大人オリジナル小説
- kill you
- 日時: 2014/04/25 23:31
- 名前: 花崎結香
長い長い校長の話。耳障りだ。さっさとおわれ。死ね。偽善者の振りをした教師たち。消えればいいのに。私の心を自由にするのは復讐だけだ。
……………………………………ホームルームが始まった。担任の名前は伊藤圭介。いずれ私が消してあげるわ。それまで宜しく。私にとって人間は、最低だ。これは3年前。遠いようで近い日の話。
……………………………………
「いってきまーす!」
私は、中学一年。私には一つ年上のお姉さんがいた。名前は吉原香奈恵。
「お姉ちゃん!待ってよ!」
「ったく…遅刻するじゃん!急いでよ!楓!」
そう言っても私を待っていてくれる優しいお姉さん。
これが最期なんて思いもしなかったんだ。
同じ中学校のお姉さん。私の大好きな彼女は…
「「きゃー」」
数人の女子の悲鳴。何事かなど気にもとめなかった。いつも騒がしいこの学校では日常茶飯事だ。
「吉原楓さん、居る?」
1人の男子が息を切らして、私を呼んだ。
「私ですが。」
恐らくお姉さんの同級生だろう。
「吉原が飛び降りた。今すぐ行くぞ」
私の周りはやけに静かになる。悪い冗談か?
しかし、彼は私の手を引いて走った。走った。
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- Re: kill you ( No.2 )
- 日時: 2014/04/26 21:37
- 名前: 花崎結香
3年後;
お姉さんが死んで心にあいた穴はふさがらない。
高校生になった今も。
「吉原さん、根暗じゃね?」
どこからかそんな声が聞こえる。クラスの女子がクズ集団を作り上げ、ひそひそ話す。
死ね死ね死ね…
「ウザイよね。あーゆーの」
後ろを振り返ると、同じクラスの…
「笹原椎葉。」
ササハラシイバ…この世のクズとは違う雰囲気を醸し出す。
「ほっといてやんなよ。」
クズ集団に向かって、笹原が叫ぶ。一瞬怯んだが、また突っかかってくる。
「は?事実をいってなんか悪い?」
でた。クズの特徴。言い訳が幼いんだよね。
「根暗の方が、きゃんきゃん犬みたいにうるさいお前らより、数倍マシ。」
「なっ…!何なのよ!笹原さんもまとめて根暗じゃん!」
行き先を無くしたクズは意味の分からない抵抗を始めた。
「あんたら、本当に高校生?しゃべってて疲れる。幼すぎて。」
クズの1人がいった。
「あんたなんて、槙田さんにかかれば一発で終わるよっ」
クズのリーダー、槙田。とても笑える。だって、槙田の取り巻きが健気すぎる。まるで槙田の奴隷じゃないの。
「勝手にしたら?こんな人生いつでも終わってやる。」
場が凍りついた。クズ集団もさすがに黙った。
「行くよ!」
笹原は教室を足早に去った。
……………………………………
靴箱まで来て、ようやく足をとめた。
「改めて、笹原椎葉。宜しく。あなたは?」
「吉原楓」
私の名を聞くと、満足そうにわらって、
「良い名前ね、楓って。」
笹原の美しい横顔は悲しく見えた。
「私なんて、椎葉だもん。嫌な名前だわ。」
笹原は何も喋らない私に呆れたのか、
「あなた、まるでロボットみたいね」
さすがにむかついた。やっぱり人間はみんなクズ。
「でも、私、あなたが好きだわ。誰にも媚びない人。幼くなくて、とても大人で。ほめてるのよ?気を悪くした?ロボットはとりけす。ごめんなさい」
何だかこの人といると落ち着く。無理に会話を要求しないから、クズと会話するより私らしい気がする。
夕日が顔をだす。気づけば6時。
「帰ろっか。楓」
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