大人オリジナル小説
- 仮面家族
- 日時: 2013/10/14 21:49
- 名前: akuma ◆CUSCskUtes
こんにちは。
仮面家族は、ぐろくはありませんが、ドロドロしています。
荒らしはいいですよ。
楽しんでくださいね。
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- Re: 仮面家族 ( No.40 )
- 日時: 2014/02/02 21:21
- 名前: akuma ◆CUSCskUtes
4 仮面家族の食卓
食事の時間
一日の中で一番嫌いな夕食の時間。
「どうだ。学校のほうは。」
お父様の決まり文句。
「えぇ。成績も一位ですし、
お父様のおかげで、自由に過ごせていますわ。」
『自由』には、いろいろな意味をかけた。
そう。色々な。
「今日も、隆之は、いないのか。」
隆之というのは、私の弟。
名門中学校の一年生。
一番最初に話したとおりのボンクラ。
きっと、今日もどこかで、女の人と楽しんでいるんでしょうね。
「きっと、勉強に勤しんでいて、夕食に遅れているんでしょう。」
嘘だと、父はきっとわかっている。
でも、嘘をつき続けねばならない。
家でも、外でも。
素直で、怖くて、聡明で、腹黒い
そんな美郷ちゃんを演じなければならないなんて。
ばかげてる。
「康司は?」
カンニングをしているお兄様。
今日は、きっと万引きでもしているのだろう。
「図書館に用があるといっていましたわ。」
「そうか。
真由美。俺はこれから用がある。
しばらく家を空けるぞ。」
きっと、浮気相手のところか、
政治家に賄賂でも渡しにいくのだろう。
バカみたい。
みんな、泥にまみれて真っ黒なのに。
必死に、天使にも勝るような輝きを求めている。
そんなことしても無駄なのに。
だから、私はいじめる。
こんな私に育てた家族を恨みながら。
あのユキも、できの悪いユキも、
親から愛されている。
学校では、あんなにいじめているのに、
朝来ると、曇った目に、少し輝きが見える。
だからいじめる。
愛なんで、愛なんて、薄っぺらいただの言葉だ。
憎い憎いもう真っ黒で、光も届かないところにいるのは私。
どうして
どうして?
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