大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- 【BL】現妄実想(黒澤からみたら)
- 日時: 2015/03/24 08:31
- 名前: aki 秋元 aki
昔書いてた小説です。
暇があったら読んでみてください(^_^)
- Re: 【BL】現妄実想(黒澤からみたら) ( No.1 )
- 日時: 2015/03/25 10:33
- 名前: aki 秋元 aki
「・・・面倒・・・。」
俺、黒澤洸は今日この町に転校してきた。
事情はまぁ・・・聞かないでくれ。
ちなみに、転校する予定の高校は『桜岡雲上高等学校』だ。
まぁ、男子校。
本当は共学の学校もあった。でも俺があえてここにした理由は簡単だ。
『女が大嫌い』だったからだ。
女は少し優しくすればすぐに猫みたいに甘えてくる。
はっきり行ってうっとうしい・・・。
それに比べて男は違う。
「・・・それで、ここは――・・・・・・」
目の前で担任のおやじが学校についてあれこれ説明をしている。
・・・はっきりいって必要ないんだけど。
俺はヤツの話を聞くふりを続けた。
ちなみにここには職員室の奥にあるテーブルなどがおかれている。
転校初日の朝、ということで先生からいろいろと説明をしていただいている途中。
・・・ここの学校は少しは楽しませてくれるかな。
俺は窓の外を眺めた。
実をいうと、俺の趣味は『変わったヤツをいじる』事だ。
前の学校では・・・まぁ、ぼちぼちいたなぁ。割と楽しかった。
「じゃぁ、そろそろ教室に行くか。」
先生が立ち上がった。
「・・・ハイ・・・」
――――――
「突然だか、今日、転校生が来たんだ。家の事情で突然学校を変えることになった彼も不安でいっぱいだと先生は思う。」
・・・あのオヤジ、言ってんだ?
俺は少し不機嫌になりつつ眉をひそめる。
「まぁ、仲良くしてやってくれ。黒澤。」
余計な感想交じりの発言にいらだったが、俺は平然をよそおって教室のドアをあけた。
- Re: 【BL】現妄実想(黒澤からみたら) ( No.2 )
- 日時: 2015/03/25 10:36
- 名前: aki 秋元 aki
その瞬間、生徒達の視点が俺に集まる。
――あぁ、面倒。
「・・・こんちわ。黒澤 洸(くろさわこう)です。よろしく。」
はっきりいってこういうのは嫌いだ。
俺はとりあえずと歩きながら自己紹介をしてみせる。
ホラ、類は友を呼ぶって言うだろ?こうやって普通じゃないことをすれば、それなりの奴等が絡んでくるじゃん。
俺の意図を知ってか知らずか、生徒達はそれでもなお、好奇心を俺に向けてくる。
中にはあきらかに顔を真っ赤にしているやつもいる。
――あぁ、アイツは世に言うホモか。まぁ、俺は違うから関係ない。
誰か面白そうなヤツはいないかな。今のうちに顔覚えとかないと・・・。
とりあえず生徒全員を見回す。
できればルックスは『可愛い』か『イケメン』系がいいな。
ブスをからかっても面白くないし。
生徒一人一人の顔を見ていく俺。
そこで、ある生徒に目をとめた。
――へぇ〜、転校生に対してその目つき?変わってる。
窓側辺りの席に明らかに自分よりも身長が低いと分かる青年が座っている。
彼は顔が悪くない転校生、俺を睨んでいる。何故?
別にコイツも顔悪くないじゃん。ってか、・・・何かコイツの顔、うずく。
俺は初めての感情をとりあえず、と心の奥にしまいこんだ。
・・・あれ、前のヤツに前髪引っ張られてる。やっぱり性格はMか?
