大人オリジナル小説
- 彼女の事が嫌いです。
- 日時: 2011/09/23 21:53
- 名前: ちゃっ吉
まじめに…。
頑張ります!執筆!
もくじ
- Re: 彼女の事が嫌いです。 ( No.6 )
- 日時: 2011/09/24 10:01
- 名前: ちゃっ吉
第3話 声の小さな転校生
瑠衣の言った通り、その夢美(ユメミ)ちゃんとはすぐに出会うことができた。HRの時間、あたしたちのクラスに転校生が来たのだ。
「それじゃあ、自己紹介をしてください」
先生が教室の片隅の机から転校生を見ながら言う。
「……です」
…???
転校生の女の子はぼそぼそと小さな声で話す。
すごくかわいい、白い肌に綺麗な髪の毛。パッチリ占めにうすい唇。
可愛い女の子って自信もってて、たいていあたしが近寄りがたい、ウザい子なんだけど(凜花は可愛くない。なんというか黒くてサラサラしたツインテールのヅラをつけたゴリラをイメージしてほしい。肌は小麦色だけど)
そういう子に限って声が大きくて胸張ってるもんじゃない?
大人しい子なのかな?
「藤咲」
先生は瑠衣の名前を呼んだ。え、どうしたの?
「手伝ってやれ」
何も言わずに立ち上がる瑠衣。
はぁっ…ってため息をついてる。
え?え?どうしたわけ?なんで先生は瑠衣の事を指名したんだろ?
「えと、B中学校から引っ越してきた。岡 夢美さんです」
夢美ちゃんから何か言われたでもなく、最初から分かっていたみたいに
瑠衣はすらすらと夢美ちゃんの事を紹介する。
『いいけど、この調子じゃ夢美も毒されちゃいそうだな』
不意に、瑠衣に言われた言葉を思い出す。
そっか、この子のことを言ってたのか。瑠衣は。
「よろっ…よろしくお願いします」
そこんところだけ夢美ちゃんはしっかりとした言葉で言った。
「じゃ、空いている席に座れ」
あ、あたしの隣。
「あたしの隣、空いてますよ」
「おう、じゃあ、そこにすわってくれ」
おずおずとあたしの隣の席に座る夢美ちゃん。
「よろしくね!」
声かけてあげた方がいいよね。きっと。
「…ん」
きっと、夢美ちゃんは「うん」って言ったんだろうけど、声が小さすぎて聴こえなかった。
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