大人オリジナル小説
- 生徒くんと先生さん!!
- 日時: 2022/03/20 15:44
- 名前: lapisu
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13247
○主な登場人物
生徒くん・・河合 純(かあい じゅん)
15歳の高校1年生。
先生に片思い中。
先生さん・・戸田 弘樹(とだ ひろき)
年齢非公開。数学教師
○サブ登場人物
木村 瑛太(きむら えいと)
純の親友。
花川 春(はなかわ はる)
瑛太の彼女。
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- Re: 生徒くんと先生さん!! ( No.2 )
- 日時: 2022/03/20 21:06
- 名前: lapisu
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13247
#2
ガラガラと音を立てて教室の扉が開いた。
みんなが一斉に動き出し、自分の席に座る。
ボクも瑛太の椅子から立ち上がって自分の席に座った。
午後の授業は憂鬱だ。
でも…今日の午後は…!
なんと戸田先生の授業が2時間連続っ!!
ボクはウキウキ気分になっていた。
それにボクの席は教卓の目の前!
至近距離で先生を眺められる最高の席だ。
(最高だ〜)
そう思いながら机から教科書とノート出して、ノートの前回のページを開いて机に置いた。
こうしていると「前回どこまでやりました?」と先生が聞きにきてくれることをボクは知っていた。
ボクの考え通り、一通り授業の準備を終えた先生はキョロキョロと周りを見渡した後ボクの席の前まで来て、「前回、どこまでやりました?」と聞いてきた。
「えっと〜」とボクが言えば先生はボクの隣に移動してノートを覗き込む。
「あ〜。ここまでかぁ」
先生が小さい声でつぶやく。
顔が近いので吐息交じりの声が耳に響いてくすぐったい。
先生はボクのノートを見て把握した後、「ありがとうございます。」と言って教卓の後ろへ回ってしまった。
教卓で教科書を見た後に黒板に授業課題を書く先生を見ながら声が響いた右耳を抑えて顔を下に向ける。
多分ボクは今顔がめっちゃ赤くなってると思う。
空いている左手でYシャツの首元を持ってパタパタしていると教室にチャイムが鳴り響いた。
それと同時に学級委員が号令をして授業が始まった。
先生の話を聞きながらノートにメモを取って……。
そんなことを30分続けたところで、「じゃあ教科書53ページの問題2を解いてください。」
という指示が入った。
教科書を開いて、問題を解く。
初歩中の初歩なのであまり時間はかからなかった。
戸田先生は「どうですか〜」と言いながら教室を巡回している。
時折聞こえてくる戸田先生の声を聞きながらボーとしていると
「できました?」という声が耳元で聞こえた。
「っできました!」
ぼーっとしてたので少し驚いたが何食わぬ顔で返事をする。
「ちゃんと解けてますね。えらいえらい。」
戸田先生は微笑みながらそう言った。
(ボク今褒められたっ!!えらいえらいって!!)
頭の中は好きな人で褒められたことで溢れかえっていた。
戸田先生はそんなボクには気付かずに「じゃあ確認しますねー!」と声を上げた。
「じゃあ(1)を…。」
戸田先生がそう言ったところで目が合う。
「あっ……」
そう声を漏らし戸田先生にしかわからないような小さい動きで首を横に振った。
戸田先生はそんなボクを見てニヤっとした後、「じゃあ河合くん」とボクを指名した。
「えっと…5です」
ボクが言うと「正解。」と言った後にもう一度ニヤっと笑った。
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