大人オリジナル小説
- ▼ターゲット、確認。ロックオン
- 日時: 2011/05/22 19:09
- 名前: 雷奈
こんにちは!雷奈です。
今回は、実際に私が経験した”虐め”を書こうと思います。
”虐め”とはどれだけ辛いか………。この小説を通して伝えたいと思います。
キャラ紹介
町葉 雷奈 raina matiba 女 10歳
引っ込み思案で、口下手。
勉強はまぁまぁ出来るが、運動はまるで駄目。
長い黒髪。
大崎 未央 mio osaki 女 10歳
強がりで、皆のリーダー格。
そんな性格からか取り巻きが多く、逆らう者はいない。
勉強は良く出来、運動神経も中々。先生からも高い評価を受けている。
少し長い黒髪をツインテールにしている。
真希 遥華 haruka maki 女 10歳
山本 詩音 sion yamamoto 女 10歳
田中 愛理 eri tanaka 女 10歳
野寺 癒樹 yuki nodera 女 11歳
長谷川 勇樹 yuki hasegawa 男 10歳
八城 蹴人 syuto yagi 男 11歳
プロローグ
それは、私が小学5年の始業式の日だった。
「あっ………やったぁ!遥華と詩音と、愛理まで一緒だぁ!」
「やったね!雷!」
「でも……癒樹ちゃん離れちゃった………」
「アタシ、なんか寂しいな………」
「気にしないでっ!癒樹、0でも頑張るから!」
「………あ!嘘……アイツも一緒なの!?」
「え、どうしたの?愛理」
「………そっか、雷奈一緒になった事無かったね。」
「?」
「いい?雷奈。これから一年間、
地獄だよ」
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- Re: ▼ターゲット、確認。ロックオン ( No.6 )
- 日時: 2011/05/27 21:31
- 名前: 雷奈
第2話 皆、笑う。私、震えて、笑う。
「きゃははははははははははははは!!!」
「未央に暴言吐いた罪は重罪よねー!!」
「良い気味!死んじゃえぇぇぇ!!」
きゃははははは...
今日も、教室中に響く笑い声。
冷たい、笑い声。
クラスの数人が取り囲んでいる輪の中には、飛田さんが一人。
水被って、泣き叫んで、笑われて、殴られて、蹴られて、泣き叫んで。
大崎さんが虐め宣言をした2週間後、この風景はすっかりお決まりの事になった。
先生がいない間、大崎さんとその取り巻きはいつも飛田さんを虐める。
だから、私達虐めに参加しない一同は他の子と喋って気を紛らわせたり、震えているしかなかった。
「やめてあげて」って言えばいいのにって……?
言える訳、無い。
虐め漫画でずっと見てきた。
虐め対象をかばって、逆に虐められるストーリー。
幾ら、イケナイと分かっていても、
見て見ぬフリをしなきゃ、コチラが、死ぬ………――――――――――――――――
「ねぇ、町葉さんっ!」
誰かの高い声が聞こえてきた。思わず、
「はいっ!?」
返事を(驚いて)した。声が少々裏返ったけど。
私は落ち着いて、言葉を返す。
「な、何でしょうか?」
「飛田に、トイレの水ぶっ掛けてあげなよ」
「………え………」
驚くべき一言。
遂行出来る訳ない。
私は「無理です」と言おうとしたが、
「あ、未央の先発なんだから断ったら、どうなるか?」
………泣きそうになってしまった。
私は………
「は、い………やり、ま………す」
「ふふ、その言葉待ってた。ほらほら、はめてはめて」
強引に透明手袋をはめさせられ、「トイレ用」と書かれた青いバケツを持たされた。
バケツの中には、トイレの水。あろうことか、ハエが数匹入っていた。
そして、飛田さんの前に立たせられる。
「ほらっ、皆!今から町葉が飛田に水ぶっ掛けるわよー!離れて離れてっ!」
ガクガク震える私と、長かった黒髪がバッサリと切られた飛田さん。
教室の真ん中で、歯をカチカチとならせていた。
「なーにー?町葉、早くやんなさいよねー!」
「あ………あぁ………」
鼓動が早まる。
私は、今になって、思う。
こ ん な 事 し な き ゃ よ か っ た の に 。
「イヤァァァァァッ!!!!」
<バシャアァァッッ!!>
「うわぁぁっ!!!」
「ハ………ハァッ………ハァァッ………」
水を、かけてしまった。
勿論、飛田さんはずぶ濡れ。
周りが、笑って、震えて。
私は涙を溜めた飛田さんを見ていると、何だか分からない快感に陥った。
皆と、やってる。
その事が気弱な私を押しこみ、罪悪感を消し去っていたんだ。
知らないうちに、私から言葉が零れる。
「あ、あはっ………あはははははは!!!」
私が笑いだした事で、遥華達が、青ざめる。
そんなの気にしない。
だって、自然と、零れた言葉だったんだから。
「なぁんだ、町葉もやれば出来るんじゃん。あははっ、傑作!」
大崎さんは、言う。
「ねぇ、次は思いっきりブッてやったら?面白いわよ〜」
それも、いいと思った。
いつも自由奔放で人使いの荒い姉に、悩んでたところだったから。
私は、手を振り上げ思いっきり空を切り、飛田さんの頬をブッた。
<パァン!!>
あぁ、面白い。
こんな楽しい遊びがあったなんて、思わなかった。
虐めが悪い事だって事は知ってるけど、実際に経験してみると、やめられない。
その日をキッカケに私は”ターゲット”を虐めるようになっていった。
第2話 終わり
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