大人オリジナル小説

クラス『格付け』ゲーム
日時: 2013/05/06 11:28
名前: ちくわ


それは、何時から始まったのか。

誰の手で始められたのか。

何のために始められたのか。


       それは誰にも、分からない。



『この地獄のゲームの、支配者はだぁれ?』


馬鹿馬鹿しい、そして生々しい、地獄のゲームの『プレイヤー』となってしまった少女たちの物語。

少女たちは、ゲームに『汚染』されてゆく。
『最後まで正気を保てるのかなぁ?』





『無理に決まってる。』

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Re: クラス『格付け』ゲーム ( No.5 )
日時: 2013/05/31 10:48
名前: ちくわ

「…なにこれ」
思わず口から飛び出した落胆の声。

頭がおかしいのか、これを書いたやつは。
腰がへなへなと弱まり、力が入らなくなる。
呆れた。

軽々しい文章。
丸っこい文体。
狂気の内容。

「…ねぇ何?これ…」
かずみが、きつく束ねたポニーテールを揺らして、私に寄り添った。
「わかんない…頭おかしいよね…」
「あーまさにソレ。あのさ、ねぇ、帰ろ。ほら、早苗っちさぁ、今日はスイミングの日じゃなかったっけ?」
かずみはわざと明るい声を上げる。でも私は明るくはなれない。
「…違う。それ明日。ねぇ、これ誰?」
「…こんなの、無視してさ、ほらほら、帰ろぉ!」
「…でもさぁ、気になるじゃんさぁ。かぁっぴもそうでしょ?」

私達が喋っていると、


がらり


ドアが空いた。
ドアの向こうには一人の少女が仁王立ちしている。
それは正しく、狂人イラカに『クイーン』を押し付けられた、藤川カノンだった。

白くて細い陶器のような足で、紙の前にずかずかと進み、
爛々と光った黒か茶色か微妙な色の瞳でそれを舐めるように読み、
これまた微妙な色の綺麗な髪を軽く引っ張りながら、
ピンク色の鮮やかな唇で大声で叫んだ。

「・・・・・・・・!!」

私たちにはその内容は聞き取れなかった。聞きなれない言葉。恐らく彼女が昔学んだという英語だろう。

「信じらんない!何コレ?狂人!クレイジー!サイコパス!こんなフザけたもん認めない!タダでさえ頭のおかしい人間もいるのに!」クラス一の美少女軍団、沙織、雫、美紀を睨みつける。
「こんなもん、私は認めない!こんなの、破ってやるわよ!」

と、ヒステリックに叫ぶと、なんと彼女は壁に貼られた紙をびりびりと細かく破り、窓を大胆に、ばん、と開け、そこから雪のようになった紙を放り投げた。
それはひらひらと舞い、もはや何が書いてあったかすら分からない。

はぁはぁと息を荒げながら、彼女は、ランドセルを乱暴に背負いあげ、
「何が格付けだ。奈々、行こ」
と、恐ろしげに腰を抜かしている野村奈々を無理やり引っ張り上げ、ずんずんと帰っていった。


「…神経太いよね、あの娘。」

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