官能小説(オリジナル18禁小説)

ヤンデレさん
日時: 2019/08/22 16:35
名前: ラッカsecond

#1

[羽水side]


真夏の蚊より鬱陶しく感じる電子音と、シェードの隙間からのぞく光を
感じていた。


はっとして布団を蹴り飛ばし上半身を起こし、しばらく硬直する。


だが、すぐにその焦りは安堵へと変わった。



「夏休みだったな、うん。」


もう夏休みに入っていたことを思い出し、目をこする。


「そうだよレイちゃん! 生活バランス崩しちゃダメだよ!」


「あっ、でも私が管理してあげるから大丈夫か!」


ベッドから声がした。


「そうだn...はっ!!!」


ボケが覚めたのと同時に、本能がトラウマと恐怖を呼び起こす。


「今年の夏は私なしじゃ生きていけないようにしてあげる!」


彼女...笠木(かさぎ)ミサがベッドから体を起こす。


その体にはいかがわしい部分を隠す布が見当たらなかった。


すぐさまベッドから離れ、そのまま叫んだ。


「僕のベッドに近づかないでよ! てかどうやって入ったの!?」


その若干悲鳴じみた問いに、彼女は危なげな笑みを浮かべて答えた。


「そんなの決まってる。」




「アイのチカラだよ。」



20XX年、夏。



そこそこ勉強しつつ楽しい学園生活を送れる普通の高校、蜂坂高校。


そこに入学し、なんとなく過ごす毎日を夢見ていた。


自分は、安定した生活をするのが夢の男子高校生、



「羽水(はねみ)レイ」。



得意なことは音楽の作曲とPCいじりだ。


夏休みになり、久々に音楽を作って投稿しようと考えていた。


両親は事故で亡くなり、今は年の離れた従姉妹が経営するマンションに
住んでいる。


空き部屋がいくつかあるとのことで、住むのを快諾してくれた。


一応、一月に何日かバイトをしていて食費はバイトのお給金と親の残した貯金から出している。


そのバイト先で出会ったのがこのヤンデレさんこと笠木ミサ。


偶然高校も一緒だったのだけれど、一体なぜ彼女が僕に執着しているのかは謎だ。


まあ、彼女絡みでロクな目にはあってない。


最初の頃は定期的に下着が消えたりとか言うものだった。


そこからどんどんおかしくなっていった。


帰ってくるとかなり豪華な食事がテーブルに置いてあったり、
ポストに僕の髪の毛が入った小瓶が入ってたり...。


それからしばらくたったあと、彼女から猛烈な愛の告白(カミングアウト)を受けてからというもの、こうして勝手に家に入ってきたり等々かなりヤバいことを平気でやっている。


クラスの女子と話そうものなら、教室の窓から殺意を込めた覇気を感じることさえあるのだ。


そんな彼女がマジメな話を素っ裸で持ち込んできたものだから、二重の意味で驚いた。


そんな彼女にとりあえず服を着せ、なぜベッドの中に居たのかを尋ねた。


尋ねている間、彼女は僕のパーカーをクンカクンカハァハァしていた。


(...ホント怖いなこの人。)


心の中でつぶやく。


どうやら、話を聞くと夏休みの間忙しいから、面倒を見てくれと従姉妹に頼まれたらしい。


無論、僕の寝顔を盗撮しに来ていたときにたまたま言われたのだと言っていた。


「それでね、レイちゃんの部屋の管理もお願いって言われて、合鍵渡されたの。 なんかクスクス笑ってたよ。」


...絶対わざとだコレ。


心の中でため息をついた瞬間、いきなりベッドに突き飛ばされた。


「うわっ!?」


そしてすぐに僕の上に彼女がのしかかる。


またもや危なげな笑みを浮かべると、彼女は僕のシャツを脱がし始めた。


「ちょっ!? 何してるの!? やめてって!」


「だからね、私、覚悟を決めたの。 私の処女をレイちゃんにあげて、
その代わりに私がレイちゃんの全てをもらうの」


はあはあと彼女が荒い息を立てる。


「逃げようとしちゃダメだよ」


「すぐにレイちゃんを私のモノにしちゃうんだから」


彼女の瞳の中が暗くなっていく気がした。


そして僕は全てを悟った。


「あっ、これもうスイッチ入っちゃってますね()」


諦めという選択肢だけが僕の中に残っていた。


〜#2へつづくッ!〜

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