大人オリジナル小説

社会派小説の書き方(題材集)
日時: 2014/09/20 20:26
名前: TAKE

 最近この板に来ました、TAKEという者です。
 シリアス・ダーク板では「黒歴史にしないための文章作法」というタイトルで、小説を書く上で守るべきマナーについてのスレッドを上げています。書き手の何人かは、書いていることを実践して頂いているようです。

 さて、ここで何故このようなタイトルのスレッドをアップしようと思ったのか。

 1ページ目に掲載されている小説を、一通り流し読みしてみたところ、実に9割方の人が「イジメ」をテーマに書いていたからです。
 社会問題系というより、イジメ小説板と改名した方がいいのでは? という感想を持ちました。

 ここを利用する多くの書き手は、中学生〜高校生であると見られます。
 普段ニュースを見る事も少なく、社会問題というとまず思い浮かぶのが、身近に起こっているイジメぐらいしか無かったというのが僕の見解です。

 もちろんイジメも立派な社会問題ですし、それを題材に書く事は大賛成です。自分も一編、通っていた高校で実際に起こった自殺事件についての作品を投稿しました。死んだ生徒の父親が、主犯の少年に対して法的にリベンジをしかける話です。

 しかし、これほど多くの人が同じテーマについて書いていると、掲示板としては活気を感じられません。

 あなたの書く小説の展開を予想しましょう。

@一人の生徒が教室で陰湿なイジメを受け、誰にも言えずに苦悩し、最終的に自殺

A一人の生徒がイジメを受け、相手に対して募らせた恨みが爆発。なんか不思議な能力が芽生えたりもしつつ倍返しエンド

Bイジメを受けていた女生徒が、いじめっ子に注意をした男子生徒と恋に落ちる


 おおかた、この中のどれかでしょう。

 使い古された題材で、展開に予想がつくし、こんなの面白くなるわけがない。そう思っていても、他に何を書いたらいいのかも分からないので、結局主人公が足を引っ掛けられたり、トイレで水をかけられたり、ノートを隠されたりするような話になってしまうのだろうと思います。そしてフタを開けてみれば、やっぱり駄作にしかならなかった。これでは次の作品を書く意欲も失せるというものです。

 そもそも社会問題って、どんなものがあるの?
 そんな悩みがある人に、テーマとなるような国内外の諸問題を分かりやすく書いてみようと考えました。
 題材としてヒントになるものを、ここから見つけてもらえればと思います。

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Re: 社会派小説の書き方(題材集) ( No.19 )
日時: 2014/09/23 17:50
名前: TAKE

6.題材の見つけ方について

 これまでいくつか社会派小説を書く上での題材を紹介しました。
 参考になるという声もあり嬉しい限りですが、ここで書いた題材をそのまま使うと、他の人に自分の力で書いていないと思われそうで、書き手としてのプライドが許さないという類の人もいるかと思います。
 なのでこのあたりで、どのようなものを題材にすれば社会派小説が書けるのかという事を、広範的に説明しようかと思います。

 まず、この掲示板で利用者の多くを占める中高生の皆さん。
 あなた達から見て、「社会」とはどういうものでしょうか?

 最初に思いつくのは、通学する電車などで見かける、スーツを着た大人達。
 彼らが会社に行って仕事をして、お金を稼いでいる世界。それが社会であるという意見です。
 だから、大人になっていない自分には、社会の事なんてまだまだ分からない。多くはそう考えるでしょう。

 次に思いつくのは、学校の中で生まれる先輩後輩の上下関係や、友達付き合いといったコミュニティとしての社会。
 こう考えるのは、「社会」という意味合いとしての範囲を、先述したイメージよりも少し広げて捉えている事が出来ている人々です。
 しかしこの場合、意味合いは広がっても、それが存在するのは学校の中だけになるので、物理的な範囲ではむしろ狭くなっています。
 イジメを題材に社会派小説を書こうとする多くの人は、この考えにあたるかと思います。

 このスレでコメントしてくれた方に対して一つ前のレスで言いましたが、イジメという題材はあくまで「社会問題」の一つであり、それを扱う作品のジャンルの多くは「学園もの」に区分されます。
 つまりは、この掲示板に上がっている作品の多くが「社会派小説に満たない青春小説」という事になってしまいます。

 では、本当の意味での「社会」とはどういうものなのか?

「社会人」という言葉を、あなた達は色々なところで聞くかと思います。そこには「大人」という意味や、「責任」という意味が含まれていますが、この言葉があるのは日本人だけだといわれており、英語圏で「social people」と言っても、そのままの意味には通じません。

 一つ目に挙げた社会のイメージとの関連になりますが、就職活動という文化も日本独特のものです。
 韓国での大学受験が国を上げて支援されているのを訝しく思うように、揃いも揃って黒いスーツに身を包んだ大学生が企業でテストを受けたりしている様は、かなり奇異に映るようです。

 ここで言いたいのは、「社会」というものは全ての世代と深い関わりを持っているという事です。

 例えば、消費税が増税した影響は、全国民が一様に受けます。
 地震が起こった時、学生だけが被災の影響を受けないなんて事はありません。
 地球温暖化の影響で夏が暑過ぎると感じるのは、大人も子供も同じです。

 上記に挙げた三つの例で、共通するキーワードがあります。


 影響。


 社会というのは、一つの物事が他の何かに「影響」を与え、繋がる事で成り立ちます。
 その影響がもたらす結果のスケールが大きく、また事実に基づいたフィクションが、社会派小説と呼ばれるものになります。

 社会派小説を書く上で必要なのは、世の中で何が起こっているのかを知る事です。
 その為には、ニュースや新聞に目を通す事。気になった事件や言葉があれば、ネットを活用して調べる事。

 結論を言うとかなり基本的な教えになりましたが、題材を見つけるには、以上のようなポイントを押さえて行動すればいいかと思います。

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