大人オリジナル小説

花言葉の約束 完結しました、有難うございました。
日時: 2010/12/04 14:07
名前: 空花

sorakaに名前変更しました。大して変わっていません。

小説の実力はあまりないですが、宜しくお願い致します。

以前この話は「キャスフィ」というサイトでも書いていました。
文章とか題名とか違いますが、でももうそっちの方は挫折してしまったのでこちらのサイトでは完結させます。

前、ここでも同じような内容(っていうか同じですが)の小説を書いていました。それはその修正版です。
前は「心に刻まれたこの傷を  ―虐待―」っていうタイトルでした。

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2010年 夏の小説大会大賞、有難うございます!

※この小説は完結しました。今まで応援してくれた方々、本当に有難うございました。

次回作でまたお会いしましょう。

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Re: 花言葉の約束 ( No.226 )
日時: 2010/11/03 10:56
名前: 空花 ◆h/HZltt1j.

七海目線

――琴音は、知らないんだ。

傷ついて一日中泣いたりとか、自分の為に人を傷つけたりとか。

誰かを本気で殺.してやりたいと思った事もないだろう。

琴音は、今考えてみれば出会った時から綺麗な言葉を重ねていた。

その時は落ち着いてなかったから分からなかったけれど。

「琴音は分からないでしょ? すごく傷ついたりとかしたことないでしょ? なのに、何にも知らないくせに、信じなよとか言わないでよ!!」

分かったような言葉並べて、『あの子は可哀想ね』とか言う人が一番嫌いだ。

琴音は、友達だけど。

だけど――もう――誰も、信じられない。

「……僕だって、傷ついたことあるよ」

「嘘つき!! じゃあその時のこと話してよ!」

私は何もかも無くしていた。

唯一の光は、琴音だけで。

だけど――私は自らその光を閉ざした。

見たくない、そんな光。

「七海は、桜に似てるから」

……何?

「桜は、私のせいで死.んじゃった」

独り言のように琴音は喋り続ける。

「私が助けてあげてれば、気付いてあげれば、桜は死.ななかったのかもしれないのに」

「……どういう事?」

「僕が今までの中で一番傷ついた事」

どうせ……嘘なんじゃない?

そんな気持ちがまだあるけれど。

少しだけなら、耳を傾けてもいいかもしれない。

「桜は、私の親友だった。いつも明るくて優しくて人気者だったけど、中学の時、桜は……」

琴音はベンチの傍の木を見上げながら続けた。

「自.殺した」

「……辛かったくせに何も話さないから気付けなかったんだ、僕は」

琴音の目はもう私を見ていなかった。

そこに居ないはずの人を見つめているかのように。

「ねえ――七海だって辛かったのにここまで自分の気持ち押し殺して、耐えて生きてきたんでしょ?」

琴音の目が再び私を見ている。

答えは……もう分かる。

「そうだよ」

そうとしか、答えようが無かった。

琴音は分かっていたから。

「……お母さんを捜しに、行こう」

琴音は私の返事に答えずに、ただそれだけ言ってベンチから立ち上がった。

「信じても無駄」

私はそう言って、立ち上がらなかった。

立ち上がる気がしない。

「いいから捜しに行こう。何か、変わるかもしれない」

冷たい琴音の表情と言葉。

さすがに私は首を振ることも出来ずに、頷いてベンチから立ち上がった。

琴音は先をスタスタと歩き、振り向きもしない。

そこにはもう、優しい琴音の姿はなかった。

ただ、悲しげな風が吹いているだけで。

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