大人オリジナル小説
- 悪の華 咲き誇る
- 日時: 2011/10/20 18:40
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2
どうも初めまして、またはこんにちは。
九龍と申します。
今回は、人間の≪悪≫を愛する少年の物語を書こうと思っています。
シリアスよりの社会系です。
犯罪に関しては、色々なものに手が付けられます。
―御注意―
・作者が嫌いな人は、お帰りになった方がよろしいかと。
・チェーンメール、荒らし等は歓迎いたしません。
・主人公は、心は悪人。
―よろしいでしょうか?―
目次
プロローグ>>1
第一話>>2
お客様
隣夏様、琳音様、♪ぱんだ♪様
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- Re: 悪の華 咲き誇る ( No.6 )
- 日時: 2011/10/18 21:15
- 名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2
悪の華。
人が道徳の時間に教えられた「いけない」こと。
社会から見て「いけない」こと。
それらをしたときに、得られた快楽を水として。
そして、それを行った人の心を土として。
それに肯定し、快楽を増幅させる人を、光として。
罪悪感はそれを蝕む害虫として。
それらを受け、咲くものが、美しい「悪の華」なら。
僕のクラスは「悪の華」の花園。
教室に入ると、まず耳に入った物は、女子生徒の甲高い悲鳴。
あぁ、またか。
僕はその声を聞き、小さくため息をつく。
「リーラ、またー?」
「ええ、またの様ですね」
僕はそう言い、苦笑する。
俊栄先輩は、明らかに嫌悪感をあらわにし、眉をひそめていた。
僕と先輩の視線の先には、たった一人の女の子。
そして、それを取り囲むクラスメート達。
そのうちの一人が、僕等が入ってきたのに気がついたらしく、こちらを向いて元気のいい声で、声をかけてくる。
「あ、璃來斗に俊栄先輩じゃん。おはようございます!」
女の子を囲んでいた時のころと、ずいぶんと雰囲気が違うじゃないか。
僕と先輩はお互いの顔を見て、また、ため息をついた。
先ほど、僕等に声をかけた生徒の声を聞くと、クラスメートは女の子から、僕らへと視線を移した。
女の子は安堵のため息を漏らし、ただ、床を見つめていた。
「あれ? 俊栄先輩、また璃來斗くんと一緒?」
女子生徒が、小首をかしげる。
あ、今日も言われた。
僕と先輩は、教室に行くまで一緒のことが多い。
一緒というか、先輩が僕の後ろをついてきている、という感じだ。
僕はなにも言わないので、いつもそんな感じ。
今では「あの璃來斗が俊栄に、教室まで送り迎えされてる」などと言われている。
この学校では、三年生と二年生の仲が良いとは言えない。
なので、僕と俊栄先輩は異例なのだ。
「……そうだよ。みんな、おはよ」
僕がそう言って、ふっと微笑むと、数人の女子生徒が頬を赤く染めた。
女の子を囲んでいた女子生徒が、床を見つめていた女の子を突き飛ばす。
口には出さなくても「邪魔!」と言って、押しのけるみたいに。
女の子はバランスを崩して倒れそうになった。
それを見て、俊栄先輩が顔をゆがめる。
ぶつかったのに「ごめん」の一言も言わないのか。
まるで、そう扱うのが当然みたいな顔をしているクラスメート。
傲慢。
僕はそう思い、心の中でほくそ笑む。
醜い、醜い。
自分がその様に扱われると、あっけなく壊れる、弱い人種のくせに。
なのに、虐められている彼女より、自分が「強い」と誤解している。
彼女を人じゃないみたいに、みてる。
醜い、醜い。
だけど、綺麗だよ。
僕のクラスメートは、全員、悪の華の苗床。
そして、この教室は悪の花園。
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