大人なりきり掲示板

【指名制】人殺し様 【募集中】
日時: 2019/02/01 05:55
名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: 3Em.n4Yo)

 貴方は、もし死ねない世界に生まれてきたとしたらどうしますか?
そして、もしその世界で人を殺すことのできる人間だったとしたらーー貴方は人を、殺せますか?

 * * *

 この世界では人間に死の権利はなかった。
事故や自殺、他殺でさえも人は傷つくだけで死ねはしなかった。
 ただ、この世界の人間は、人を殺すことができる可殺民と、その逆の不可殺民に分かれていた。
生きるのが辛くなり、死にたくなった時は、『絶命管理機関』という所に所属している可殺民に殺してもらう、という制度があった。
そうすることで可殺民は合法的に人を殺すことができた。


「本当に、良いんですね」
 二十代なかほどの女性は、赤い字で『絶命承諾書』と書かれた書類を手に言った。
彼女の目の前には八十路を越えた老婆がいる。
 壁も床も白い部屋には二人しかいない。
「はい。お願いします」
「……分かりました。では、目を瞑り無心になってください」
 女性の指示通り、老婆は静かに目を閉じた。女性は書類を机に置くと、黒光りする大きな鎌を手に取る。ソレは彼女が持つにはあまりにも大きく、あまりにも凶悪だった。
「来世では、神の御慈悲があらんことを」
 女性は黒光りする獲物をーー老婆に向けて振り下ろした。血飛沫が女性や部屋を赤く染めていく。床に広がる血の海に、老婆の首のない体が沈んだ。
「さようなら。善良なおばあさん……」
 最後に聞こえた、『ごめんなさい……ありがとう』という言葉を思い返し、女性は黙祷を捧げた。

 * * *

 女性は絶命作業を終え、デパートに向かっていた。人通りの多いこの道は迷子が多発しやすく、現に今も女性は迷子の女の子を見つけて慰めていた。
「っ、三幸!」
「ママっ!」
 母親らしき女性が女の子の名前を呼ぶと、女の子はそちらへ駆けていった。女性はそれを見て安心し微笑みをこぼす。
「ほら、お姉さんにお礼してきなさい」
「はーいっ」
 母親に言われて女の子は女性の元に戻ってきた。
「? どうしたの?」
「お母さんがお礼だってっ。ありがとうっ、お姉ちゃん。それと……」
 女の子は、まだ何か言おうと女性に近づいた。その瞬間、女性の腹部に激痛が走る。彼女が不思議そうにして下を向くと女の子の手には、ナイフが握られていた。
「この、ひとごろし……おばあちゃんを返せ!」
「っ……」
 女性は腹部を押さえてその場に倒れ込む。幸い、死にはしないが女性は激痛に襲われ顔をしかめる。
 霞む視界に見えたのは、大喜びで戻っていく女の子と、何もとがめず口元に笑みを浮かべた母親だった。

 これは死ねない世界のお話。
とてもつまらない、人間の憎しみと苦痛の物語。

 * * *

 巡回の仕事が入っていた女性は、支度を済ませるとすぐに部屋を出て集合場所に向かった。予定より少し早く来てしまい、しばらく時間を潰す。数分経って相棒の男が彼女のもとに来た。
「待たせたな」
「大丈夫だよ。じゃあ行こうか」
「ああ……」
 二人は基地からでると、いつものように街を巡回していく。休日ということもあってか、外は多くの人が行き交っていた。
「あのっ! よかったらこれ、どうぞっ」
「ん? おう」
 男はチラシ配りの少女からチラシを受け取り、歩きながら少しそれに目を通す。
 女性もチラシに興味はあったが、彼の分まで仕事をするべく辺りを見回す。結構にぎわっており、子供が元気に、はしゃぎ回っている。
「さすがに休日ともなればこの辺の人通りは多いねー」
「そうだな……」
「? どしたの?」
 生返事が返ってきて女性は不思議そうに男へ目を移す。彼は問われて口で説明するより早いと思ったのか、彼女に持っていたチラシを見せた。
「『死神教』、ねえ……」
 女性はチラシの上部に太字で大々的に書かれた言葉を口にする。『死神教』とは最近になって活発化している団体である。
 不可殺民は大半が可殺民を、人を殺せる存在として畏怖(いふ)している。しかしその逆で、可殺民を尊敬している者もいた。彼らは次第に、可殺民を「人を殺すことができる神のような存在」として認識し始めた。そのような人々が集まってできたのが『死神教』だった。
「最近目立ってきたな……」
「大人しくしててくれるとありがたいんだけどね」
「まあ、しばらくは様子見だな……そういえば、『死神』なんてものも存在するらしいぞ」
 男は思い出して女性に言った。死神、とはファンタジーの物語でよく耳にする言葉だろう。
「なにそれ? フィクション上のものじゃ」
「いや……それが、どうにもいるらしい」
「死神、ねえ……まあ、敵なら倒す。それだけだよ」
 神妙な面持ちの男を見て女性はふざけているわけではないと悟る。そして考えるそぶりを見せつつ、なかばこの話題を払い除けるようにして言葉を出した。
 
