大人オリジナル小説
- 孤独な少女
- 日時: 2013/03/20 00:10
- 名前: こな
「っ・・・・・!!」
美也、本井美也は自分の部屋でリストカットをしている。死んで楽になりたいとかそんなんじゃない
しいていえば・・・生きるのがめんどくさくなってきてしまった。
何でこんな風に、あたしなったんだ?
二年前の自分は・・・・
自分の手を汚しても、もとのようにはデッタイ戻れなくなっても何にも考えていなかった。
毎日毎日蹴る、殴る、ケンカ、暴力、の繰り返し。まぁあたし結構強かったんだよな、自分で言うのもなんだが
でも、どっかでは普通に幸せになりたがっていた。飢えていた愛というものに
だけどそれとは裏腹に、幸せになろうとはせず人を傷つけてばかりいた
『お前、幸せになりたいんだろう?だったら幸せになれ、大丈夫お前ならいけるよいつかデッタイなれる』
あの人はそう言ってくれた。この世にいちゃいけないあたしの事を全部知っていながらもそういってくれて励ましてくれて、
でもムリなんだよ・・・・・
あたしだってあきらめたくなんかない、幸せになりたい。幸せになれるように努力だってしたし頑張った。
でもねそのたびに死んでいくの、仲間というかけがえのないものが
『お前にはきれいな世界を見てほしい・・・・・・』『無駄にすんじゃねーぞ、俺たちの死を』『生きて綺麗な世界をみなさい』
はぁ?ジョーダンじゃない!!きれいな世界を見るのはいいけど何であんたらが死ぬ必要があるの!?ふざけんな!あんたらなしでどうやってみりゃいいのよ?!!どうやってみりゃいいのよ・・・・お願いだから分かんないもん・・・・
人が死んで見れるぐらいだったら、見ないほうがいい
今のあたしは、孤独でいつも一人、
大切なものを失った今、
空っぽの人形になってしまった・・・・・・
- Re: 孤独な少女 ( No.2 )
- 日時: 2013/03/20 23:39
- 名前: こな
「っ・・・・・・!!」
痛みで叫んでしまいそうになったが直前までいてぐっとこらえた。今叫んでしまっては海斗が来てしまう。
右手にはカッターナイフを持ち左手には血がにじんでいる。ナイフの切れ目に沿って血が浮かび上がるようにして出てきた。だが、力いっぱい切ったにしては血が出てくる量が少ない。
当然か、とあきらめに近い感情で傷口を見上げた。あたし、死ねないもんね
服の袖をめくり手洗い場へといそいそと行った。そして水道の蛇口をひねり切ったところを洗い流した。左手首の切ったところを冷たい水で軽く洗うと血が取れ元の真っ白い腕になった。傷一つなく、痛みもない。もちろん確かに私は切った。ナイフに血がこびりついているのが証拠である。
自分の体が特殊であることなどもうとっくにきづいている。私の体はどんな方法で死のうとしても、死ねない。
前なんてコンセントを上にひっかけ、台の上に乗り首にひっかけ首つり自殺をした。まあ普通だったらは百の承知で死ぬのだが苦しくなく、むしろ浮いた感じで楽しかったので鳥の物まねなどをしていた。
まあ今回も同じ結果だ。死ねると思ったのに、まあしかたがないしね。
テーブルのそばに置いてあったタオルで濡れた手を拭きながら時計を見た。夜の7時を上回っている。もうそろそろあいつ来ると思うんだけど、まだこないなぁ・・・・・
ピンポーンピンポーンおーいあけろーピンポーン
玄関のチャイムから一定の音程でボタンを押している
。普通なら私の場合、警戒しているのだか、声の主がわかっているのだがわかっているからこそ、うるさいと感じはせずにいられない。
玄関に言ってもまだ鳴っている。ピンポーン、ピンポーン、まだかよ!
私は玄関のドアをドンッと音を響かせ開けた。
「うるさいんだけど!!静かにして!」
怒鳴り気味にそういうが相手も態度を崩さない。
「うるせーのはそっちだよ、全くこんな夜中に・・・静かにできないもんかね」
こうなると言い合いが始まってしまうのだが、今日は不機嫌な気持ちが一変、ぱぁっと笑顔になった。
「今日ハンバーグ?!やったー!」
「鼻がいい女だな・・・犬かよ・・・・」
いらない一言を添えなかったら口ゲンカは始まらないのに、
そういわれると黙るわけにもいかず言い合いが始まってしまうのだ。最近言われっぱなしじゃすまないタイプだなと自覚があるが治そうとはせず、っていうことはやっぱり言い合いが始まってしまうのだ。
「犬はあんたじゃんでしょ?!ピンポンピンポンうるさいじゃん!!」「はあ?!なかなか出てこないのが悪いんだろ!脳みそ働いてんのかよ!!」「あたしの脳みそは働いています!頭があんたよりもよくってよ」「あたまなんて生活に役立ちますかね?!」「やくだちます!!」
10分以上そんなやり取りが続いた。そして
「はいこれど・う・ぞっ!!」
海斗は語尾のほうを強くしていった。そんな海斗をあたしもまねて
「ありがとうご・ざ・い・ま・すっ!!」
語尾のほうを強く言ってやったら海斗がぎりぎりと睨んできたため、まけじと睨み返す。
睨むのにめんどくさくなったのか海は「はぁ・・」とめんどくさそうなため息をついてから
「じゃあな」
と自分の家に帰って行った。木村海斗、略して海は私の隣の家の茶色い一軒家に一人で住んでいる。私と海には親がいない。とうぜんだが親の顔も親族すら知らない。
そう、私と海斗は2年前まである施設で育った。
そこは地獄のようだった・・・・
毎日叫び声が絶えない、苦しい声、弱弱しく助けを求めている声などいろいろあったが、まとめて言うと、すべてが絶望だった・・・・・
そう・・・・あの人が救ってくれるまでは・・・・