大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- ドン・キホーテ憂い顔の騎士BL【R18】
- 日時: 2015/04/04 07:08
- 名前: モンブラン博士
漫画「ドン・キホーテ憂い顔の騎士」のBL作品を書きたいと思います。
一生懸命がんばりますので、よろしくお願いします。
あらすじ
時は16世紀。
騎士がいなくなったこの時代に、突如として現れた遍歴の騎士 ドン・キホーテ=デ=ラマンチャ。通称ドン・キホーテ。彼は美少年の従者サンチョを連れて、世直しの旅に出た。
しかし、この物語には知られざるもうひとつの物語があった。
これは、美少年と40過ぎた中年男性との禁断の恋を描いた物語――
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- Re: ドン・キホーテ憂い顔の騎士BL【R18】 ( No.4 )
- 日時: 2015/04/04 18:16
- 名前: モンブラン博士
最近、お館様の様子がおかしい。
食事を持っていくたびに、なんだか色目のようなキラキラした瞳で僕を見つめてくる。
しかも、今日なんか「デザートはサンチョのキスが欲しい」なんて言い出して、本当にどうしちゃったんだろう。もしかすると、お館様はまた変な趣味に目覚めてしまったのかもしれない。前みたいに騎士道物語に夢中になって遍歴のバカの旅をしたみたいなことがもう1度あったら、それこそ付き合わされる方はたまらないよ。
まあ、一応アレはアレで少しは楽しい思い出になったけど、もしあのときに何か事故でも起きたら、それこそ大変だった。
そして、今回のお館様の言動から導き出される結論はただひとつ――
「お館様は、僕に恋心を抱いている?」
そんな考えが脳裏に浮かんでくるけれど、慌てて首を振って否定する。
「あのお館様に限って、そんなことは絶対にないよね」
だけど、一応念のために母さんに話しておいた方がいいかもしれない。
- Re: ドン・キホーテ憂い顔の騎士BL【R18】 ( No.5 )
- 日時: 2015/04/04 18:35
- 名前: モンブラン博士
「サンチョ、好きだ」
鏡の前に立ち、告白の練習をする。
どうしてそんなことをするのか、それは彼にいつでも告白できるようにである。
サンチョは毎日この家にやってくる。最もそれは、彼が私の家の隣に住んでいるからでもあり、母親のパンサさんが家政婦であるからでもあるけれど。
だが、ひとつ問題がある。
彼は私のことをどう思っているかがわからないのだ。
サンチョには父親がいない。
彼が物心つく前に家を出て行ったきり、行方不明になっている。
遍歴の騎士の旅は、彼の父親を探すのも目的ではあったが、結局探し出せなかった。
私には、その負い目もある。それに、私と彼では親子ほども離れている。
果たして対等な恋人同士として付き合えるかどうかも疑問の内だ。
だが、これだけははっきりしている。
「サンチョ、私はお前を愛している」
ひとり、鏡で告白の練習をするのは色々な意味で苦痛ではあるが、それを乗り越えてこそ、私とサンチョは結ばれるのだ。
恋愛に、年齢や性別など関係ない!
そうだろう?
- Re: ドン・キホーテ憂い顔の騎士BL【R18】 ( No.6 )
- 日時: 2015/04/04 20:10
- 名前: モンブラン博士
母さんにお館様が僕の事を好きになっているかもしれないと話すと、笑われた。
「まさか、お館様はそんな人じゃないわよ」
「だと、いいんだけどね」
「何か思い当たる節でもあるの?」
「今日朝食を持っていった時に、『デザートの代わりにキスをして欲しい』って言われたんだけど」
「それは多分お館様の冗談よ。あんたをからかってるんだよ」
母さんは笑っているけど、僕は背筋に何か冷たい物を感じて仕方がなかった。
これはもしかすると、悪寒という奴ではないだろうか。
冗談だと嬉しいけれど、万が一と言うこともある。
僕はこの日早めに自分の部屋に行って、微睡ながら考えてみることにした。
- Re: ドン・キホーテ憂い顔の騎士BL【R18】 ( No.7 )
- 日時: 2015/04/04 20:46
- 名前: モンブラン博士
お館様は僕にとって、どういう存在なんだろうか。
頭まで毛布にうずくまりながら、考えてみる。
父親代わり?
いや、それはあり得ない。むしろ僕が彼の保護者代わりになっているぐらいだ。
現に彼は40過ぎるまで村から1歩も出て行ったことがない人間だったのだから。
バカの旅の最中でも、僕は料理に洗濯、目覚まし代わり、母さんがいつもやっているからそれぐらいはできるけど、40過ぎて自分の身の回りのこともできないのは、大人としてどうかしていると思う。彼と朝から晩までふたりきりで過ごした旅は本当に嫌で早く終わってほしいと何度も思った。だけど、いざ終わってみると、心の中に少し寂しさが残る。
結局のところ、僕にとってのお館様は……
「変なおじさん」
という認識にしかならないことが判明した。
どう考えても、あんな中年オヤジに恋愛感情なんて起こるわけないよ。
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