大人オリジナル小説

花言葉の約束 完結しました、有難うございました。
日時: 2010/12/04 14:07
名前: 空花

sorakaに名前変更しました。大して変わっていません。

小説の実力はあまりないですが、宜しくお願い致します。

以前この話は「キャスフィ」というサイトでも書いていました。
文章とか題名とか違いますが、でももうそっちの方は挫折してしまったのでこちらのサイトでは完結させます。

前、ここでも同じような内容(っていうか同じですが)の小説を書いていました。それはその修正版です。
前は「心に刻まれたこの傷を  ―虐待―」っていうタイトルでした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2010年 夏の小説大会大賞、有難うございます!

※この小説は完結しました。今まで応援してくれた方々、本当に有難うございました。

次回作でまたお会いしましょう。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263



Re: 花言葉の約束 ( No.259 )
日時: 2010/11/21 18:58
名前: soraka ◆h/HZltt1j.

        七海目線

「そんな簡単に許していいの? お母さんの事なんか心配しなくていいの」

お母さんは目の前に起こった出来事を信じれていないようだった。

私も、信じれなかった。

「確かにお母さんは一生許されなくてもいいくらいの事をした。私はお母さんが謝ったからそれだけで許したわけじゃないの。お母さんが本気で謝ってるの、分かってたから……」

「七海、信じてくれてありがとう」

そう言ってお母さんは私に笑顔を見せた。

けれどその目には涙が浮かんでいた。

それがお母さんの頬を伝い、アスファルトへと落ちていく。

何年も見ていなかったお母さんの笑顔。

懐かしすぎて私も泣きそうになったけれど、じっと堪えた。

「お母さん……ありがとう」

そして、涙の代わりにお母さんにそう言った。

お母さんは笑顔のまま、涙を流し続けている。

その時琴音が私とお母さんに近づき、こう言った。

「何も言わずにこれだけ言って帰るなんて、と思われるかもしれませんが……2人が、元の幸せな親子関係に戻れることを祈ってます。それでは」

不自然なほど大人びた口調の琴音は、別人のように見えた。

「また、あの公園で会おうね」

琴音は私にそっと囁き、走って帰っていった。

本当に"何も言わずにこれだけ言って帰るなんて"だよ。

でも、きっと私達の事を思ってなるべく空気を壊さないように黙っていたんだろう。

『あの子、誰?』

いつもならお母さんはそう私に聞いていただろう。

けれどお母さんはその事については言わずに、涙をポケットから出したハンカチで拭きながらお母さんはこれだけ言った。

「七海、そろそろ帰ろうか」

「うん、お母さん」

私がそう返事をすると、お母さんは黙ってハンカチをしまった。

その時にはもう、お母さんの涙は止まっていた。

「じゃあ、行こうか」

それだけ言ってお母さんは私と手を繋いで歩き出した。

笑顔のままのお母さんと、手を繋いで歩いていく。

私がずっと望んでいた光景だった。

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263