大人オリジナル小説
- 白黒ストーリー
- 日時: 2013/06/16 22:27
- 名前: suzuka ◆3p2qsnXqkQ
ご注意
・荒らしなどの迷惑行為はご遠慮ください
・文才等はございません
・更新は遅いです
・アドバイス、コメントいただけると嬉しいです
目次
1 >>1 >>2
2 >>3
3 >>4
- Re: 白黒ストーリー ( No.5 )
- 日時: 2013/06/16 23:34
- 名前: suzuka ◆3p2qsnXqkQ
4
目が覚めると、まぶしい太陽の光が私を灰にしてしまいそうなほど照りつけていた。汗で服が体にくっついている。アルコールのにおいと、一定のリズムで聞こえてくる機械的な音。しかしそれはカーテンの向こうからだった。
「病院……?」
少し動かすだけで痛む全身。動かない左足。
「起きましたか?」
背の高い男性が手に持っている紙に何かを書き込み、その後私の左足の包帯をとった。すぐにわかった。骨が、折れたんだと。
おそらく医者であるその男性と一緒に入ってきた母親は、疲れているようだった。ボサボサの髪に、細い目。私を見るその目は、少し潤んでいた。
「足……折れてるんですか、骨?」
出てきた言葉をそのまま口にすると、医者は新しい包帯を巻きながら作り笑いで答えた。
「左足の骨がかなりひどく折れてましたが、そこ以外は大丈夫ですよ」
私は自分の左足を凝視すると、舌打ちした。医者は少し困った顔をしたが、上から私を見下ろしてからカーテンの向こうへ消えていった。その時、彼は確かに言った。「骨折ですんでよかったじゃないか……命を落とす可能性だってあったんだ。悲劇のヒロインぶってんじぇねーよ」
「ちがう、ちがう」
――――私が舌打ちしたのは。
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