大人オリジナル小説
- kill you
- 日時： 2014/04/25 23:31
- 名前： 花崎結香
長い長い校長の話。耳障りだ。さっさとおわれ。死ね。偽善者の振りをした教師たち。消えればいいのに。私の心を自由にするのは復讐だけだ。
……………………………………ホームルームが始まった。担任の名前は伊藤圭介。いずれ私が消してあげるわ。それまで宜しく。私にとって人間は、最低だ。これは３年前。遠いようで近い日の話。
……………………………………
「いってきまーす！」
私は、中学一年。私には一つ年上のお姉さんがいた。名前は吉原香奈恵。
「お姉ちゃん！待ってよ！」
「ったく…遅刻するじゃん！急いでよ！楓！」
そう言っても私を待っていてくれる優しいお姉さん。
これが最期なんて思いもしなかったんだ。
同じ中学校のお姉さん。私の大好きな彼女は…
「「きゃー」」
数人の女子の悲鳴。何事かなど気にもとめなかった。いつも騒がしいこの学校では日常茶飯事だ。
「吉原楓さん、居る？」
１人の男子が息を切らして、私を呼んだ。
「私ですが。」
恐らくお姉さんの同級生だろう。
「吉原が飛び降りた。今すぐ行くぞ」
私の周りはやけに静かになる。悪い冗談か？
しかし、彼は私の手を引いて走った。走った。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
- Re: kill you ( No.1 )
- 日時： 2014/04/26 21:10
- 名前： 花崎結香
「あっ、あの、冗談ですよね？」
彼は黙って走りつづけ、庭園の前で足を止めた。そこには大きな人だかりが。人だかりをかきわけて、私と彼は進む。
女が倒れている。それは紛れもなく、
「お姉ちゃんっ！」
私の大好きな笑顔が素敵な優しいお姉さん。赤い飛沫が凄惨さを物語る。屋上から飛び降りたなら、九階の高さから落ちたことになる。
「すまない…。僕のせいだ。」彼は蚊の鳴くような小さな声でつぶやいた。
「えっ」
私は彼を見つめた。今にも涙が溢れそうな目で私を見つめ返す。
彼の手には何やら、握られている。
「屋上にあった。吉岡の遺書だ。」
そう言うので精一杯の彼は私に遺書を渡すとついに涙を流した。
……………………………………
楓へ
これを読んでいるという事は私はもう屋上から飛び降りたのかな。
死ねたのかな？私はもう限界なの。耐えられない。最初は悪口程度だったのに、どんどんエスカレートした。私が抵抗しないから。でも、それだけじゃない。教師も私を無視した。クラスメートも見てみぬふりをした。家族だけが私を笑顔にしてくれた。私を対等に見てくれたのは家族だけ。もう耐えられない。だから決めた。死んで復讐してやる。ごめんね。でも許して。いつかまた、会う日まで。
さようなら。
吉原香奈恵
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15