大人オリジナル小説
- 放課後、
- 日時: 2011/07/21 20:56
- 名前: 蘆田 蛙
コメディ・ライトで書いてます、蘆田 蛙です(*´艸`)
ド下手ですが温かく見守ってて下さい<(_ _)>
『放課後、』
《目次》
《登場人物(一部)》
*尾崎七海:吹奏楽部2年、CL。
小学校の時いじめにあっていた。
*木ノ内美佳子:吹部2年、TP。
七海たちと仲良し。
*狭山りほ:吹部2年、SAX。
七海たちと仲良し。
*戸木彩子:吹部2年、PEAR。
七海たちと仲良し。
*山本衣央(いちか):吹部2年責任者。TP。時期部長候補。
*江上利香:吹部2年責任者。FL。時期部長候補。
《お客様》
理紗様
りんご飴*+様
カノン様
- Re: 放課後、 ( No.4 )
- 日時: 2011/07/21 18:45
- 名前: 蘆田 蛙
《1.去年の秋、》
『私がひとりになったのは、去年の十月からだった。』
あやふやな記憶をたどると、そこには一人で弁当を食べる私がいる。
窓際で、ポツンとまるで忘れ去られたかのように座っている。
桜の木にほとんど葉がついていなかったから、季節は秋だ。
ため息をつくと、先輩たちが話しかけに来る。
――なんだ、ひとりじゃないじゃない。
美佳子もりーも彩もいないけど、先輩がいたのね。
私は思い出しながら安堵した。
しかしすぐ間違いに気付く。
――話しかけてきたのは、美佳子だ。
「あんたがひとりなのは、――…だから。
これは虐めじゃないでしょう?」
私がひとりなのは。
私がひとり、
私がひとり、
私がひとり、
私は何をしたの?
私は何を言ったの?
私はどうしてひとりなの?
私がひとりなのは、
「美佳子もりーも彩も、楽器下手だよね。
必死で練習して、それ?」
ここまでは、三人とも我慢してくれた。
すごく優しい子達だったんだと思う。
きっと陰では何か言われてたと思うけど。
ある時。私は言った。
言わなければよかった。すぐに謝ればよかった。
冗談のつもりだった。
「本で読んだんだけど、下手ってうつるんだって。
だから下手な人と口きかない方がいいって。
…私、これから衣央と利香と一緒にいることにするわ。
私まで下手になったら困るもん。
ま、りーたちが頑張ってうまくなったらまた話してあげてもいいけど」
怒るのも、無視するのも当たり前だ。
でも私は謝ることを拒んだ。
心の中では、何度も呟いていたのに。
つたえたのは一度だけ。
それも無駄だった。
私はひとり。
私は上手だから一人。
衣央も利香も、みんな美佳子達の味方。
私は一人になったからもっと上手になれる。
でもコンクールメンバーから外された。
「尾崎、お前は降り番。
一年で降り番は尾崎だけで、あとはメンバー。
うちの学校は人数が少ないから、一年も頑張れよ」
私は一人、でも下手。
私はいいところがない。
自慢だった運動も、もう運動部の人には敵わなくなってしまった。
『そのあと、私が輪の中に戻れたのは三月だった。
安堵した私は、今度、美佳子を省いた。』