大人オリジナル小説
- いじめルーレット
- 日時: 2011/08/29 22:46
- 名前: 玲奈
わたしは、虐められたって傷つかない。
わたしたちの6年4組は虐めにまみれたクラスだから。
月曜日、ルーレットで一週間いじめられる人を決める。
そして、虐める。
虐められたって傷つかない。虐める方も、ただのストレス発散。
だからそれでいいと思ってた。
でも、それを変えてしまったクラスメイトがいた―――――
上のはプロローグです。
なんか残酷だけど、よろしくおねがいします。
- Re: いじめルーレット ( No.7 )
- 日時: 2011/09/23 22:24
- 名前: 玲奈
「果てしなく青い〜空に心ふる〜わせ〜。」
只今、卒業式真っ只中。
証書授与…一時間経ってるのに、まだ四分の一残ってるよ。
あ〜眠〜い。
「菜央。次だよ。」
「…は?」
「次で、三組が終わるでしょ?そしたら、次はわたし。それで、その次は菜央じゃない。」
オシャレなブレザーに身を包んだみさとが、わたしに言う。
「…あっ。ヤバいヤバい!えーっと、何言うんだっけぇ。」
『鈴堂月華』
副校長先生のアナウンスが響く。
「りんどうって、めずらしい苗字だね。どっかのお嬢様みたいな苗字。」
「あれ、知らないの?鈴堂さんは――ってわたし行かなきゃっ。」
鈴堂さんは…鈴堂さんは…鈴堂さんは何なんだよっ。
うぅっ…気になる…。後で聞くか…。
ていうか鈴堂さん、お金持ち?
ほとんどの女子が、スカートはプリーツみたいなのなのに、鈴堂さんは、綺麗な純白のフレアスカート。
レースが特に綺麗…。
でも、鈴堂さん、無表情…。
わたし、もうみんなには会わないかもとか考ると、涙でそうになるのに…。
この学校を去ることに、何の感傷もないわけ?
理解できない…。
そういや、鈴堂さんって頭いいんだっけ。
きっと、名門私立だろうな…じゃなきゃ、国立とか…。
まさか、この近所の森三中学はないだろうな。
みさとを、ふと見ると、ものすごく真剣な顔で、鈴堂さんを見つめている。
(こんなみさと…初めて見たかも。鈴堂さんに、何か感じてるのかな。)
『4組。明倉みさと』
あっ、行かなきゃっ。わたし次だっ。
長かった卒業式と、短かった小学校生活が、同時に幕を閉じた。
「あー。なんか、入学式が昨日あったかのような感覚…。」
「そーだねー。香穂と出会ったのも…たまたま、校門で会って…。」
しんみりした空気の中、突然、遥菜が割って入ってきた。
「ねぇねぇ!聞いて!鈴堂さん、鈴堂グループの令嬢なくせして、森三行くんだって!」
「へぇ〜…ってえええええ!?鈴堂グループ!?森三!?」
森三……森野第三中学校……極々普通の区立中ですけど!?
わたしも、都立中に落ちて、森三なのに…。
みさとも遥菜も、同じく森三だ。
「そういや、珠莉とか麻衣とか千紗もだなぁ。」
「千紗はともかく、珠莉とか頭いいのにね。なんで森三?」
「さぁ、なんでだろうね。」
このときのわたしは、まだ想像もつかなかった。
まさか月華が、あんなことをするなんて――――――――――――