大人オリジナル小説
- 奴隷生活〜苦しいだなんて思わない〜
- 日時: 2012/10/26 19:19
- 名前: アーモンド王妃
奴隷って何だと思う?
捕らえられた人?
自由を奪われた人?
あるいは――人でありながら人としての権利を剥奪された人?
きっと、これらの表現が正解なんだろうね。
でも、実際はそうじゃない――そうじゃないんだ。
自分から望んで奴隷になった人だって、少なからずいるはずだ。
例えば、ここに一人―――――――――
持永りおん、14歳。
亜里沙様の奴隷として楽しい毎日を過ごしています。
- Re: 奴隷生活〜苦しいだなんて思わない〜 ( No.2 )
- 日時: 2012/10/26 19:06
- 名前: アーモンド王妃
「りおん!今日はこれで遊びましょう?」
笑顔で語りかける亜里沙様の手には鋭利なカッターナイフが握られている。シャンデリアからこぼれる光を受け、怪しく光っている。
「かしこまりました、亜里沙様」
「何でも、これで手首を切る遊びが巷で流行っていると聞きましたの。私怖いから、りおんがやってみて下さる?」
「もちろんでございます」
そう言って亜里沙様からカッターナイフを受け取る。
この鋭さ――どうやら、ただの代物ではないようだ。
だが、それに臆さず私はそっと刃を手首に当てた。
そして、ゆっくりと力を加えて皮膚を裂いた。
やがて手首を赤い血が伝い、亜里沙様の部屋のカーペットへ滴り落ちた。それを気にした風もなく、亜里沙様は目をらんらんと輝かせている。血に染まったカッターナイフは、いつの間にか床に落ちていた。
――――――赤い。
それが感想だった。
血が赤いのだなんてあたりまえだが、こんなにも美しく滴る血を見るとその赤さが不思議に思える。
赤とは何て美しい色だろう。
ここまで「生」と「死」を思わせる色は他にない。
私はどうやら赤が好きになりそうだ。
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