「さて、敵か味方か……どちらだろうね」
 それを物陰から聞いているものがいた。人間にしては、ずいぶんと異様な雰囲気を持つそれは、口許に笑みを浮かべていた。

 波乱は常に、すぐそばに。

 * * *

 前回のスレのリニューアルなのですが完全に別物なので
〈 説明をしっかり読んでくださいね! 〉

 前回よりかなりファンタジー感が強くなりました。また恋愛にあまり向いてないかもしれないですがちゃんと恋愛に向かせます←
 キャラにも恋愛に向いてないのがいますが、設定重視、ストーリー重視の方はキャラたちを指名しても構いません。
参加者の人数を制限するかもしれませんが悪しからず。

 それでは、ごゆっくりお楽しみくださいっ。


>>1 説明 *注意事項
>>2 【 死神 】  
>>3 【『絶命管理機関』】・京都支部   
>>4 【『絶命管理機関』】・東京本部
>>5 【 一般人 】
>>6 【八太良目組】 【野良可殺民】
>>7 *参加書


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Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.10 )
日時: 2019/02/01 19:22
名前: 茜空 (ID: nLPrrFyW)

>>9

こちらこそいつも素敵なスレをありがとうございます!!
了解ですっ、追記しましたので確認のほどよろしくお願い致します〜!

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.11 )
日時: 2019/02/01 22:13
名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: y36L2xkt)

茜空様
 確認しましたっ! ありがとうございますっ。
よろしくですっ。早速始めますか?

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.12 )
日時: 2019/02/01 22:18
名前: 茜空 (ID: nLPrrFyW)

>>11

確認ありがとうございますっ
はいっ、始めていただけると嬉しいです!

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.13 )
日時: 2019/02/03 15:19
名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: T0oUPdRb)

茜空様
了解です! では始めますねっ。

「今日は平和だな」
 少年は藍色の目を辺りで走り回る子供たちに向けつつ呟いた。十八歳ほど、首には何も着けていず制服に身を包み片手に鞄を持っている。黒い髪が風に揺られて彼の視界の端で舞っていた。
 平日の放課後、特に何の騒ぎもなく穏やかな時間がゆっくりと過ぎていっていた。障害事件や暴力沙汰の起こりやすいこの世界では少し珍しく取れるかもしれない。

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.14 )
日時: 2019/02/03 16:06
名前: 茜空 (ID: VpfXouOp)

>>13

「そうだね、退屈なぐらい平和そう」
ゆらりとマフラーの端を揺らしながら、少女と言うには些か大人びた女が答える。マフラーの下には無機質な銀色のチョーカー。それを隠すようにマフラーを口元まであげれば、視線を少し動かしてから周りを見回す。
平和なのはいい事だと、そう思える感性は遠の昔に無くしてしまった。嵐の前の静けさみたい、そんな物騒なことを涼しい顔の下で考えつつ、けれどこの平穏が本来の形だったのかもしれないと頭の片隅で考えていて。

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.15 )
日時: 2019/02/03 17:10
名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: T0oUPdRb)

茜空様
「なんだ、騒がしい方が好きなのか?」
 少年、藍海京間は隣で歩く少女の言葉を耳にして少しおどけたように言う。少女、といってもその雰囲気は年相応のものではないが。
 

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.16 )
日時: 2019/02/03 20:53
名前: 茜空 (ID: tOQn8xnp)

>>15

「そういうわけじゃないよ。ただ、ここまで平穏だと気持ち悪いだけ」
ちらりと視線を向け、直ぐに逸らしつつも神無東はそう答える。言葉に嘘や偽りはない。息苦しかったのかマフラーを少し下げ、ほんの少しだけ口角を上げるもそれは直ぐにぎゅっと結ばれる。

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.17 )
日時: 2019/02/04 00:43
名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: T0oUPdRb)

茜空様
「そうだな。普段、喧騒のなかで生きてると居心地悪くなってるのかもな……なあ、どっか寄ってくか?」
 京間は気味悪い、と聞いて共感しつつ辺りで笑顔を振り撒く子供たちを眺める。歩きながら、このまま家に帰るのもいいが、と付け足しつつ問う。

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.18 )
日時: 2019/04/22 11:57
名前: 茜空 (ID: WUYVvI61)

>>17

東「……美味しい珈琲がある所なら、考えてあげる」
普段ならば断るのだろうけれど、ここまで平和だと仕事もなさそうだと考えればそう言ってもう一度相手へと視線を向けて。

Re: 【指名制】人殺し様 【募集中】 ( No.19 )
日時: 2019/05/03 23:40
名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: XnbZDj7O)

茜空様
「凄くうまいところなら知ってるぞ。行くか」
 京間はクスッと笑って言い、そこに向かい始める。

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