大人オリジナル小説
- 上×下×関×係
- 日時: 2011/07/19 10:04
- 名前: 琉已 ◆pYFVO0D7y.
―――…きっかけは、ほんの些細な事だった。
何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で
何で私がこんな思いしなきゃいけないの??
最低最低最低。
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- Re: 上×下×関×係 ( No.2 )
- 日時: 2011/07/19 10:49
- 名前: 琉已 ◆pYFVO0D7y.
「…何、アンタ。調子乗ってんの?」
…でも、いざとなったら怖くて、キツイ香水の匂いがする山本先輩の目を見ているだけで心が折れそうだった。
「調子乗ってません。」
………でも、こんな事になってんのにもう、引けなかった。謝りたくなんか無かった。
「そういう態度が調子乗ってるって言ってんの!!」
声を荒げる山本先輩に恐怖を察されてはいけない。意地かプライドか、何故かそんな事を考えて私は山本先輩に対して淡々と言葉を返した。
「…だから調子乗ってません。」
多分、相当ムカついたんだと思う、山本先輩はセミロングの髪の毛をクシャッと掻くとキツく私を睨んだ。
「2年如きが何言ってんだよ!!手前!身分弁えろ!!」
ギャンギャンと喚く山本先輩の横から数名の山本先輩の友達らしき人達までやって来た。
「何、アンタ。先輩に対してその態度は無いんじゃない??」
横から出てきた人達も私に言葉を浴びせる。
「…先輩らしい態度が出来るようになってからそういう事を言って下さい。」
人数が増えたら恐怖もそれに比例して倍増して言って身体の芯がスゥッと冷たくなっていくのを感じた。
「…はあぁ?!アンタマジで調子乗ってんで…!」
「香織は良いから!!」
…どうやら私に何か言ってきた人の中の1人は香織と言うらしい。山本先輩が香織先輩の声を遮った。
「アンタ2年だよね?自分の態度と言動ちゃんと考えろよ。」
「2年も3年も関係無いです。そんなだらしない格好してチャラチャラ後輩に絡んでくる人達に態度だの言動だの言われたくありません。」
怖いのに、何でか言葉が出てくる。…怖い恐い。
『今なら間に合うから謝れよ』
脳内でそんな声が響いた気がした。
『アンタプライド無いの?謝ったら本当に調子乗った2年で終わるだけだからね。絶対謝っちゃダメ』
またその後、声が響く。………どうすれば良いのかわからず、山本先輩の目を見つめているとまた山本先輩が私に罵倒を浴びせようとしているのか口を開きかけた。
「アンタさぁ………!」
「…あっれ?……凛??」
聞きなれた声に振り返ると見慣れた姿…一昨年卒業した兄の友達の綾香さんが自転車で私の横に止まった。
「…あ、綾香さん。」
……その時、緊張の糸が解れた。綾香さんは山本先輩達の中にいた1人と面識があったようだ。
「由香ちゃん。凛がなんかした??なんも無いならこのまま私、凛と帰りたいんだけど。良いかな??」
感じの良さそうな笑顔と声で言う綾香さんに山本先輩が「はぁ??」と声をあげた時、由香ちゃんと呼ばれていた前髪に金色メッシュを入れているのショートヘアの先輩が「舞佳!」叫んで山本先輩を止めた。…山本先輩の名前は舞佳らしい。
「じゃあね、由香ちゃん。」
綾香さんは自転車を降りるとニッコリと微笑んでそう言うと私に『行こう』と囁いた。
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