大人オリジナル小説
- 生きる希望
- 日時: 2013/11/10 20:18
- 名前: 言葉
いつからか、姉は才能があって私にはその一欠けらもなかった。
でも、私はやさしい姉が好きだった。
そして、壊れた……。
‐全部、全部、全部壊したのは神様だ。
憎むべきは神様だ、神様なんか……-
姉のスケッチブックに書かれた言葉、キャップが外されたままのペン。
「お姉ちゃんっ!」
夜の街に私は飛び出した。
- Re: 生きる希望 ( No.1 )
- 日時: 2013/11/10 20:35
- 名前: 言葉
第一章「プレッシャー」
「……行ってきます」
もう誰もいないのに、挨拶をして家を出た。
姉はもう学校に行ってるし、お母さんはお出かけだし、お父さんは会社。
結局トロい私が毎回一番最後。
「鍵……と」
鍵をかける係、というやつで、学校を休んだ時以外はいつもこの係。
お姉ちゃんは素早いからいっつもならないよねー。
-花菜さんって、いつも優しくて、上品で、勉強できて歌もうまくて、ピアノもいろんな楽器もできて、顔も綺麗、スタイルもいい。梨花が羨まし
い-
昨日の莉乃の言葉が痛い、昨日だけじゃない、莉乃だけじゃない、誰もが、いつでも、いつまでも言い続ける、かけ続ける、呪い。
私は才能がなくてグズでちびで、頭もまあまあ、そんな人間だ……。
「梨花〜、行こう?」
「あ、ごめんごめん、莉乃待ってたんだ」
「そうだよ。梨花遅いから!」
「莉乃――、莉乃ってさ、お姉ちゃんのこと好き?」
「えー、花笑!?あんな馬鹿な奴?花菜さんと同じ字が入ってるなんて思えないよね!頭悪いし顔もよくないし……花菜さんはさ……」
気付けばまたお姉ちゃんの話題。
気付けばまた莉乃の言葉を遮るようにして言っていた。
「あのっ……さ。好きかだけ聞いてんのに、もー莉乃は……」
「あ、ごめんごめん。花菜さん凄いからついつい……もちろん好きだよ。だってたった一人の姉ちゃんだし」
好きなんじゃん、そうだよね、花笑さん良い人だもん、あたりまえだよ。
「梨花は好きでしょー、花菜さんのこと」
「もちろん好きだよ。だってたった一人の姉ちゃんだし」
「パックったなー!」
……プレッシャーに負けそうだ、でも私はそれを生き抜いてく。