大人オリジナル小説

時間と亡霊
日時: 2013/08/29 15:29
名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw

ここでは「教師と生徒」と言う小説を書いている牟川です。まだ新人ですがここで2作目を投稿することにしました。よろしくお願いします。

尚、シリアス・ダークの板の「イギリスからの使者」もよろしくお願いします。


この作品はストーリー上、一部に社会問題的な表現があるためここで投稿する事にしました。

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Re: 時間と亡霊の陸軍 ( No.2 )
日時: 2013/08/29 15:33
名前: 牟川 ◆mgGfGI6Kaw

 第1話 長い別れ 



 2、


(2035年7月20日)

 現代地球といろいろな面でかなりそっくりで,ちょっと違うある某星。その星の極東に位置する日本国の南海島に住む高校1年生,北辺勇一(きたべ・ゆういち)はいつも通り子乃羽が作っておいた朝食を食べて道原学園高等部まで歩いて通学する。他の生徒は基本的に自転車かバス通いだが幸い勇一の家は学校と近いので徒歩通学だ。そして,いつものとおり学校の横にあるコンビニの前で友人の大乃勝男と木下実貴の2人に合流した。

「おっす、勇一」
「おはよう,勇一君」
「おう,おはよう。で,極豪と道原は?」
「そろそろ来るとは思うぜ。それより,外川はどうしたんだよ」
「ああ,あいつは朝寝坊したから少ししたら追いつくだと」

 今日は珍しく,いつもの登校メンバーの極豪や道原の姿が無かった。極豪はともかく現学園長の妹である道原愛や、勇一の隣の家に住んでいる外川夏海も今日は朝寝坊をしたらしく今ここにはいない。
とは言ってもそろそろ来る時間であると思ったが,ちょうどと言うタイミングで夏海と極豪がほぼ同時に到着した。

「ごめんね,勇君。朝寝坊しちゃったよ」
 
と,夏海。

「すまん,ちょっとした用で遅れてしまった。ああ,ちなみに道原妹は道原姉の使いで先
に登校したらしいぞ」

 そして,いつ連絡を取ったか知らないが既に道原の居場所を知っている極豪。
 
 道原愛の姉である道原恋は卒業後は海外へ留学すると言っていたが,前学園長が突然姿を消したらしく彼女の親戚である理事たちが急遽彼女を学園長に任命させたと言う。恋はその決定にかなり戸惑いや親戚らの勝手な決定に抗議したらしいのだが、結局引き受けたらしい。ただ,何か大きな問題を隠しているのでは?と、疑惑を持つ者も少なくない。

 とり合えず,メンバーは揃い時間もギリギリになってきたので校門の中へ入ることにした。今日は終業式前日であるため殆どの生徒は午前には下校または部活動等になるのだが,勇一と勝男は社会の点数が危険な数値であったので補修を受けることになっている。勇一は社会以外ならまあまあな点数だが,勝男は全教科オール以下略(察してくれ)であったため夏休み中に補習を受けるになっているらしい。

「じゃあ,夏海また後でな」
「うん,勇君。社会科の補習頑張ってね」

 夏海は高等部1年で,高等部2年とは違う校舎であるため夏海とはここで別れた。

「はあ,面倒だぜ補習」

 勝男は社会の補修を思い出し意気消沈しているご様子だ。その勝男の姿を見て極豪は、ニコニコしてこう言った。

「まあ,俺みたいにカンニングの努力しないからだ。今後は将来のためカンニングも大事だぞ!」
「おい,それ完全にアウトやろ」
「あのな,俺は全教科丸々赤点だがカンニングだけはしてないぞ」
「極豪君,あんまりだよ」

