手をかざす。大きな手が視界を遮り、ほとんど何も見えなくなってしまう。
また何かをするつもりなのか?と少し警戒していると濁声が響き渡る。
「……なるほど。お前は迷い込んだわけだな」
「え?で、でもこの街は」
「静かにしろ、ニンゲン。今のお前の目はちゃんとこの街の姿を映していねぇんだ」
耳に残るその声で制止させられるとつい口を閉じてしまう。私に酷い事をした相手の言う事なんで聞く必要がないのに、何故か。
訳も分からず言いなりになって黙っていると、濁声が耳のすぐ近くで聞こえてくるのと同時に視界を閉ざしていた手がゆっくりと離れる。
「これが俺の言う“街”だ」
徐々に開ける視界。ぱちぱちと何度か瞬きをして目の前の情景を脳裏に焼き付ける。そこは最初に見た街――ではなかった。
建物は黒や紫等の黒系で統一され、少々歪な形をしている。何か不思議な煙も辺りに漂い、近場のものしか見えなくなるほど視界が狭まられてしまっている。周りには誰もおらず、ここに居るのは私と目の前のドラゴンだけだ。
こんなに異変がある、ということはもしや空も……?そう思い上を見上げると、全てが美しい橙に包まれているはずの空が、何の光も通さないと見間違うくらいの暗い空だった。
- Re: 私、しがない旅人ですけれど!?【R18注意】 ( No.5 )
- 日時: 2018/08/28 17:07
- 名前: ろずがる
* * * * * * * * * *
明らかに変貌を遂げてしまっている街並みに呆然とする私。ちゃんと地図にはあの街だと表示されていたのに、何故こんな事になってしまっているのか。ただ普通に観光を楽しみたかっただけなのに、どうして。
ぐるぐると眩暈がしそうになっている時にドラゴンはつらつらと語る。
「ちゃんと視えたようだな。まぁ無理もないだろう、本来ニンゲンでこっちに来れるのは俺らの敵である“勇者”とか、そういう風に名乗る者たちだけだからな」
「……」
「それだというのに、お前は“旅人”だという……適応していない者がこっちに来れたのは予想外だな」
「……」
「――つまり。お前は無意識の内にこっち側の街に来てしまったわけだ」
何かを見定めるかのように先程まで犯されていた私をジロジロと舐めるように見つけるドラゴン。つい反射的に自分の服をギュッと握り胸元などをしまいつつ、何とか言葉を理解していく。
現状を見る限り、ドラゴンの言っている事は正しい。否、信じざるを得ない状況だ。反論しようにもその術がない。違うという反証がない。夢でない限りは何も言い返せない。
黙ってしまった私にちろりと赤い舌を出してニヤニヤ笑うドラゴン。
「ふん、黙ってしまったか……まぁいい。これからお前は俺の餌となるんだ」
「……え?」
「光栄に思え?ニンゲン」
相手の言っている言葉の意味を理解する前に、僅かに震える私を軽々と持ち上げ肩に担ぐようにされた。
突然の出来事に何もできなかったが、流石に恥ずかしい恰好のまま街を歩かれるのは止めて欲しかった。
ハッとなってじたばたと力弱めに暴れるが到底かなう訳もなく、私はこの長身のドラゴンにどこかへと連れ去られてしまったのだった。
* * * * * * * * * * *
それから十数分。ドラゴンは私を担いだままのしのしと歩を進め、どこかの城のような内装の場所に着いたところで立ち止まる。
そして誰かと話した後に中に通され、どさりと椅子に座らされた。
「きゃっ……ど、何処よここ……」
「ここは俺の城だ。どうだ、中々いいだろう?」
「そんな事言われても……」
幾分か体力が戻って自分で体を動かすくらいは可能になった為、ぐるりと辺りを見渡す。
城というだけあって内装は荘厳で広く、大きい。今座っている椅子もふかふかですごく座り心地がよく、ただ自分が座るには少々広く感じる。
空も見えるが変わらずに淀んでいて、あまり良いとは言えないけれど。まぁまぁなのではないかと素直に思った。
まぁ、それをこいつなんかに言うつもりはない。
「別に、どこにでもある城……じゃない?」
「む。もっと他にいう事があるだろう」
「特にないよ……というか何ナチュラルに私を拉致してるのよ!元の街に返して!」
不機嫌そうに尾を揺らす相手に今度はこちらがむすっと怒る。
勝手にヤられて勝手に連れて来られて。常に主導権は相手に取られっぱなしでフラストレーションが溜まっていたのだ。
いよいよ我慢の限界がきてぷんすこ怒ったものの、相手はケラケラと腹を抱えて笑っていた。
更に眉間の皺を増やしながら相手をギッと睨むが、何ともないというように私の前に来る。
「くくく、本気で言っているのか?」
「も、勿論本気よ!旅の続きをしなくちゃならないんだから」
「はん。お前はもう元の街に戻る事は出来ない」
「な、なによ!あなたが勝手に決めることじゃないわ!帰る方法はいくらでも」
「そんなのはない。決してな」
と、不意に相手が咆哮を上げた。濁声を更に深くしたような、腹に響くその声はどこまでも届きそうなほど。
突然の大声に耳を塞いでいると、いつの間にか目の前には大勢のドラゴンたちが揃っていた。
大小様々な大きさのドラゴンたちは、この私を犯した相手を前に綺麗に並んでいた。ただ私を見ればどよめきが生まれる。
『何でニンゲンが?』『装備も何もないって』『うわぁ、うまそうじゃん』
数が多すぎて全部は聞き取れないものの、大体はこんな感じの事を言っているのが分かる。圧巻すぎて言葉を失っていれば、相手が元の濁声で話し始める。
「いいか、諸君!このニンゲンは偶然にも我らの街に来た憐れなニンゲンだ。力のないニンゲンはこのまま喰ってもいいが」
「っ……」
「――少々気が変わった」
「ぇ……?」
見せしめにここで本気で喰われてしまうのだろうか。ビクッと身を固くしていたが、思わぬ言葉に絶句する。
「このニンゲンを、今から俺の番とする――!」
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