大人オリジナル小説
- ▼ターゲット、確認。ロックオン
- 日時: 2011/05/22 19:09
- 名前: 雷奈
こんにちは!雷奈です。
今回は、実際に私が経験した”虐め”を書こうと思います。
”虐め”とはどれだけ辛いか………。この小説を通して伝えたいと思います。
キャラ紹介
町葉 雷奈 raina matiba 女 10歳
引っ込み思案で、口下手。
勉強はまぁまぁ出来るが、運動はまるで駄目。
長い黒髪。
大崎 未央 mio osaki 女 10歳
強がりで、皆のリーダー格。
そんな性格からか取り巻きが多く、逆らう者はいない。
勉強は良く出来、運動神経も中々。先生からも高い評価を受けている。
少し長い黒髪をツインテールにしている。
真希 遥華 haruka maki 女 10歳
山本 詩音 sion yamamoto 女 10歳
田中 愛理 eri tanaka 女 10歳
野寺 癒樹 yuki nodera 女 11歳
長谷川 勇樹 yuki hasegawa 男 10歳
八城 蹴人 syuto yagi 男 11歳
プロローグ
それは、私が小学5年の始業式の日だった。
「あっ………やったぁ!遥華と詩音と、愛理まで一緒だぁ!」
「やったね!雷!」
「でも……癒樹ちゃん離れちゃった………」
「アタシ、なんか寂しいな………」
「気にしないでっ!癒樹、0でも頑張るから!」
「………あ!嘘……アイツも一緒なの!?」
「え、どうしたの?愛理」
「………そっか、雷奈一緒になった事無かったね。」
「?」
「いい?雷奈。これから一年間、
地獄だよ」
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- Re: ▼ターゲット、確認。ロックオン ( No.3 )
- 日時: 2011/05/25 17:18
- 名前: 雷奈
第1話 地獄は、静かに始まる
「ねぇ〜、遥華。愛理って、一体何言ってたの?」
今、この教室5−2には愛理はいない(詩音は付き添い)。
「落し物しちゃった」とかで、先生達に聞きまわってる。
私が聞いているのは、先程愛理が言った「地獄」の意味について。
「ソレ、もう言わない方がいいよ………少なくとも、アイツの前では」
スッと遥華が指差したのは、この学年のリーダー格、大崎さん。
私が5年になるまで一緒のクラスになった事はなく、話す事も無かった。
でも、自分から皆の嫌がる役目を引き受けたりしてくれるし、勉強はおろか、運動なんて女子トップ。
そんな子が、悪い子なんて思えないけど。
「とにかく、アイツに関わっちゃダメ。絶対。関わろうとするなら、アタシ達絶交だから」
突然の言葉に私は少々驚いてしまった。
大崎さんの方をちらりと見やる。
5人程の女の子達が彼女の周りで笑い、一緒に彼女も微笑を浮かべる。
私は知らなかった。
この人達の笑顔の意味を。
彼女達が、地獄への案内人って事を。
いつも楽しそうに笑っている大崎さんが、
”虐め”の確信犯であるという事を………――――――――――――――――――――
<ガララッ!>
「遥ー!雷ー!たっだいまぁ!愛理の落し物見つかったよ〜!」
「うん、土間先生がね、預かっててくれてたみたいなの!」
数分して、二人が戻ってきた。
「あ、詩音、愛理………」
おかえり。
そう言う前に誰かが私の言葉を渡った。
「あら、これで全員揃ったのね。じゃあいいわ。立っている皆さん、座って頂戴」
教室中、さっきまで明るい会話を交わしていた生徒はいなくなり、静まりかえる。
「ふふ、これでいいわ。皆さんに協力してほしい事があるの………賛成、してくれるわね?」
大崎さんは一瞬ニヤッと笑い、教壇の上に立った。
私は、何か新しい先生を迎えるサプライズでもするのかとその時は思っていた。
私以外の、皆が震え、青ざめているのにも気づかず。
大崎さんは、すぅっと息を吸い込み、言った。
「あたしがこのクラスになったからには、毎年恒例”月虐め”………やるわよ!」
期待という物が、全て消えていった。
何で?何で?月虐め?虐め?何で?何で?大崎さんが?
思考が狂い始めた頃に、一人の女子生徒がおずおずと手をあげた。
「あのぅ………」
「何?」
「月虐め………って、何ですか?」
震えた声で、一生懸命大崎さんに質問しているのは、松坂澪(まつざか みお)。
私と4年間クラスが一緒で、同じく大崎さんとあまり接触の無かった女の子。
おどおどした質問に大崎さんは堂々と答える。
「あぁ、貴方は知らなかったのね。いいわ、教えてあげる……一ヶ月ごとにターゲットを変えて、虐めを楽しむ”ゲーム”よ」
この答えに、私はまた愕然とした。
虐めが、”ゲーム”だなんて………!
マンガで、見た事はある。虐めマンガ。
あぁ、でも。こんな身近に起こっていたなんて。
「何か、異論でもある?」
「い、い………え………」
松坂さんは半泣き状態になり、椅子に座った。
「という訳よ。さぁ、4月にターゲット………誰にしようかしら………」
薄笑いを浮かべる大崎さんは、魔女の様に見えた。
<ガタンッ!>
ビクッとして後ろに振り向く。
大きな音をたてて立ち上がったのは、転校生の飛田亜樹(ひだ あき)ちゃんだった。
先程の始業式で、自己紹介をしていた。確か………出身は新潟って言ってたかな?
ここは鳥取だから………凄く遠い。
「何?飛田さん。ターゲットになりたくなかったら座って頂d「座るもんか!」なッ………」
亜樹ちゃんを見ていると、明らかに怒っているような顔で立っていた。
「放っておけばアンタは言いたい放題だな!ここはお前の城じゃない!皆の居場所だ!大体皆も!何でこんな奴の言う事聞いて操り人形なんだよ!!カッコワルイって、思わないのかよ!」
<パァンッ!!!>
教室に響いた高音は、亜樹ちゃんに大崎さんが平手打ちをくらわせた音だった。
「は………?」
さすがの亜樹ちゃんも動揺しているようだ。
「…………い」
「え………」
「許せない!このあたしを侮辱するなんて………!許さない!決めたわ、4月のターゲットはアンタよ。精々後悔しなさい!!」
第1話 終わり
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