いや・・・。
俺は青年が前に座る男の顔面を殴りつけたシーンを目撃した。
思わずふきだす。
でも、誰も俺のそんな姿を見たやつはいない。
青年が殴ったやつが倒れた音でみな、そちら側を一斉にむいたからだ。
先生が呆れ顔で口を開く。
でも、今の俺の耳にそんな言葉は届かない。
――あぁ、今回はあの青年にした。ルックスもいいし。・・・なにより、今までにないタイプだ。
俺は口元に小さく笑みをうかべた。
- Re: 【BL】現妄実想(黒澤からみたら) ( No.3 )
- 日時: 2015/03/25 10:38
- 名前: aki 秋元 aki
ホームルームが終わった。
あの不思議な青年のところへ行こう、と立ち上がったときだ。
俺はクラスメイト達に囲まれた。
人と人の隙間から、青年が誰かと話しているのが見えた。
類は友を呼ぶ、というのは本当だ。
青年と話しているヤツもまた、いい顔立ちをしていた。
俺はいらだたしげに周囲を見回す。
「何?」
俺をかこむ男たちにあの青年を上回るような顔立ちのヤツがいないことを確認し、俺ははき捨てるように言う。
「何か用?」
すると、周りの青年達は一瞬ビクリ、と体を震わせた後に愛想笑いを浮かべてきた。
「オ、オレ田辺 祐介!よろしく」
一人の男子生徒が口を開いた。
顔を赤らめているのは恥かしいからだろうか。
俺は目を細めてソイツの差し出してきた手を見た後、ドカリと椅子に座った。
その時、フと人と人との間から青年とその友達の姿が見えた。
青年がこちらにうらやましい様な、軽蔑したような視線を送っている。
そして、それにつられて友達のほうもこちらを向く。
――俺を意識してるのか?
一瞬そう思ったがすぐにそれを打ち消した。
面倒くさい考えは止めよう。
「今朝、このクラスでクラスメイトの顔面を殴ってたヤツって誰?」
何気なくを装って周囲に聞いてみた。
そのときだ。
「あ゛ぁーーーーー!!」
突然、大声と同時に人との隙間から顔を真っ赤にして教室を出て行く青年の姿が見えた。
プッ、本当に変わったやつだ。面白い。しかもあの顔――・・・・・・
俺はうずく心臓にたえきれず、周囲の人間が何事か、と辺りを見渡すなか、立ち上がった。
「ねぇ、さっきの誰?」
・・・シーン・・・
静まり返る教室。
俺は誰も答えないことに苛立ち、もう一度言う。
「ねぇ、さっきのは誰?俺聞いてるんだけど。」
一歩一歩『青年と話していた友達』に向かって歩いていく。
青年の友達はドキリと顔を強張らせた後、軽く目をふせた。
そして、何かを決意したかのような目つきになる。
コイツもいじめガイがありそうだ。
俺はそう思いつつ青年の可愛いらしい顔を思い浮かべた。
「いや、僕知らないですよ。」
「お前じゃない。そこに座ってるやつに聞いてる。」
途中でメガネが口を開くが軽くそれをさえぎった。
「さっき、大声を出して教室を出て行ったの、お前の友達だろ。見てた。」
威圧をかけて聞いてみる。
しかし、青年の友達は少しもひるむ様子をみせなかった。
――コイツ、何気にイジメてみたい。
一瞬そう思ったが、その考えはすぐに消えた。
コイツの友達はもっとイジメがいがある、と判断したからだ。
「・・・そうだぜ。友達だけど?」
青年の友達が俺に挑戦的な笑みを向けてきた。
この反応・・・・・・新鮮だ・・・・・・
俺はワクワクしてニヤケそうな口元に力を入れる。
「その友達の名前、誰って聞いてるんだけど。」
二人の間に緊張が走る。
「・・・何でオレに聞くんだ?他のヤツに聞けばいいじゃねぇか。」
「周りは誰が出て行ったのか知らない。」
青年の友達は眉間に深いシワをよせた。
シワをよせると顔立ちがいっそう魅力的に見える青年の友達を俺は少しの間凝視していた。
彼は何かを悩んでいるらしくあれこれと顔を曇らせていた。
――そんなに、あの青年は『レア』なのか?
俺のワクワクはいっそう激しさを増すばかりだ。
「・・・・・話が長くなりそう。ついてこい!」
たまりかねて俺はそういうとすたすたと教室をあとにした。
青年の友達の一瞬迷ったようだが、付いてきている。
俺はこれから楽しくなるであろう高校生活に胸を弾ませた。