大人オリジナル小説
- 恋せよ乙女たち【恋愛小説短編集】 【目次あり】
- 日時: 2019/03/01 21:36
- 名前: ぴな& ◆eltWj8iNLM
どうも、ぴな&です。
普通に恋愛小説を書きます。
拙い文章ですが、読んで頂けると嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いします。
「恋せよ乙女たち」
*登場人物&設定
>>1
*本編
プロローグ>>2
第一話>>3
第二話>>4
- Re: 恋せよ乙女たち【恋愛小説短編集】 【目次あり】 ( No.4 )
- 日時: 2019/03/01 21:31
- 名前: ぴな&
前話:第一話>>3
[第二話]
十月も終わりが近づき、中学二年生はどことなく浮き足だっていた。
もうすぐ、ハロウィン。
皆それぞれの家で仮装パーティを開き、楽しむのだ。
双子も例年と変わらず行う様で、
「ほいほーい!うちのパーティ来たい人ぉー。おいでー。」
愛紗が声を掛けると、行く行く!と愛紗の周りに人だかりが生まれる。
「ん。大希も来るー?」
「あー。うん。行く!」
少し曖昧な返事に違和感を感じつつもおっけーと笑顔で人数に含める。
「楽しみにしててねっ!」
***
家に帰宅し、明日のハロウィンパーティに向けて、準備をし始める双子。
「それは、あっち……。」
りょ、と悠李の指示に返事をしつつ飾り付けを進める愛紗。
「ねぇ、悠李が喋れる男子って大希だけじゃん?」
「……ん……そぅ…だね。」
手を動かしながら、悠李に話しかける。
悠李は作業する愛紗を一瞥して、ふと、何故か、と考える。
「んで、思ったんだけどー。」
「…え?なに「好きなんじゃない?」
「?!」と驚く表情を見せる悠李を他所に冷やかす様な視線を向ける愛紗。
「そ………そぅかな…」
お?認めちゃうんだ?と返ってきた言葉にちょっと残念に思ったが、そんな態度は出さずに、うん、と言う。
「好き……………?」
「あはっ。その顔、恋してる顔だよ」
愛紗に言われて、好き、と繰り返し、顔を紅く染める。
いつも表情を崩さない悠李なので愛紗は珍しいものを見たと言わんばかりに頬を緩めてニヤニヤに笑う。
そうこうしているうちに準備は終わり、双子はそれぞれベッドに潜り、明日の事を想像しながら眠りにつくのであった。
***
ピンポーン
小気味の良いチャイムの音が家の中に響きわたる。
「ほいほーい。今行くよー」
と、誰にともなく呟き玄関へ向かう愛紗。
悠李もそれに続き、同級生を迎え入れる。
悠李は大希と目が合い慌てて目を逸らす。
愛紗はそんな様子を見てなんとも嬉しそうに頷きながら、会場へと同級生達を案内する。
「うわ、すご……」
「ふふーん。頑張ったんだから!」
思わず感嘆の声を漏らす同級生に得意気に胸を張って見せる愛紗に、大爆笑。
「……良いなぁ。私も……あんな風に………。」
そんな愛紗を羨ましそうに眺める悠李だが、その表情はあまり変化がない。
「楽しそうだね。でも、悠李ちゃんも一緒にいて楽しいよ?」
「……ッ…?!…そ、そんなこと……なぃ……よ。」
大希の言葉に否定を口にしつつも嬉しそうな悠李を見て、愛紗は少し胸がズキッとしたのを感じた。
(……え?今、ズキッて……?)
不思議に思うも、ま、いっかと流し、仮装タイムだよー!と宣言し、自分も別室に移動して着替え始める。
「悠李ちゃん可愛いー!」
悠李はアリス。愛紗は悪魔のコスチュームに身を包む。
「二人で買ったんだよー!皆も可愛いー!」
と、愛紗が返事をして、上手く盛り上げる。
悠李は恥ずかしいのかスカートの裾を摘まんでもじもじしている。
いこいこー!と、愛紗に連れられ会場へ戻ると、愛紗によって悠李は大希の所へ連れて行かれる。
「どぅ………かな。」
ヴァンパイアの衣装を着た大希にスカートの裾を摘まんで見せる。
「うん。可愛いと思うよ。」
笑顔で言われて、照れてしまいうつむく悠李。
そんな様子を遠目に眺めていた愛紗は、良い雰囲気じゃん、と満足そうに笑うも、再び胸が痛み、うっと顔をしかめる。
……まさか。と思うも、いやいや、と頭を振り笑顔を作る。
しかし、その考えを振り払えずにいた。
嘘…でしょ。悠李と同じ人を好きになるなんて。