大人オリジナル小説
- そらのむこう。
- 日時: 2011/11/30 15:29
- 名前: 笑羅
はじめまして〜^^ノ
初投稿(?)笑羅デスw
これは私が中1のときにノートに書いてた話です。
文章力が小学生並み、いやそれ以下ですがそれでもおkな心優しい方だけどうぞ!
- Re: そらのむこう。 ( No.2 )
- 日時: 2011/12/01 17:00
- 名前: 笑羅
「あーっ美有いたいたー!またトイレー??」
「うん・・・・ごめん」
予鈴はまだなっていないが、美有は教室に戻ったのだった。
あんな現場と出くわした後で、ゆっくり写真をとることなどとてもできない。
「ねー美有!坂部君って知ってる?」
美有の心臓は再びはねあがった。
坂部・・・・・・・
偶然なんだろうか。
「え、えっと・・・・確か隣のクラスの・・・・」
美有はそう答えた。
「そうそう!かっこいいよねー!坂部君!あたし告っちゃおっかな〜!狙ってたんだよね!」
「杏花・・・あんたホント顔しかみてないよね」
「いーじゃん告れば?応援してやんよ!」
アハハハハ・・・・・・
美有も皆と同じように笑う。
でも・・・・
坂部友也・・・・・
あの顔を思い出すと、心臓がなりやまなくなる。
ウソ。当たり。
・・・・・死のうとしていた・・・・・
・・・もし、私があの時、屋上にいなかったら・・・
ゾクリ。寒気が走る。
坂部友也は、何を思って屋上にきたのだろう。
どうしても気になる。もう一度だけ、話したい。
その日の放課後、美有は隣のクラスに直行した。
誰もいない教室で、一人、窓辺を見つめている少年がいた。
坂部友也だった。
「えっと・・・・・坂部友也くん。」
「・・・・・」
美有が声をかけても、友也は無言だった。
「・・・・・ちょっと来て!!」
そんな友也の腕を、強引に引っ張り、屋上まで連れて行った。
「アンタ、昼休みの・・・・・何のよう?」
「そ、そのことなんだけど・・・・。死なないほうがいいです。」
「はぁ?アンタに関係ないだろ」
確かに関係は無い。でも・・・・
「自殺未遂の現場見ちゃったらおとなしく過ごせないっていうか・・・・」
「だからってなぁ・・・」
「あっ、あのあのっ 見て欲しいものがあるんですっ」
美有は、そう言って友也にケータイで撮った空の写真を見せた。
「・・・・・・空・・・?」
「うん。空ってさ、同じ表情の写真は二度と撮れないじゃん?そう考えると、この写真一つ一つって、すごく貴重に思えない?」
美有は必死で友也に伝える。
空は同じ表情を二度としない。
それが、みんなに合わせていつも同じ顔ばかりしている自分にとって、とても羨ましかった。
美有が空を撮り始めた理由だった。
「だから坂部君も、ちゃんと空を見上げてみ・・・・」
「つまり空ヲタク?」
美有の言葉を、友也がさえぎった。
「えっ、ヲタ・・・・?」
「フッ。冗談。でもそうだな・・・俺も熱中できるなにかを見つけていれば、こんなことにはならなかったかもしれない・・・」
友也はゆっくり空を見上げる。
ひやりとした風が頬に当たる。
「知りたいか?・・・俺がなんで死にたいのか・・・・」
友也が美有を見つめる。
「・・・理由なんて無いよ。死にてぇから死ぬ。・・・それだけ。」
友也はそういって少し笑う。
(理由が・・・・ない・・・?)
予想外の答えに、美有は呆然とする。
「そ、それでも・・・・死ぬのなんて・・・よくないです・・・・」
救いたい。
美有はそう思った。
目の前にいる人を救えるのなら・・・・
「なら、さ、空の写真いっぱい撮ろうよ!そしたらきっと気持ちも変わるかも・・・」
美有は友也に笑いかけてみる。
友也はだまって立ち上がった。
「ま、気が向いたらな・・・・」
そうつぶやき、屋上を後にした。
「・・・・・・・」
私の思い、ちゃんと伝わったんだろうか?
屋上に一人残された美有はぼんやりと思う。
空を見上げる。
厚い雲が、空一面を覆っていた。