大人オリジナル小説

悪の華 咲き誇る
日時: 2011/10/20 18:40
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2

どうも初めまして、またはこんにちは。
九龍と申します。


今回は、人間の≪悪≫を愛する少年の物語を書こうと思っています。
シリアスよりの社会系です。
犯罪に関しては、色々なものに手が付けられます。



―御注意―

・作者が嫌いな人は、お帰りになった方がよろしいかと。
・チェーンメール、荒らし等は歓迎いたしません。
・主人公は、心は悪人。

―よろしいでしょうか?―





目次

プロローグ>>1
第一話>>2



お客様

隣夏様、琳音様、♪ぱんだ♪様

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Re: 悪の華 咲き誇る ( No.7 )
日時: 2011/10/19 18:20
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2

俊栄先輩は僕の肩に手を置き、小さな声で言った。


「俺、そろそろ行くわ。……じゃあ、帰るときにまた」

その声は、いつもの元気のいい声とは違って、弱く震えていた。
俊栄先輩は、足早に教室から出て行った。


虐められている女の子が、僕等にとってどうでもいいと思える人なら、先輩はこの教室に止まっていただろう。
だけど、あの子は先輩にとっても、僕にとっても、大切な友人だ。
俊栄先輩は、今この場にいてはいけないと思っているのだろう。
冷静を装っているけど、僕の肩に手を置いたときに、小さな歯ぎしりが聞こえた。
先輩が怒ってるときに、よくする癖だ。

今、この場にいたら、僕のクラスメートに手を挙げるかもしれない、と思ったのだろう。
僕の目の前で、僕のクラスメートを殴るわけにはいかない。
だから、我慢。
でも、彼女を虐める奴等は許せない。
今の先輩の心の内は、そう言った感情で満たされているはず。



クラスメートが、今度は僕を取り囲んだ。





僕はそれを無視して、すぅーっと人と人の間を通り抜ける。
僕の視線の先には、ただ床を見つめている彼女。



「どうしたの?」


僕が声をかけると、彼女はゆっくりと顔を上げた。




不安げにこちらを見つめる顔は、なんとも言えず美しい。

サラリとした、肩にかかる黒い髪。
こちらをじっと見つめる黒い目。
桜色の頬。白い肌に、薔薇色の唇。
華奢な体つきをしていて、儚げで、触れたら壊れてしまいそう。


まるで、鑑賞用の人形のようだ。




彼女の名前は、神園 純加。
その名前の通り、清らかな少女。


「……座らないの?」

僕がそう聞くと、純加は首を横に振る。
なんで? と聞こうとしたが、そのわけを聞く前に、純加が教えてくれた。
純加は、自分が使っている机を指差す。


……ああ、なるほどね。

机は有るけど、座るための物がない。
椅子が、ないじゃないか。




「……椅子、どこにあるか、しってる?」

純加が弱々しい声でたずねてくる。
僕は首を横に振った。
すると、純加は悲しそうに俯く。



「一緒に、探そうよ」

僕がそう言うと、純加は目を丸くした。
クラスメートも、目を丸くする。
僕はそんなクラスメートを目の端にとらえ、一瞬、少しだけ舌を出した。

「ほら、早く行こう」

僕は彼女の返事も聞かずに、純加の手首を掴む。
力はあまり込めずに、だけど、強引に引きずっていくみたいに。
僕は純加を、教室の外まで引っ張っていった。





さて、出てきたのはいいのだけれど。
肝心の椅子は、どこに行ってしまったのだろう?

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