 勇一と勝男と実貴は思わず突っ込んでしまったが,極豪は運とカンニングを行うことだけは人よりも優れていることは間違いなかった。

「カンニングはスパイににとって大事な能力の1つであるしな」
 
 ・・・・・・・・。

 極豪の説明はさておき,勇一たちは2年A組の教室に入った。



 勇一たちが教室に入った頃,道原姉妹は学園長室で書類整理を行っていた。まあ,姉の恋(以下,道原姉と記載する)が学園長であるから当然であるのだが。

「ねえ,お姉ちゃん。何で私もこんなことしなければいけないの?」

 もちろん妹の愛(以下,道原妹と記載する)が姉の仕事を手伝わなければいけない義務はない。だが・・・

「じゃあ,今日はおやつなしでいいよね」
「嫌だ。絶対おやつほしい。だったらお姉ちゃんの言うこと聞くから」

 道原姉の一言で道原妹の対応はがらりと変わるのだった。と言うか,精神年齢がかなりおかしいことになっているのは気のせいか?

「じゃあ,早速この書類は不要だから消しておいて」
「はーい」

 道原妹は手に力を入れて物を消す魔法を使い,不要となった書類を物理的に消した。

「お姉ちゃん,もう終わったよ」
「そう,じゃあ次は子乃羽ちゃんに2学期に行う文化祭と体育祭についての書類を届けてきて」
「はいはーい。」
「それと,今日の放課後に子乃羽ちゃんの不肖の弟と馬鹿男の2人を連れ来るよう言って
おいて,社会の点数の事で用があるから」
「わかった,お姉ちゃん」

 道原妹はそう言って,瞬間移動魔法で子乃羽のいる生徒会室まで移動した。



「北辺と大乃はさ、何で社会のそこが出来ないのかな?だって日本人だったら誰でも知っている50年前の有名な大統領の名前だよ」

 教室に入った途端にクラス委員長の橋竹に怒られる勇一と勝男だった。何故怒られなければいけないのか疑問だったが,橋竹は真剣な目つきだった。

「俺,社会は歴史も地理も公民も現代社会も政経も苦手だし。なあ勝男」
「そうだぜ,委員長。苦手なもんは苦手だぞ」
「はあ,授業に関係なく橋竹邦雄大統領の名前くらいは知ってるでしょ!ああ、ちなみに私と名字が同じなのはただの偶然だからね」
「気にしてないし」

 勇一たちが、日本の昔の大統領のことで橋竹に説教されていたところに、横から極豪が1人で語り始めた。

「橋竹元大統領はかなりの策略家として有名で,俺としては尊敬する人物だ」

 極豪が語りだすと終ることなく続き,一学期の最初に行う自己紹介では1人で丸々50分間使い切ってしまうほどである。

「で,橋竹元大統領は國際連合軍事裁判A級戦犯扱いを受け死刑となったのだ。そして,さらに,・・・」
「極豪は黙ってて」

 極豪は熱く語り始めたが,橋竹の一声で急に黙りだした。さすがは「殲滅委員長」の異名を持つほどで,「熱血ミリタリー」の異名を持つ極豪でさえもノックアウトされたのであった。

「で,補修終わってもちゃんと2人とも勉強しておくのよ」

 とり合えず,橋竹の説教はこれで終了したのだった。

「ねえ,勇一君。子乃羽会長が読んでいるよ」

 実貴に呼ばれた勇一は教室のドアまで駆け寄った。子乃羽に呼ばれると大概勇一は雑用を任されるので,橋竹の説教の後は90%の確立で子乃羽のお使いを頼まれるのだ。まあ,子乃羽と勇一は従姉弟関係でしかも同居している関係であるから頼み易いのもあるのだろう。

「何だよ,子乃羽姉さん」
「勇君,休み時間で良いから職員室に行って夏休みについての書類を貰ってくるのお願いね。それと放課後,学園長室へ勝男君と来るようにだって」
「了解」
「それと今日は大事な話があるから補習終わったらすぐ帰ってきてね」
「わかった」
「じゃあ、また後でね」

 子乃羽はそう言って生徒会室室の方向へ走って去っていった。


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